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カオス? アナーキー? アナルコ・キャピタリズム?

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 昨日、菅内閣に対する内閣不信任決議案が否決されました。その経緯等々につきましては、今更触れるまでもないと思います。要は、内閣不信任決議案可決という絶体絶命のピンチに追い込まれた総理が御マヌケな鳩山前総理を巧みにたぶらかし、「辞任」の言質を取り付けたと早合点した前総理が衆議院本会議前の民主党両院議員総会で内閣不信任案への反対を呼びかけ、内心では解散・総選挙で議席を失うことを避けたい多くの民主党議員が前総理に同調し、援軍に寝返られては勝負にならないと見た小沢氏も仲間を連れて撤退し、何を思ったか(これ以上、道化の舞を演じる屈辱に耐えられなかったのか)松木謙公氏が内閣不信任決議案に賛成、玉砕しました。
 
 民主党両院議員総会の様子はテレビで放送されていましたが、「原発の見通しがつくまで」とかで辞任の時期を明確にしない総理と、震災復興対策基本法の成立等を条件にすぐにでも辞任するような口ぶりの鳩山前総理の認識の相違は、誰が見ても明らかだったと思います。「見通しがつくまで」といっても、それが1年先になるか10年先になるか分からないことは、小学生にでも理解できるのではないでしょうか。総理と前総理の間の覚書なるものはネット上で見ることができますが、こんな曖昧模糊とした表現で鳩山前総理が納得したのだとすれば、三国志演義の魯粛もビックリのお人好しぶりです。
 
 案の定というか何というか、菅総理は、その日の夜の記者会見で早期の辞任を否定し、原子炉が冷温停止するまで居座ると言い出しました。鳩山前総理は「ペテンだ」などと憤っているようですが、後の祭りです。記者会見での総理の発言は、裏を返せば、原子炉が冷温停止しない間は総理を辞めなくてもよいということですから、「原発事故の終息に本気で取り組む気はありません」という総理の内心が垣間見えたと言えなくもないでしょう。尤も、彼の頭の中には、一日でも長く総理の椅子に座っていること以外に何もないのでしょうが。
 
 「ペテンだ」という鳩山前総理の言い分が正しいとすれば、魯粛以上に(常識的には有り得ないくらいに)お人好しの前総理は、狡猾な菅総理にマンマと騙されたことになります。ただ、わたし的には、鳩山前総理は最初から菅総理の意図を見抜き、騙されたフリをしているようにも思えます。小沢一派が結束して内閣不信任決議案に賛成すれば、可決・否決にかかわらず、民主党の分裂(場合によっては崩壊)は避けられないでしょう。自らが育て上げた民主党を壊したくなかった鳩山前総理が、一日も長く総理でいたい菅総理と結託し、内閣不信任決議案に賛成する根拠を失わせるために一芝居打った。兎にも角にも「辞める」と言っている人に「辞めなさい」と言っても意味をなさないとすれば内閣不信任決議案に賛成する理由がなくなるという、何やらわけのわからない理屈ですが、不信任決議案可決による解散・総選挙で議席を失いたくない民主党議員にとっては、それでも十分だったのでしょう。内閣不信任決議案は否決され、大山鳴動し鼠一匹(横粂勝仁氏も含めれば二匹?)という結果に終わりました。民主党議員の頭の中に総理の即時辞任を求めて頑張るという選択肢は存在しなかったようです。
 
 今回の内閣不信任決議案を巡る騒動は、日本の政治、民主制に計り知れないダメージを与えたのではないかと思います。今日の菅総理はいつもの調子で「退陣と言ったのではない」と、まるで2チャンネルで罵り合っているような口ぶりですが、通常一般人から見れば、総理が「辞める」とウソをついて自身の政権の延命を図ったとしか思えないでしょう。昨日の新聞では「辞める」だったのに、今日の新聞では「あれはナシ」ですから、これほど露骨なウソはありません。民主党議員も、それと知りながらそのウソに荷担した(鳩山前総理も共犯者だとわたしは大いに疑っています)のですから、「ペテン」は総理だけではなく民主党そのものです。内閣不信任決議案の可決という民主的手続によってヤツらを排除できないことが明らかになった今、残された手段としては――自爆テロ意外にないかも、みたいな、陰鬱な気分の週末を迎えることになりそうです。

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