調書漏洩、医師の有罪確定へ 奈良の医師宅放火殺人産経新聞 2月15日(水)17時33分配信 奈良県田原本町の医師宅放火殺人事件をめぐり、犯行当時16歳だった医師の長男(21)=中等少年院送致=の鑑定書の内容をジャーナリストに漏らしたとして、秘密漏示罪に問われた精神科医、崎浜盛三被告(54)の上告審で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は、崎浜被告側の上告を棄却する決定をした。13日付。懲役4月、執行猶予3年とした1審奈良地裁、2審大阪高裁判決が確定する。
秘密漏示罪は、医師や弁護士らが職務上知った秘密を正当な理由なく漏らした場合に適用され、同罪の適否をめぐる最高裁の判断は初めてとみられる。 崎浜被告は少年審判で長男の精神鑑定を担当。裁判では、「鑑定人」が同罪の適用対象となる「医師」に該当するかが主な争点となり、同小法廷は「鑑定は医師の業務として行うものであり、医師が業務上知った人の秘密を漏らせば、同罪に該当するのが相当」と判断した。秘密漏示罪と報道・出版の自由の関係については言及しなかった。 1審判決は、精神鑑定は医師の業務にあたると認定した上で、漏洩について「少年の利益を図るためのものとはいえない」として有罪を選択。2審判決も1審判決を支持した。 判決によると、崎浜被告は平成18年10月、自宅などでジャーナリストの草薙厚子さんらと面会し、奈良家裁から鑑定資料として貸与された長男や父親らの供述調書を見せるなどした。草薙さんは調書を引用した「僕はパパを殺すことに決めた」を執筆、19年5月に講談社から出版した。 ■崎浜盛三被告の話 「主張が受け入れられなくて残念です。裁判としてはこれで終わりましたが、私の行為は間違っていなかったと現在も思っています」 ■崎浜被告の弁護人の話 「公訴権乱用など憲法にかかわる論点に一切触れていないのは極めて残念」 ■草薙厚子さんの話 「崎浜先生の行為は正当であったと今でも確信しています。上告が認められなかったことは大変残念です」 ■元最高検検事の土本武司筑波大名誉教授(刑事法)の話 「精神鑑定医は、秘密漏示罪の適用対象である医師にあたる、という最高裁の判断は正しい。しかし、調書を引用して書籍化した草薙さんや講談社にも問題があり、崎浜被告だけが起訴され、草薙さんが不問に付されたことは疑問だ」 【用語解説】奈良の医師宅放火殺人 平成18年6月、奈良県田原本町の医師宅が全焼し妻子3人が死亡。16歳だった医師の長男が放火、殺人容疑で逮捕され、家裁の少年審判で中等少年院送致となった。フリージャーナリストの草薙厚子さんが、19年に長男らの供述調書を引用した本を出版。奈良地検が鑑定を担当した精神科医を秘密漏示罪で逮捕、起訴した。草薙さんは嫌疑不十分で不起訴となった。 【関連記事】 |
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