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カオス? アナーキー? アナルコ・キャピタリズム?

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 自民党の鈴木政二参院国対委員長は15日、民主党の簗瀬進参院国対委員長と国会内で会い、14日に衆院を通過した北朝鮮関係船舶の貨物検査を可能にする特別措置法案について「政局から切り離して速やかに参院で審議し、成立させてほしい」と求めた。簗瀬氏は首相問責決議を可決したことを理由に拒否した。
 鈴木氏はこの後、江田五月参院議長にも同様の申し入れをし、議長は「民主党に伝える」と述べた。
 一方、民主党の岡田克也幹事長は、同法成立に向けた自民党の協力要請について、都内で記者団に「民主党が後ろ向きだと印象付けようというジェスチャーにすぎない。誠に遺憾だ」と批判した。
 記事↓
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090715-00000076-jij-pol

 終盤国会の最重要法案、北朝鮮関係船舶の貨物検査を可能にする特別措置法案は、民主党による理由にならない(前の記事でも指摘しましたが)審議拒否により、葬り去られようとしています。民主党を、売国北朝鮮マンセー集団とか、無責任与党待望症候群とか、無作為税金泥棒マフィアとか罵るのは簡単ですが、彼らに何を言っても一向に意に介さないと思われますので、ここはひとつ、彼らの対応について”冷静”に分析し、批判してみようと思います。

 参議院の総理問責決議案は、(前の記事で述べたように)法的には「無」、言わばカスみたいなものですが、あえて衆議院の内閣不信任決議案と同様の”重み”を持つと解釈することにしましょう。であれば、逆に、衆議院で内閣不信任決議案が可決された後も、内閣が総辞職するか衆議院が解散されるまで、民主党の理屈によれば、衆参での一切の審議に応じられないことになります。

 しかし、衆議院で内閣不信任決議案を可決した後でも、どうしても成立させなければならないような緊急かつ重要な法案があれば、審議を継続、あるいは、(不信任された政府の法案を審議したくないというなら)政府案と同じ内容の法案を新規議員立法という形で処理することが、憲法上許されるかどうか。例えば、3月末をもって失効する時限立法を延長する政府提出法案(日切れ法案)の審議中、内閣不信任決議案が可決されたが、その時限立法を延長しなければ国民生活に重大な影響を与える場合には、どうなる???

 結論から言えば、そのような場合に法案を成立させても、憲法上何の問題もなく、むしろ成立させることが国会の責務として求められるのではないかと思います。衆議院の内閣不信任決議案の性質をどのように捉えるにせよ、憲法上も国会法上も、内閣不信任決議案の可決後に法案の審議をしてはいけないとは書いていません。また、理論的に見ても、国会の立法権(厳密に言えば法案の審議権と立法権は別ですが、ここでは同視してよいと思います)が内閣不信任決議案の可決により制約を受けると解することはできません。

 内閣不信任決議案の場合でさえ、そのように言えるとすれば、いわんや問責決議をやです。したがって、北朝鮮関係船舶の貨物検査を可能にする特別措置法案の審議を継続し、成立させることに何の問題もなく、問責された総理が提出した法案だから気に入らないということであれば、(技術的には、まず、その法案を政府に撤回させることになるでしょうが)同様の法案を議員立法という形で提出し、衆参で可決、成立させればよいのです。

 以上のように、(総理問責決議が理由にならないのはもちろんですが)総理問責決議を内閣不信任と同視するとしても、今回の民主党の対応に合理的な説明はできないと思います。何が何でも同法案を時間切れ廃案に追い込みたい、どんな手段を使っても成立を許さないと言ってるのと同じことですが、そうであれば、またひとつ、民主党を支持できない明確な理由が見つかったような気がします。

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    前回、問責を可決したのは何時でしたっけ?

    民主党はその後、国会が閉会するまで審議拒否はしていませんでしたよね?それが何故今回は審議拒否を頑なに行わなければならないのか?

    そんなに地元に戻りたいのなら、議員を辞めて永遠に蟄居していればいいのに・・・

    国会サボってる間の給料は国庫に戻せ!!!

    nobu

    2009/7/15(水) 午後 11:23

  • 恐ろしい…

    審議拒否に異を唱える議員が誰もいない民主党の現状が恐ろしい…

    これなら足の引っ張り合いをしたがる自民党の方がまだマシかも…

    [ たぬ吉 ]

    2009/7/15(水) 午後 11:30

  • いつもながらシャープな記事。感銘を受けました。傑作。

    [ KABU ]

    2009/7/16(木) 午後 3:19

  • こんばんは。

    共産中国と同様、彼らに何を言っても痛くも痒くも感じないでしょうね。ヒトモドキですから。後援・資金提供者の総連と在日の指示で動くヒトモドキに理屈は必要ないです。只、彼らに票を入れた人たちは今後の日本にどのような責任をとるのか知りたいですね。
    もしも自民が嫌いだから反対党にであるならば、それは危険です。票を入れたことは信任ですから、その責任を取らねばなりません。投票とはそういうものです。

    [ mana ]

    2009/7/16(木) 午後 8:05

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    NOBUさん・・・前回は、会期末ギリギリに問責決議案を可決したので、目立たなかっただけなのです。でも、今回は、異常性が際立ちますね。

    shchimya

    2009/7/16(木) 午後 9:40

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    ライクさん・・・次の選挙ではほぼ100%勝てる、選挙で勝てれば大臣になれるかもしれない、ボスに逆らって干されたら困る―このような考慮が働いたのでしょう。

    shchimya

    2009/7/16(木) 午後 9:41

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    KABU先生・・・ありがとうございます。四品の九品官人法に。

    shchimya

    2009/7/16(木) 午後 9:43

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    manaさん・・・投票した次の日には、自分が誰に入れたのか忘れている人も多いと思います。選挙民とはそういうものだと割り切ってプロパガンダに努める・・・なんだかヒットラーみたいな・・・

    shchimya

    2009/7/16(木) 午後 9:45

  • 転載させていただきました。

    <(_ _)>

    [ KABU ]

    2009/7/17(金) 午前 4:05

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    ありがとうございます
    今日、衆議院が解散され、総選挙モード突入です
    選挙までまだ間がありますから、最後の最後まであきらめず・・・歴史的にはフリードリヒ大王やクトゥーゾフ将軍の例を紐解くまでもなく、粘りがちということも、往々にしてありますから

    shchimya

    2009/7/21(火) 午後 9:40

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