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一昨日の吉野さんに続き、
今日は茨木のり子さんの、わたしが一番好きな詩を掲載させて頂きます。
ただこの詩は、茨木さんの詩の中でもちょっと異質なんです。
これをある学生に「これいいよ……」って見せたところ、
全く反応がなかったことに、落ち込んでしまった記憶があります。
なんだかとっても悲しかったんですが、
今日読み返して、でもやっぱりいいんです……、何度読み返してもいいんです。
汲む―Y・Yに― 茨木のり子
大人になるというのは すれっからしになるということだと 思い込んでいた少女の頃 立居振舞の美しい 発音の正確な 素敵な女の人と会いました そのひとは私の背のびを見すかしたように なにげない話に言いました 初々しさが大切なの 人に対しても世の中に対しても 人を人とも思わなくなったとき 堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを 隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました 私はどきんとし そして深く悟りました 大人になってもどぎまぎしたっていいんだな ぎこちない挨拶 醜く赤くなる 失語症 なめらかでないしぐさ 子どもの悪態にさえ傷ついてしまう 頼りない生牡蠣のような感受性 それらを鍛える必要は少しもなかったのだな 年老いても咲きたての薔薇 柔らかく 外にむかってひらかれるのこそ難しい あらゆる仕事 すべてのいい仕事の核には 震える弱いアンテナが隠されている きっと…… わたくしもかつてのあの人と同じぐらいの年になりました たちかえり 今もときどきその意味を ひっそり汲むことがあるのです 特に、
子どもの悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている この二つの件には、感服させられます。 頼りない感受性が、何かを生み出す。
震えるような本気の気持ちが、震えるような弱い気持ちが、
誰も出来なかったことをやってのける。
強くなったら、すれっからしになったら、それが見えなくなる。
そう思うだけで、胸の奥から何かが込み上げてきます。
何も出来ない自分だからこそ、何かが出来るんだって思えてくるんです。
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茨木のり子さんの詩も素敵だけど
何も出来ない自分だからこそ・・
西浦さんの この感受性も素敵です^^
2012/7/29(日) 午前 9:30
奥深い詩ですね・・・ちょっと考えさせられました。
ありがとうございます。
イイね。。
2012/7/29(日) 午前 9:51 [ - ]
おはようございます。
感性が鈍らないように保つ、ということは難しいですよね。
“頼りない生牡蠣のような感受性”を持っているということは、
すごくしんどいことでもありますしね。
それでもそれが人間なのか。それが人間らしさなんですね。
心がけたいと思います。 イイね!
2012/7/29(日) 午前 10:39 [ Talking Drum ]
サチさん、ありがとうございます。
わたしは自分を考えた時に、未熟な自分と、
ちょっと何かに麻痺している自分を見つける時があります。
でも、未熟というか、未成熟な自分を見つけることが多く、
それを、恥ずかしく思い隠してきたように思います。
仰るように、この歳になっても、
自分という人間が良質なのかどうか判りませんね。
でもこの詩を読んで、頑張っていさえすれば、
恥ずかしくはないんだってことを教えて貰ったように思います。
仰るように震える弱いアンテナを大切に持ち続けたいって思うんです。
2012/7/29(日) 午前 11:37 [ touchup1954 ]
たまさん、ありがとうございます。
カッコいいですよね。
いつも自分はすれっからしになっていないかって顧みながら、
立居振舞の美しい
発音の正確な
素敵な女性だったわけですよね。
この女性は、若い頃の茨木さんに
この詩の内容のことをお話になったんですよね。
ということは、
頼りない生牡蠣のような感受性と
震える弱いアンテナを
持っていたんですよね。
改めて、素晴らしいなって思えます。
2012/7/29(日) 午前 11:37 [ touchup1954 ]
浜ちゃん、ありがとうございます。
そう言って頂けると、
とっても嬉しいんですが、
茨木さんと、並んでいると恥ずかしいです。
最後まで読んで下さってありがとうございます。
2012/7/29(日) 午前 11:37 [ touchup1954 ]
明妃(めいひ)さん、ありがとうございます。
奥が深いですよね。
自分を省みる力だけではなく、
世の中や、人を観察する力も必要だと思い知らされます。
また年月が経って読み返してみると違った響きがするかもしれません。
2012/7/29(日) 午前 11:38 [ touchup1954 ]
Talking Drumさん、ありがとうございます。
わたしが想像するに、
多分この中に出てくる女性は自分のことのように思うんです。
そして、自分のことのように書いている、
主人公の若い女性は、茨木さんの近くに居る若い女性と、
自分を重ねているんでしょうね。
若者は、教えようとは勿論しませんが、
その後ろ姿から、学ぶことが沢山あるようです。
Talking Drumさんのおっしゃる、
“頼りない生牡蠣のような感受性”を持っているということは、
すごくしんどいことでもありますしね。
という文章、
とってもわかってらっしゃるって思えます。
きっと、若者をいつも観察なさっているからでしょうね。
2012/7/29(日) 午前 11:38 [ touchup1954 ]
西浦さん こんにちわ。
私は自分の弱さに気づくとき、いつも
これではいけない、これではいけない
と思っています。
でも、こんな部分も私の一部。
無理のない私で居続けられればいいのですね。
無理をしても私のペースはこのペースなんですね(*^^*)
2012/7/29(日) 午前 11:51 [ 美穂 ]
はなしは変わりますが…
この背景、かわいらしくっていいですね!
