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わたしが子供を初めて授かった時の出来事なんですが、
孫が出来た時に、このお話をもう一度したくって書かせて頂きました。
私が、まだバンドマンと言われる職業に就いていた頃です。
結婚して、三年目に妻が妊娠しているのが分かり
予定にはなかった、子供を授かることになったのです。
予定日より一週間ほど早い早朝の破水に、慌てて病院ヘ……。
看護婦さんの
「まだまだ、大丈夫ですから、ご自宅で……」の言葉に、
妻を病院に残し私は、一人家でそわそわと歩き回っていました。
夕方過ぎ、病院からの 「西浦さ〜ん、元気な女のお子さんですよ〜!」
という知らせに、平静を装いながらも
胸の高鳴りを押さえることが出来ずに、
「あ!あ!ありがとうございます〜!!」
の返事は、声がひっくり返るくらい大きく出してしまいました。
歩けない距離ではないんですが、早く病院に行きたい一心で 自宅の前を、通りかかったタクシーに向かって手を上げました。
「すいません近いんですが、中津の回生病院までお願いしたいんですけど・・・」
少し強面の運転手さんに恐る恐る声をかけると
「ああ、いいよ!」
って、以外に快く乗せて下さったんです。
「兄ちゃん、ニコニコしてるけど 何か、ええことあったんかいな……」
運転手さんの突然の質問に、戸惑ったものの
「はい、僕、初めての子供が出来たんです。今から、その子に会いに行くんです!」
と、うわずる声で答えました。
あっという間に、回生病院の玄関に着き、ポケットにある小銭を探している時でした。 タクシーの運転手さんは、ドアを開けて
「兄ちゃん!……少ないけど祝儀や取っといて!」
思いがけない言葉に、唖然とする私に
「早よ行ったらんと、赤ちゃん待ってるで!」
ドアが締まり、タクシーは走り去って行きました。
勿論、運転手さんの名前も知りません。 顔も、覚えていません。
ただ、走り去って行ったタクシーの黄色いボディーの後ろ姿と
空を見上げると、奇麗な星空だったことだけ……、
今でも鮮明にわたしの脳裏に焼き付いています。
あれから、30年の月日が流れました。 黄色いタクシーの運転手さん、心からお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
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