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今回は、卒業生のお話です。
彼女は四国から出てきていて、卒業しても大阪に残って活動を続けています。
そんな彼女がある晩、自転車に乗りヘッドフォンで自分の好きな歌を聴いていました。
その歌は、好きだった男性をいつまでも追いかける女の子の歌だったんです。
そんな彼女の頭上に、見たこともないような大きなお月さんが現れたんだそうです。
彼女はその音楽を聞きながら、その見たこともないお月さんに見とれていました。
すると、彼女はそのお月さんがとても愛おしく思えて来たんだそうです。
そして、ビルの谷間に入りそのお月さんが自分の視界から消えると、
「あのお月さん、向こう側の誰かを観てる、向こうの誰かもあのお月さんを観てる……」
なんて思うようになって来てしまいました。
そうして、あまりの悔しさに家に帰ってベランダから
そのお月さんを、見えなくなるまでずっと観ていてやったそうです。
卒業生って言ってもまだ二十〜二十一歳です。
いくら恋に恋をする年頃って言ってもここまでくれば、
一緒に教室にいた男子の理解を超えるようです。
しかし、お月さんを彼氏のように思える程、その歌の中にのめり込めるって大したものです。
これ程の思い込みがあれば、これから沢山のことに挑戦して行けるでしょう。
反対にわたしは、月を彼氏と思い込ませる程の曲を作った作曲家に嫉妬を感じてしまいました。
夢見る乙女の夢のようなお話でした。
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