それと…
31日、ローソンに西浦さんの『大空のしずく』聴きに行きます!きっとローソンでひとりニヤニヤ…怪しい人になりそうです(*^^*)楽しみです!
2012/7/29(日) 午前 11:56 [ 美穂 ]
こんにちは(^-^)
人にはポジティブに見られるネガティブなんですが… 最近とっても自信喪失中(*_*)
自信なんかどっから湧くんやろ。
自分は何もできひん。
こんな感じでした(--;)
けどこの記事を読ませてもらってちょっと楽になりました(⌒‐⌒)
達雄さんの生歌が聴ければもっと元気になれるんですが…(笑)
落ち込んだときにはこの詩と達雄さんの曲で乗りきります(*^^*)
2012/7/29(日) 午後 5:08 [ あさ ]
美穂さん、ありがとうございます。
そうです弱さを持たないと、
そわい時の自分を、体に刻まないと、
弱い人の気持ちはわかりません。
世の中は、強い人より弱い人のほうが多いです。
弱い人は、自分を理解してくれる人に巡りあいたいと思うんです。
理解できる人間はかつて弱かった人だと思うんです。
ずっと強い人間にはなかなか理解ができなんと思うんです。
仰るように、そのままでいいんです。
そのままの美穂さんでいいんです。
2012/7/29(日) 午後 7:19 [ touchup1954 ]
西浦さん ありがとうございます。
そのままの私でいい
なんだか ほっと心がゆるみました(*^^*)
2012/7/29(日) 午後 8:30 [ 美穂 ]
あささん、ありがとうございます。
社会に出ると、想像もしていなかったことで、
悩んだり、落ち込んだりします。
繊細な気持ちを持っている人間は特にその気持ちを強く持つでしょう。
そんな気持ちになりたくないから、心ならずもすれっからしになってしまうんです。
辛いかも知れない、でもあのスニーカーの時を思い出せばいい、
どんなことでも、それを力に変えて来たんだと思うんです。
涙を流したし、恥ずかしい思い、赤面もしたでしょう、
後輩の一言に傷ついたこともあったでしょう、
でもすれっからしにはならなかったんじゃないですか。
今も音楽を聴いていて涙がこぼれるなら、
あなたはすれっからしじゃない。
頼りない生牡蠣のような感受性や
震える弱いアンテナをずっと持ち続けるのは辛いかも知れない。
でも、あの頃の音楽を嘘にしないためにも、
これからも、ずっと音楽が好きでいる為にも、
持ち続けて欲しい。
ほんとは、それが強くなるってことかもしれないですね。
2012/7/29(日) 午後 8:50 [ touchup1954 ]
お久しぶりです〜?
少しお休みしていました・・・
詩人の感性は素晴らしいですね!!
たくさんの言葉を、ジグソーパズルのように当てはめて??
いつかは、こんな詩が書けるといいなぁ(^^♪
感受性豊かな毎日を送らないと、きっと無理でしょうね。
2012/7/30(月) 午前 0:00 [ みんみんミント ]
そうですね。
そういう本当の強さを持った人になりたいです(*^^*)
そういう人ってきっと、人の気持ちがわかる本当の優しさも持ってる人ですよね(^^)
2012/7/30(月) 午前 0:33 [ あさ ]
鎧はいらない。自分らしく。
茨木さんのお会いになった、素敵な方のその凛としたものは、
鎧ではなく、にじみ出る物だったんでしょうね。
その方の言葉から悟ること、それは、また悟る人が生きてきた道によって、違うんだなとも思います。
うまく、言葉で表現できません^^;
2012/7/30(月) 午後 2:11 [ きまま ]
みんみんミントさん、ありがとうございます。
たくさんの言葉を、ジグソーパズルのように当てはめて……。
これって十分詩ですよ。
素晴らしい言葉だと思います。
みんみんミントさんは感受性豊かな方だと思います。
2012/7/31(火) 午前 2:11 [ touchup1954 ]
あささん、ありがとうございます。
きっとあささんはこんな女性になれます。
この詩を読んで、その歳で感じれる人はなかなかいないです。
きっとあなたは、自分の願っているような人間になれます。
2012/7/31(火) 午前 2:13 [ touchup1954 ]
きままさん、ありがとうございます。
鎧をまとってしまいますよね。
自分ではまとっていないつもりでも、
後から考えると、やはりまとってしまっている。
それどころか、自分がまとっているって意識することさえあります。
そんな時は、一日中憂鬱になったりします。
人に言葉をかけて貰っても、まだ機が熟していないときには、
意味が解らなかったり、反対に腹立たしかったりするんですよね。
わたしは若い頃そうですねでした。
恥ずかしいんですが、全く人の話を訊く耳を持っていませんでした。
2012/7/31(火) 午前 2:20 [ touchup1954 ]