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夏も真っ盛りの頃、
このお話をする女生徒は、家の近くのプールで監視員のアルバイトをしていたんです。
その日も、うだるような暑さで、
プールは芋の子を洗うような、盛況ぶりだったそうです。
小さいプールなので、二十一歳の大学生をリーダーに、
5人のアルバイトチームが、監視にあたっていました。
小さい子供というのは、してはいけない事をやりたがるものです。
このプールは飛び込み禁止なんです。
何が起こるか分からないので、飛び込んだ子が頭を出してくるまで
じっとその一人の子を見ている訳にはいきません。
そんな監視員の苦労も知らずに、
子供たちは、監視員の目を盗んで飛び込みをするんです。
そんな矢先に、事故は起こりました。
一人の子が、両親が目を離したすきに飛び込んだらしく、いなくなったんです。
幸い、その子は周りの大人に助けられて事なきを得たんですが、
その両親は凄い剣幕で、傍にいた経験の浅い高校生の監視員に怒号を浴びせたそうです。
女生徒は傍で見ていたんですが、
両親は、青い顔をして傍の目も気にせずに叱りつけていたんです。
そこに、随分離れたところで監視していたリーダーの大学生が飛んで来ました。
うなだれる高校生の監視員の前に立ちはだかり、
「すいません。この子には責任がありません。すべてリーダーの僕の責任です!申し訳ありませんでした」
と、頭を下げ涙ながらに何度も訴えたそうです。
何事もなかったかのように、傍ではしゃぐ子供を見て、
この両親も気が休まったのか、その場はなんとか丸く収まりました。
その場にいた、この女生徒は足の震えが止まらなかったそうですが、
そのリーダの態度を見て、わたしもあんな人間になりたいって思ったそうです。
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