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▼「年収と職種の条件は法案成立後に省令で定める」とする全労働者に対する残業代ゼロ・過労死法案だ。日経新聞は「制度を意味あるものにするには、高年収で専門職の人だけではなく、対象を広げる取り組みが欠かせない」などと、その狙いを隠そうともしていない。さらに、これ自体が年末の政労使会議での合意事項に含まれ、連合の協力でほとんど何の反対もないまま、進められようとしている。階級的労働運動が歴史の前面に躍り出るときだ。
年収1075万円以上の専門職対象 労働時間規制外す 厚労省案、過労防止を条件に2015/1/8 2:02 日経新聞
ホワイトカラー・エグゼンプション導入は柔軟で効率的な働き方を促す狙いがある。安倍政権は2007年の第1次内閣当
同省は16日に開く労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会にこれらの労働時間規制の改革案を示す。今後、与党との調整を経て労働基準法改正案を閣議決定し、26日召集の通常国会での成立と16年春めどの施行を目指す。
政府は昨年6月の成長戦略でホワイトカラー・エグゼンプションの導入を決めた。この時点では対象を「少なくとも年収1000万円以上の専門職」と想定していた。
「1075万円」という年収要件は当初案より対象が狭く、課長級技術職の民間給与で上位25%の水準にあたる。有期雇用の制度は年収1075万円以上の専門職の規制を緩めており、この水準に合わせた。残業代や手当はないが、成果が同じなら賃金の総額は変わらないようにする。
職種は金融ディーラーやアナリスト、医薬品の開発者、システムエンジニアなどを想定。年収と職種の条件は労政審の分科会で議論して、法案成立後に省令で定める。
国税庁の調査では年収1000万円以上の労働者は約180万人いる。多くは労働時間規制から外れた管理職だ。
厚労省が07年に導入を目指した案では年収900万円以上の管理職手前の社員を対象と想定し、約20万人に適用すると試算していた。今回は年収基準が上がるうえ、職種も絞り込むため20万人を下回る見込みだ。
ホワイトカラー・エグゼンプションの導入には本人の同意とともに働き過ぎを防ぐ策の実施が必要となる。労使が(1)年104日の休日取得(2)1カ月間の在社時間などの上限(3)就業から翌日の始業までに一定時間の休息――のいずれかを選ぶ。在社時間などが一定基準を超えた社員には、医師の面接を義務付ける。
効率的な働き方の一歩に 対象拡大など課題 政府が労働時間規制を緩和するのは、効率的な働き方の一歩につなげたいからだ。少子高齢化で労働力人口が減るなか、生産性を高める政策面の後押しは欠かせないと判断した。岩盤規制の1つに風穴があくが、対象の拡大など残された課題も多い。
安倍晋三首相は労働時間規制の緩和に強い思い入れをもって取り組んできた。2006年から07年の第1次内閣でも法改正の案を準備したが「残業代ゼロ法案」との批判を受け、07年の通常国会直前に法案提出を断念した経緯があるためだ。
いつまでも働いた時間で賃金を決めていたら、ダラダラ残業する人が多い日本特有の働き方は変えられない。事務職の仕事は、働いた時間ではなく、アイデア勝負になっている。短時間で成果を上げた人を評価する仕組みを設けるのは、働き方が多様化する時代の要請にも合う。
厚労省案は過重労働を防ぐ対策を盛り込んだ。一定の休み時間を取ることを強制するなど、健康対策に目配りした。働く人が成果を求めるあまり、長時間労働が定着してしまうようでは、規制を緩和する意味がない。
課題が残っているのも事実だ。政府は「残業代ゼロ」との批判を気にしてか、対象者をかなり絞り込んだ。07年時は年収900万円以上の課長補佐級が対象者だったのに、今回は年収1075万円以上と高く、金融ディーラーや研究職など職種を限定した。
制度を意味あるものとするには、高年収で専門職の人だけではなく、対象を広げる取り組みが欠かせない。
ホワイトカラー・エグゼンプションとは▼ホワイトカラー・エグゼンプション 事務職など「ホワイトカラー(白いシャツの襟の意)」の労働者を対象に、週40時間といった労働時間の規制を除外(エグゼンプション)する制度。給与は働く時間の長さではなく成果に応じて払う。成果さえあげられれば好きな時間に好きなだけ働けばいい半面、過重労働への懸念などから労働組合からの反発がある。
