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わたしは高校野球中継のEDを歌わせて頂いています。
中でも一番想い出に残っているのは、
以前に出会った甲子園出場校の球児と甲子園で再会し、
彼との話の中から生まれた曲なんです。
彼は、春の大会レギュラーとして甲子園の土を踏み、
夏の大会も、地区予選でずっとスターティングメンバーとして活躍していました。
ところが、本大会に入るとどういう訳かレギュラーから外されてしまったんです。
ベンチに入る事も叶わず、彼はアルプススタンドで応援をすることになりました。
勿論、野球部は全員そろっての応援です。
彼はその時、
「もう、はよ負けてしもたらええのに……」
「はよ、家に帰って、もう高校野球の事なんか忘れたいわ……」
って、心の中で呟いていたそうです。
しかし、チームは予想外に勝ち進むんです。
ベスト16、ベスト8、と進むうちに、
彼の心の中に変化が見え始めました。
準決勝、決勝と駒を進めると、自分の中に何か得体のしれない熱いもの込み上げてきて、
「俺……、このチームの一員でよかった。このチームで野球やれてよかった……」
って、心の声が聞こえはじめったって言うんです。
決勝戦の最終回には、涙でグランドがかすんでいたそうです。
残念ながら、そのチームは準優勝という結果に終わったんですが、
その翌年、大学生になった彼は、
やはり、高校野球が忘れられず、新聞社のアルバイトで甲子園に取材に来ていたんです。
彼の言った「心の声」
これは、何かを頑張った人間、
そして自分の中の何かを振り払った人間にしか聞こえないのかもしれません。
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