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▼介護も医療も利潤がすべてとされる。
ヘルスケアREIT、投資先の取得競争激しく 病院など対象拡大に期待2014/12/10付日経新聞
高齢者施設に投資先を限定した初めての不動産投資信託(REIT)、日本ヘルスケア投資法人が11月5日に上場し約1カ月たった。高齢化社会を民間資金で支える新たな枠組みとして期待は高く、第2、第3の上場も準備が進む。だが、現状では投資先が不足しているなど、市場拡大には課題も多い。
日ヘルスケアの上場初値は公開価格を5割上回り、その後も価格は堅調だ。三井住友銀行や新生銀行は傘下のヘルスケアREITを上場する方向で準備している。
「初物人気」を集めるヘルスケアREITだが、「期待先行」(地方銀行)との声も少なくない。投資先の取得競争が過熱気味で、その結果取得価格が割高になり運用利回りが低く抑えられてしまう懸念があるためだ。投資に適しているとされる10億円以上の規模の高齢者施設は限られている。有料老人ホームなどは個人地主が土地活用を目的に建てたものが中心で、数億円規模の物件が多い。
KPMGヘルスケアジャパンの調べでは投資対象となる民間高齢者施設の7割は10億円未満という。不動産証券化協会によると国内上場REITが保有する物件1件の平均取得額は41億円だ。多数の小物件に投資するとなると、運用管理費の負担が重くなる。REITが受け取る高齢者施設の賃料は長期契約が基本で、景気変動の影響をあまり受けず上昇を見込みにくい。収益拡大は新たに物件を積み増すことに頼らざる得ない。
複数のテナントが入居するオフィスビルなどと異なり、高齢者施設は1つの運営者に丸ごと貸し出す。「運営者の経営力の見極めも重要になる」(DIAMアセットマネジメントの佐藤紀行氏)という。ヘルスケアREITの投資物件を巡っては需給のミスマッチが生まれている。
日本と同様に高齢化が進む米国では、ヘルスケアREITの時価総額は今年10月時点で約10兆円と2000年に比べ約24倍に拡大した。米国では投資先に医療・介護施設だけでなくプールなどの運動施設も備えた居住型の富裕層向けコミュニティーなどもある。
日ヘルスケアの運用会社の福島寿雄・投資企画部長は「上場で売却の受け皿ができたのを機に、デベロッパーが施設開発に積極的になってきた」と期待を寄せる。国土交通省は14年度中にREITによる病院の取得や運用の指針を作る。老人ホームなどに限られていた投資先の選択肢が増えるとの期待もある。こうした取り組みで需給ミスマッチを解消することが、ヘルスケアREIT市場の拡大のカギになる。
(椎名遥香、竹内宏介)
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