労働時間規制 1日8時間・週40時間が原則▽…日本は働く時間の上限を原則1日8時間、週40時間と法律で決めている。企業はこれを超えて働いた社員に残業代を払い、長く働くほど賃金が増える。もともとは働く時間と成果が比例しやすい工場労働者を想定した規制だった。今は企画や開発など時間ではなくアイデアで勝負する仕事も多い。残業するほど賃金が増える規制は時代にそぐわないとして、段階的に見直しが進んでいる。
▽…今回の厚生労働省の改革案は高年収の専門職の労働時間規制を外す。残業代や夜間・休日手当はなくなるが、基本給を上乗せして、同じ成果を出せば今までと同じ賃金をもらえるようにする。働く時間を自由に決める裁量労働制は、システム会社や金融機関で顧客の要望に応じて商品を提案する営業職と、会社全体の品質管理の担当者も新たに対象に加える。
▽…出社と退社の時間をずらせる「フレックスタイム制」も広げる。これまでは1カ月の範囲内で働く時間の帳尻を合わせる必要があったが、これを3カ月に延ばす。忙しいときはたくさん働いて、育児や介護など家庭が忙しいときは働く時間を短くできる。
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政治経済情勢
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首相「経済再生へ大胆に改革」 年頭記者会見2015/1/5 15:23 日経新聞
安倍晋三首相は5日午後、三重県伊勢市内で開いた年頭記者会見で「日本経済を必ずや再生する。これまでにない大胆な改革を進めていく」と引き続き経済最優先で政権運営にあたると強調した。「アベノミクスを実りあふれる大木に成長させていかなければならない。全国津々浦々、一人でも多くにアベノミクスの果実の味を味わっていただきたい」と述べた。
首相は「今年はあらゆる改革を大きく前進させる一年にしたい。今月始まる通常国会は『改革断行国会』としてきたい」と語った。通常国会では看板政策に位置づける地方創生や女性登用拡大の関連法案を成立させ、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障の法整備も進める考えを示した。
戦後70年を迎えるにあたっては「積極的平和主義の旗のもと、世界の平和と安定のため一層貢献していかなければならない。その明確な意思を世界に向けて発信したい」と指摘。「(過去の植民地支配と侵略を謝罪した)村山談話を含め歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」と語った。
そのうえで戦後70年の首相談話に関し「先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、今後、アジア・太平洋地域や世界にどのような貢献を果たしていくのか、世界に発信できるものを英知を結集して書き込んでいく」と述べた。
安倍首相の年頭記者会見 通常国会は「改革断行国会」2015.01.05 17:15 産経デジタル
記者会見に臨む安倍晋三首相=5日午後2時31分、三重県伊勢市の伊勢神宮(恵守乾撮影)
安倍晋三首相は5日、三重県伊勢市の伊勢神宮に参拝した後、年頭記者会見を行った。今年策定する戦後70年の首相談話について「先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、アジア太平洋地域や世界にどのような貢献を果たしていくか、英知を結集して書き込みたい」と述べた。会見の全文は次の通り。
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皆様あけましておめでとうございます。先ほど伊勢神宮を参拝いたしました。いつもながら境内のりんとした空気に触れますと、本当に身の引き締まる思いがいたします。先月の総選挙における国民の皆様からの負託にしっかりと応えていかなければならない、その思いを新たにいたしました。
昨年、赤崎(勇)先生、天野(浩)先生、中村(修二)先生の日本人3人がノーベル賞を受賞されました。大変うれしいニュースでありました。劇的な省エネを実現したLED(発光ダイオード)照明によって、アフリカの子供たちが夜も勉強できる、日本で生まれ、日本で育った技術が世界を変えようとしています。やればできる、3人のノーベル賞受賞は私たち日本人を大いに勇気づけてくれました。
