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小中学校統廃合:1学年1学級以下は検討を…文科省手引案

毎日新聞 20150119日 1109分(最終更新 0119日 1111分)
 
 文部科学省は19日、公立小中学校の適正規模・配置の基準や考え方を示した手引案を公表した。統廃合の検討の根拠となるもので、少子化で今後増えるとみられる小規模校のデメリットを解消する目的で約60年ぶりに内容を見直した。全校で6学級以下(1学年1学級以下)の小学校は、自治体に対し統廃合の適否の早急な検討を促し、通学時間は「1時間以内」を目安とした。一方で廃校が地域衰退に直結する恐れもあるため、存続させる場合の対応策として、他校との合同授業などを示した。近く全国の自治体に通知する。【三木陽介】
 
 公立小中学校は、1956年の中央教育審議会答申を受け、58年に国が省令などで、学級数については小学校では各学年でクラス替えができ、中学校では全教科で教科担任を配置できる「1218学級」、通学距離は小学校4キロ以内、中学校6キロ以内を基準とした。今回の手引ではこの基準は維持しつつ、統廃合に伴うバス通学も想定。新たに通学時間の目安として「おおむね1時間以内」を示し、現状よりも遠くの学校との統合を可能にした。
 中でも、6学級以下の小学校、3学級以下の中学校は教育上の課題があるとして「統廃合などの速やかな検討」を求めた。小規模校の課題として、授業で児童生徒から多様な発言を引き出しにくい▽部活動や集団行事が限定される▽教員同士の指導技術の伝達がしにくい−−などを挙げた。
 一方、離島や山間部では近隣の学校間の距離が遠く統廃合は困難▽地域の核として学校存続を望む住民が多い−−などの理由で存続を決めた場合は、近隣校同士の合同授業などで課題を解消するよう求めた。
 現在、少子化で公立小中学校約3万校の半数が標準の12学級を下回る。文科省が昨年5月、全市区町村教委を対象にした調査では「(教委管内の学校は)おおむね適正規模」としたのは17%。44%が「(小規模校としての)課題はあるが現時点で検討の予定はない」と回答した。小規模校の課題は認識しつつも対策はしていない実態が浮かんだ。国に望む支援(複数回答)は教職員の加配と施設整備補助がそれぞれ7割、「統廃合の適否を検討する参考資料」も44%が挙げた。
 文科省は来年度予算案で、統廃合支援策として教員の加配や、統合で教員や児童生徒が増えた場合の学校改修費補助率のかさ上げを盛り込んだ。存続の場合の対応策としては、ICT(情報通信技術)機器を使った他校との合同授業の推進などの実証事業を予算化した。同省は「自治体が小規模校対策を検討するきっかけにしてほしい」と話している。
 
 
 

中学5校を1つにする町…最長40分のバス通学

20150119 1433分読売新聞
 
イメージ 1 文部科学省が19日に発表した公立小中学校統廃合に関する初の実態調査で、全区市町村のうち適正な規模でない学校があるとした自治体は7割以上に上った。
 同省が59年ぶりに統廃合の基準を見直したことに、自治体からは「住民らに説明する際の根拠になる」との声が上がる一方、独自基準を設けていても計画通りに実施されていない地域もあり、統廃合の難しさが浮かび上がった。
 
 スクールバス
 調査結果では、全1753区市町村のうち、管内の小中学校について、「全体として必ずしも適正規模になっていない」「一部地域に過小規模の学校がある」などと答えた自治体が7割を超えた。このうち、54%が「検討の予定は立っていない」とした。また、過去3年間に実施された統合782件のうち、検討・結論に要した時間が10年以上のケースも34件あった。
 今春、町立中学校全5校を1校に統合する群馬県東吾妻町。中学生は現在350人で、1校の2年生が2学級であるのを除き、全てが1学年1学級だ。隣村と合併する前の旧吾妻町で2003年度から統合を検討してきた。
 東吾妻町は統合後、9路線のスクールバスを運行し、生徒に最大19キロを40分間かけて通学させる。午前7時半から始まる部活動の練習に間に合うためには、同6時40分に最寄りのバス停から乗る必要がある生徒も出てくる。住民からは「遠い距離を通わせるのが不安」「地域がさびれる」と心配する声もある。
 5校の中で最も規模が小さい坂上中学校は、全校生徒が48人。部活動は男子が野球部と卓球部、女子がソフトボール部とテニス部しかない。
 昨秋から月に1度、5校合同で部活動をしており、女子テニス部長の2年生(14)は「1人あたりのボールを打つ回数が少なくなるが、違う相手とラリーをできるのはいい」と話す。
 同中の牛木雅人校長(56)も「少人数だと、人間関係が固定し、上を目指さなくなりがち。統合することで、部活や学習で刺激し合い、力を伸ばしてくれれば」と期待する。町教委は、町内に5校ある小学校についても13年に「早急に統廃合を推進」との方針を定めており、「中学校の統合が完了した後、小学校の統合も準備を進めないといけない」とした。
 
 独自基準
 統廃合に関して独自基準を設けている自治体もある。東京都足立区は1988年に、小中とも6学級以下で統廃合を速やかに検討し、7〜11学級でも統廃合を一つの選択肢として検討すると定めた。区内では1960年代から造成が進んだ団地が多く、住民の高齢化などで小中学生の数はピーク時の半分以下の約4万5000人に。現在の小中107校を2032年までに18校減らす予定だ。災害時の避難場所でもある学校の統廃合に住民から反対の声もあり、区教委の担当者は、「統廃合が必要と自治体側が判断する場合に、国が定めた基準も同時に示せれば、住民や保護者に理解を求めやすい」と話す。
 一方、京都府宮津市は通学時間の基準をバスで「小学校45分、中学校1時間」と定めてきたが、中学校1校を隣町と共同で所管する組合立中学校に統合する計画が進んでいない。市教委は「現場では1時間の通学時間は長く、保護者の不安は大きい」とし、統合の難しさを強調した。
 
 
 
 

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