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J.S.バッハ 「マタイ伝による受難曲」
指揮:ウィレム・メンゲルベルク
管弦楽:アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音年月日:1939年4月2日
備考:アムステルダムでのライブ演奏
合唱:アムステルダム・トーンクンスト合唱団、ザンハルスト少年合唱団
この有名なドキュメント的演奏は、まず、その時代的背景と演奏中に聴こえる「すすり泣き」と言う2点で当時の私を引き付けました。多分に野次馬的・興味本位的な意思から、昔廉価盤LPでダイジェスト版を買い求めたのが、この演奏との出会いです。
さすがに演奏も録音も時代がかって聴こえたのを今でも覚えています。
「目玉」のすすり泣きも、ああここか・・・と言う事ですぐ分かりました。
現代の明晰をモットーとする演奏からは隔絶した、何やら幽鬼めいた音楽が聴こえてきます。
でも、当時のナチス侵攻を始めとする世界情勢、ただならぬ雰囲気が確かに感じられます。
今の時代の世界的な閉塞感が、この演奏に感じられる「事件」に
進展しないことを祈ります。
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この演奏も学生時代から良く聴いていたものです。
ここで聴かれる異常な時代に録音されたメンゲルベルクの歴史的ドキュメントからは、不思議にナチに協力したメンゲルベルクの一種の「諂い」が音楽の底から聞こえてくるのですから不思議ですね。しかしこの一点を考慮しても「マタイ受難曲」の名演奏であることに変わりはありませんが。
同時代のフルトヴェングラーがバイロイトで演奏した「マイスタージンガー」はナチの軍靴の轟くドイツで演奏されたものですが、その音楽の底流に流れるものはドイツ人としての誇りと静かなるナチズムへの抵抗でした。
2008/11/21(金) 午後 5:56 [ maskball2002 ]
maskball2002さん、コメント頂き有難うございます。
時流に適合した(自分を曲げた)芸術家と、そうはしなかった芸術家の分かれ道がそこにあったという事ですね。
2008/11/21(金) 午後 9:30 [ 名無しの権兵衛 ]
メンゲルベルクとはずいぶん通な名前ですね。バッハは(…に限らず)現代社会の発展の中で変容してしまったところがあるので、旧世紀を知る人の時代精神は、とても貴重ですね。
2008/11/22(土) 午前 8:24
なっちゃんさん、コメント頂き有難うございます。
時代は移り変わり、音楽を聴く人も絶えず入れ替わります。
音楽というものの命は、そうした時代の変遷を乗り越えて生き続けるものと信じたいです。
2008/11/22(土) 午前 9:39 [ 名無しの権兵衛 ]
時代背景とすすり泣きを考えると非常に興味深い演奏ですね〜。聴いてみたい!しかもメンゲルベルクですものね〜
2008/11/23(日) 午後 0:17
ちぇりさん、コメント頂き有難うございます。
現代の整った録音環境では、およそ聴く事のできない貧弱な音質です。それだけに余計、時代の証言者としての説得力があるのでしょうね。
2008/11/23(日) 午後 1:41 [ 名無しの権兵衛 ]
私もメンゲルベルグの廉価盤で「マタイ」と初めて出会いました。
ものすごくドラマチックな演奏でその場の雰囲気が伝わってくるようでした。その後リヒターのDVDとコープマンのCDを手に入れましたが、演奏スタイルはずいぶん違うようで時代の流れを感じます。
2008/11/24(月) 午後 8:16 [ ゼント ]
ゼントさん、コメント頂き有難うございます。
ホント言えばリヒターの方が、万人が認めるスタンダード(・・・それでも好き嫌いがある?)なんでしょうけれど、とにかくメンゲルベルクは「特別」ですよねえ。
2008/11/24(月) 午後 8:40 [ 名無しの権兵衛 ]