15年も続いたデフレによって、日本人は大きく自信を失いました。しかし、悲観して立ち止まっていても、何も変わりません。私たちはもう一度、顔を上げ、前を向いて新しい時代を切り開いていかなければなりません。
日本経済を必ず再生する。そのためにはこれまでにはない大胆な改革を進めていかなければなりません。東日本大震災からの復興、教育の再生、社会保障の改革、外交・安全保障の立て直し、さらには地方創生や女性が輝く社会の実現にも真っ正面から取り組んでまいります。いずれも戦後以来の大改革です。しかし、いかに困難な道であろうとも、子供たちの未来を見すえながら、国民の皆様とともに改革を成し遂げていく、その決意であります。
今年は、あらゆる改革を大きく前進させる1年にしたいと考えています。今月始まる通常国会は、改革断行国会としていきたいと考えています。
本年は、戦後70年の節目の年に当たります。先の大戦では、たくさんの先人たちが祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、お亡くなりになられました。その尊い犠牲の上に、私たちの現在の平和があります。平和国家としての歩みはこれからも決して変わることはありません。国際情勢が大きく激変する中で、その歩みをさらに力強いものとする、国民の命と幸せな暮らしは、断固として守り抜いていく。そのための新たな安全保障法制を整備してまいります。
この70年間、日本は先の大戦の深い反省とともに、ひたすらに自由で民主的な国家をつくり上げてきました。そして、アジアや世界の友人たちの平和と発展のために、できる限りの貢献を行ってまいりました。その誇りを胸に、次なる80年、90年、そして100年に向けて、日本は積極的平和主義の旗のもと、世界の平和と安定のため、いっそう貢献していかなければなりません。その明確な意思をこの節目の年にあたり、世界に向けて発信したいと思います。
今、この瞬間もインドネシア沖の海では、海上自衛隊の諸君が墜落したエアアジア機の捜索に正月返上で当たってくれています。南スーダンの自立を助けるPKO(国連平和維持活動)に従事し、海の大動脈、アデン湾で海賊から世界の船を守る自衛隊の諸君もいます。強い使命感と責任感をもって任務を果たす諸君に、心から敬意を表する次第であります。
さて、今年の干支の羊には、未来の未という漢字をあてます。この字にはもともと、木に枝葉が茂り、果実にようやく味がついてきたという意味があるそうです。私たちがまいたアベノミクスという種は、この2年間で大きな木へと成長し、今、実りの季節を迎えようとしています。しかし、いまだ成長途上であります。
昨年の総選挙では全国を駆け回り、地方の皆さんや中小・小規模企業の皆さんなど、本当にさまざまな方々の声を直接、おうかがいすることができました。年末にとりまとめた経済対策を早期に実行に移し、こうした多様な声にきめ細かく対応することで、アベノミクスをさらに実りあふれる大木へと成長させていかなければならないと考えています。
今年も経済最優先で取り組み、未年らしく、全国津々浦々、1人でも多くの皆さんにアベノミクスの果実の味を味わっていただきたいと考えています。最後となりましたが、本年が国民の皆様にとりまして、素晴らしい年となりますことを祈念しております。私からは以上であります。
−−原発再稼働や集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制の整備、憲法改正の具体化についてどのように国民の理解を求めていく考えか
「ただいま、ご質問の中にあった課題においては、いずれも私たちは自由民主党として公約の中に掲げ、そして、私たちの考えとして、明確にお示しをしています。さらに、報道機関の各社のインタビューに対して、あるいは党首討論の場において、今おっしゃっていただいた課題について、私たちの考え方をご説明をしております」
「政党としてですね、選挙戦を通じてお約束をしたこと、公約に掲げたことについては、実行をしていくという責任を負っているわけであります。どの党がどういう政権公約を掲げて、何をその任期の間に実行しようとしていくのか、あるいは実行していくのか、それを問うのが選挙であります。われわれはその結果として、再び政権を担うことになりました。まさに今、課題として挙げていただいた諸課題について、われわれが政権公約の中においてお約束していたことは、しっかりと実行していかなければならないと考えています」
