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朝日新聞デジタル 2018年12月20日21時27分
学校で生徒が突然、心停止で倒れたとき、周囲の人が胸を押す心臓マッサージなどの心肺蘇生をし、かつAED(自動体外式除細動器)を使うことで、後遺症がほぼなく生存できる確率が、どちらもしない場合の2・5倍高くなることが、大妻女子大の清原康介専任講師(公衆衛生学)らのチームの解析でわかった。どちらか一方だけでは十分な効果がなかった。
総務省消防庁や日本スポーツ振興センターのデータをもとに解析した。2008年4月から15年12月にかけて、全国の小中高校、高専で児童生徒が学校の敷地内で心停止したケースのうち、けがなどを除いた232件が対象。心肺蘇生やAEDの使用があったかどうかで生存率がどう違ったかなどを調べた。
すると、倒れた30日後に大きな後遺症がなく生存している確率は、心肺蘇生もAED使用もなかった場合は20%。心肺蘇生だけの場合は23%、AEDだけ使った場合は25%にとどまったのに対し、いずれも実施した場合は51%だった。
倒れた人が呼吸をしていないときは心停止の可能性がある。その際は、119番通報するとともにAEDを運んでもらうよう周囲に頼み、届くまでは「胸骨圧迫」とも呼ばれる心臓マッサージを中心とした心肺蘇生をすることがすすめられている。その効果が実証された形だ。
両方に取り組むことで、脳や心筋に血液が流れ続け、救命につながっているとみられる。
学校で倒れた生徒にAEDが使われる割合は徐々に高くなっている。30日後の同様の生存率も、08年の38%から15年には57%に上がっている。
分析をまとめた清原さんは「倒れた現場にAEDが早く届くほど、生存率も高くなる。突然の心停止で亡くなる人を一人でも少なくするため、先生や生徒はAEDがある場所を普段から知り、使い方を学んでほしい」と話す。
(編集委員・田村建二)
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