「同時に、国民の皆様にご理解をいただくための努力は、さらに進めていかなければなりません。国会論戦も通じながら、しっかりと丁寧にご説明していきたいと考えております」
−−アベノミクスについて。景気回復を全国に届けるというが、過疎が進む地域への対策は
「昨年末ですね、50年後に1億人程度の人口を維持する長期ビジョンとですね、国の今後5カ年の目標や施策の基本的方向、具体的な施策メニューを盛り込んだ総合戦略をとりまとめました。これらを、これから具体化し、実行していく段階に入っていきます」
「まず力を入れていきたいのは、地方資源の掘り起こしです。日本のどの地方に行ってもですね、さまざまな魅力的な資源が必ずあります。そうした各地域特有の産品や観光資源を全国の人に、さらには世界の人たちに対して知ってもらい、そして市場を拡大するための後押しを徹底していきたいと思います」
「地方資源の掘り起こしは、中山間地域にも仕事を生み出していきます。主に地方資源の中には第一次産業、農業や水産業あるいはその農林水産品の加工品もたくさん含まれていると思いますが、先ほど申し上げましたように、残念ながらですね、地域には素晴らしいモノがあるのですが、それを全国に発信していく力がなかなかない。あるいは世界に発信していくツールがないのが事実であります。それをもう一度しっかりとですね、全国あるいは世界に発信していくためのお手伝いをしていきたいと思っています」
「そうしたふるさと名物の開発を推進するため、次期通常国会に法案を提出します。昨年末に取りまとめた経済対策においては、プレミアム付き商品券や、ふるさと名物商品券などの地域の消費喚起のための交付金の創設、地方の中小企業で都市部の専門人材が活躍していただくための仕組みの整備を盛り込んでいます。地域において新たな産品を開拓をしていく、開発する、あるいは開拓していくお手伝い、また発信していくためのお手伝い、そうした人材を獲得するためのお手伝いをしていきたいと思います」
「さらにですね、どの地域に住んでいてもですね、豊かで安心して生活できる環境を整えていくことも重要であります。人口減少に直面している中山間地域では、小さいながらも充実した拠点を整備していく考えです。それは医療や介護や福祉、買い物、物流といった生活サービスを一定のエリアに集めていくということ。また、地域の中の絆の中で文化、スポーツ、生涯学習活動など、地域の実情に応じたコミュニティーの拠点としての機能も強化していく考えです」
「重要なことは、政府がいわば霞が関でいろいろなことを決めていくということではなく、あくまでもですね、地方が自ら考え、行動して、そして変革を起こしていくことであります。地方の発意に基づく取り組みを国も、まあ予算や人材などあらゆる方策を使って応援をしていきます。その中において、各地方が智恵を競い合い、そして地方創生を加速していただきたいと考えています」
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▼外注化・非正規職化と規制緩和がもたらした人口減に対して、「生産性」=いっそうの規制緩和と総非正規職化でのりきるということなど絶対に不可能。新自由主義の破滅を階級的労働運動の爆発に転化するときだ!
日本、「実力」底上げの時 人口減を生産性で克服2014/12/26 2:00 日経新聞
3年目に入ったアベノミクス。日本再生の本丸であるはずの第3の矢、成長戦略が本格始動せず、日本経済の実力である「潜在成長力」を底上げする道筋はみえないままだ。総選挙で盤石の政権基盤を得た安倍晋三首相に、あえてもう一度、成長戦略の意義を問う。
■経済縮小連鎖も
衆院の解散風が吹き荒れていた11月14日。安倍政権への「信任」を先取りした市場が円安・株高に沸く陰で、政府の「選択する未来」委員会に出された作業部会の報告書に、ひっそりとこんなことが書かれていた。
「現状を放置すれば、いずれ経済成長の維持も困難となり、経済規模の縮小が加速する『縮小スパイラル』に陥る」
2040年代から年0.1%程度のマイナス成長となり、60年まで続く。荒唐無稽と言い切れるか。内閣府や日銀の推計では、すでに日本の潜在成長率は0.5〜0.6%まで低下している。
政府は人口減を食い止めようと、1億人維持を掲げるが、成果を上げるのは簡単ではない。
道はある。東京大学の吉川洋教授は「人口減を過度に悲観する必要はない」と唱える。労働力や資本を効率よく活用することにより、人口減を上回る勢いで生産性を伸ばせるかがカギを握る。
起爆剤はイノベーション(革新)だ。代表格が今年ノーベル賞を受賞した青色発光ダイオード(LED)。消費電力が少なく長持ちするLED照明の世界市場は20年に13年比3.8倍の6.8兆円になる予測もある。
難しい技術開発に限った話ではない。例えば、大人用の紙おむつ。乱暴に言えば子ども用を大きくしたものだが、高齢化で市場を切り開いた。ユニ・チャームでは12年度に売上高が子ども用を逆転した。新しい需要と結びつけるアイデアがあれば生産性を高められる。
■柔軟な発想必要
働き手を増やそうと、女性や高齢者、外国人労働者の活用も叫ばれる。だが「単に頭数をそろえようというだけの話ではない」(スタンフォード大学の星岳雄教授)。
様々な人々が集まれば柔軟な発想が生まれ、生産性も向上する。日産自動車は新型「ノート」の企画責任者に専業主婦だった女性を起用。チャイルドシートに子供を乗せやすくした使い勝手の良さで、ヒットとなった。
アベノミクスは本来、第1の矢の金融緩和と第2の矢の財政出動で時間を稼ぐうちに、第3の矢の成長戦略で、低成長の壁を突破する政策のはずだった。だが第3の矢がいっこうに飛ばない。
円安で潤った輸出企業も攻めの設備投資には、なかなか踏み切れない。民間の創意工夫を引き出すために、政府は何をすべきか。大胆な法人減税で企業の投資意欲を刺激する。民間の自由な行動を妨げる規制を取り払う。柔軟な労働市場を整え、企業の新陳代謝を促す。魔法のつえはない。
消費増税後に2四半期連続のマイナス成長になったのも、そもそも「経済の実力が低くプラスとマイナスが紙一重」(内閣府OB)だからだ。愚直に成長の底上げ策を進める覚悟が問われる。
(編集委員 大塚節雄)
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▼年功制解体=成果主義賃金体系への転換と一体の「賃上げ努力」の合意、連合ふざけるな!です。
政労使会議:賃上げ努力で合意 2年連続、下請けにも配慮毎日新聞 2014年12月16日 東京夕刊
政府、経済界、労働界の代表は16日午前、政労使会議を首相官邸で開き、経済界が来春の賃上げへ最大限の努力を図るとする合意文書をまとめた。安倍晋三首相は会議で「経済界の皆さんに賃上げについて最大限の努力を果たしていただけるよう要請したい。賃上げの流れを来年、再来年と続けていき、全国津々浦々にアベノミクスの効果を浸透させたい」と強調した。【念佛明奈】
首相は24日の第3次安倍内閣の発足を待たずに経済界に賃上げを求め、衆院選で訴えた「経済最優先」の迅速な姿勢をアピールした。政労使が賃上げの努力で合意したのは昨年末に続いて2回目。
合意文書は「政府の環境整備の取り組みの下、経済界は賃金の引き上げに向けた最大限の努力を図る」と明記。焦点となっていた年功序列型の賃金体系の見直しについては「個々の会社の労使が十分な話し合いの下で、その会社に合った見直しに取り組む」とし、慎重姿勢の労働界にも配慮した。
首相はまた、円安対策について「円安のメリットを受けた高収益の企業は下請け企業に支払う価格についても配慮を求めたい。価格転嫁などに経済界が総合的に取り組むと合意した意義は大きい」と強調。急激な円安や原材料価格の高騰に苦しむ中小企業に配慮する必要性を訴えた。
会議には首相と経団連の榊原定征会長、日本商工会議所の三村明夫会頭、連合の古賀伸明会長らが出席した。榊原氏は会議後、記者団に対し「賞与、手当を含めた賃金の引き上げに最大限の努力をする」と述べた。
安倍政権は昨年の賃上げ要請で、今年の春闘のベースアップ(ベア)やボーナス増を後押しした。しかし4月の消費増税や物価上昇に賃上げが追いつかず、個人消費は低迷している。
首相「賃上げ、下請けにも浸透を」 政労使会議2014/12/16 12:10 日経新聞
政府、経済界、労働団体の代表らによる「政労使会議」が16日午前、首相官邸で開かれた。安倍晋三首相は2015年の春季労使交渉での賃上げ継続に向け、経済界の協力を要請した。円高是正で収益を改善した輸出産業を念頭に、下請け企業への配慮も求めた。
経済の好循環実現に向けた政労使会議であいさつする安倍首相(16日午前、首相官邸)
首相は「来年春の賃上げについて最大限の努力を図っていただけるよう要請したい」と強調。「賃上げの流れを来年、再来年と続け、全国津々浦々にアベノミクスの効果を浸透させていきたい」と意欲を示した。「円安のメリットを受けて高収益の企業は賃上げ、設備投資に加え、下請け企業に支払う価格についても配慮を求めたい」と取引価格への転嫁を促した。
経団連の榊原定征会長は「賞与・手当を含めた賃金の引き上げについて最大限努力する」と表明。中小企業に配慮した総合的な取り組みを進める考えも示した。会議後、記者団に「経済界として積極的な対応をしていく。収益があがった企業は設備投資、雇用増、賃金の引き上げで対応しようと呼びかけていこうと思っている」と述べた。
日本商工会議所の三村明夫会頭は記者団に「中小企業は賃上げに必要な条件がまだ整っていない」と指摘。円安などによるコスト上昇を挙げ「ほとんど(取引価格に)転嫁されていない。転嫁を推進したい」と語った。
政労使は合意文書もまとめた。「政府の環境整備の取り組みの下、経済界は賃金の引き上げに向けた最大限の努力を図る」と明記。「仕入れ価格の上昇などを踏まえた価格転嫁や支援・協力に総合的に取り組む」と申し合わせた。賃金体系見直しにも触れ「個々の会社の労使が十分な話し合いのもとで見直しに取り組む」とし、「子育て世代への配分を高める方向へ賃金体系を見直すことが一案」と記した。
文書は首相と榊原、三村両氏、全国中小企業団体中央会の鶴田欣也会長、連合の古賀伸明会長の連名。
15年の春季労使交渉では、電機や自動車の産業別労組はそれぞれ月6000円以上のベースアップ(ベア)に相当する賃金改善を要求する方針だ。「物価上昇に賃金が追いついてない」(電機連合首脳)として17年ぶりの高水準となった。
安倍政権からの賃上げ要請や輸出が多い大手メーカーを中心に業績改善が進んでいるため、経営側にも「デフレ脱却は大切だ」として一定の賃上げを容認する認識は広がる。ただ「経済の先行きは不透明。ベアの議論には早い」と考える経営者も多いようだ。
価格転嫁など促す、政労使会議 賃上げへ合意文書
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▼消費税追加増税で「社会保障充実」の大ペテン。
社会保障充実に1兆円 15年度予算、消費税10%なら2014/9/23 2:00日経新聞
財務省は22日、財政制度等審議会を開き、2015年度予算編成作業に本格着手した。来年10月に予定する10%への消費税率再引き上げが焦点となる。増税が決まれば税収は増えるが、歳出も8月末の予算要求時点にない子育て支援など約1兆円が加わる。増税を見送れば予算編成作業は抜本的な見直しを迫られそうだ。
麻生太郎財務相は22日の財制審で「国民に負担を求める以上、予算を聖域なく見直す」と語った。消費税率を10%に引き上げれば来年度に国に約3兆円の新たな税収が入るが、すべてを歳出増に回せる訳ではない。内閣府の試算によると、財政健全化の国際公約を守りながら来年度に政策に充てられる経費は74.4兆円。14年度に比べて1.8兆円しか増やせない。
政府は増税とセットで社会保障を充実させると約束している。増収分のうち約1兆円を社会保障の充実策に回す想定だ。待機児童の解消や、多すぎるとの指摘がある病床の再編などを計画する。
この約1兆円は8月末に締め切った予算要求には入っておらず、増税が決まれば追加される予算だ。消費税が上がれば、モノの値段も上がるため、経費増への手当てが数千億円ほど必要となりそうだ。高齢化などによる医療や介護といった社会保障費の自然増も予算要求ベースで約0.8兆円に上る。
これらを足し合わせると、内閣府試算が想定する1.8兆円の政策経費の増加余地と同じくらいになる。社会保障以外の予算は今年度並みに抑える必要があると財務省は見ている。
成長戦略や人口減対応など各省庁が優先実施を求める首相特別枠には、今年度より約2.5兆円増額の要望が出ている。これらを実現できるかは、既存の予算をどこまで見直せるかにかかっている。
10%への消費増税を見送れば税収は想定より減ることになる。その場合、社会保障の充実策は一部を見送ることにもなる。歳出面では政策経費を14年度の72.6兆円と同額に据え置くとの見方は多い。高齢化などでの社会保障の自然増分もあるので、今年度よりもさらに厳しい予算編成となることが予想される。
政府は国と地方あわせた政策経費の赤字幅を20年度までにゼロにするとの目標もかかげる。現時点で赤字は20兆円を超えており、税収を大きく増やすか、歳出を大きく削らないと実現は難しい。
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