忘れないように…

家が一段落付いたので、趣味のランニングを再開しました。まずはフルマラソンを3時間で走れる程度までには戻したい。

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ダイヤモンドのカット

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カットはダイヤモンドの光り方に一番影響を与える要素だと思います。しかし、カットの善し悪しというものを誤解している人が多いみたいなので、物理的な観点から、良いカットとは、どのようなカットであるかを説明していきます。ここでは、ラウンド・ブリリアンカットのみを考えることにしますので、ラウンド・ブリリアンカットの各部の呼び方を図に示しました。

カットの鑑定は、プロポーション、シンメトリー、ポリッシュの3要素を見て判定します。
これらを一つ一つ順を追って考えていきます。

まずは、プロポーション…これはカットの大まかな形状です。プロポーションの評価は、全体の高さ、テーブルの広さ、パビリオンの高さ、クラウンの高さ、ガードルの高さ等を数値的に判断するのが正しい鑑定方法です。ここで注意が必要なのは、日本で定着しているカットグレードは、世界共通のものではありません。プロポーションは、あくまでもダイヤモンドの形を数値的に示すものが鑑定要素になります。そして、もう一つ注意が必要なのは、プロポーションとは、単に全体的な形を計ったもので、細部に関しては一切の評価に入りません。単に、直径が幾つで… というものを示しているだけです。

しかし、このプロポーションは、ダイヤモンドの輝きに重要な要素であることは確かです。その訳は、ダイヤモンドという石の性質に大きく影響があります。ダイヤモンドは透明で、屈折率が2.4以上と非常に大きな屈折率を持つ鉱石です。そのため、ダイヤモンドの中に入った光は、空気との境界面の法線に対して25度以上の角度で入射すると、ダイヤモンドから外には出られず、全反射します。このようなダイヤモンドの性質から、ダイヤモンド前面から入射した光が背面に突き抜けないために、パビリオンの角度が重要になります。理想的なパビリオンの角度は41度程度と言われています。この角度が小さ過ぎると、全面から入った光が最初の反射面で突き抜ける度合いが高くなり、この角度が大き過ぎると、2番目の反射面から突き抜ける度合いが高くなります。結果的に、どちらの場合も光量を落とすことになります。

また、ダイヤモンドは、屈折率が非常に大きいので、プリズム効果と呼ばれる色の発散が大きいです。クラウン部分から入る光は入射角が大きいため、このプリズム効果にとても影響が大きいです。プリズム効果とは、色の違う光が媒質中に入射した時に、違った角度に曲げられることです。このプリズム効果により、ダイヤモンドは、クラウン部分から入った光は、短波長(紫)は中心付近に、長波長(赤)は端の方へと色が分けられて、テーブル面から出てきます。これがダイヤモンドを虹色に輝かせる理由です。クラウン部分から入った光がテーブル面で出る為にはクラウンの角度が大切になります。この理想的なクラウンの角度は34.5度程度と言われています。

このように、ダイヤモンドの輝きの強さ、輝きの色を保証するには、パビリオンの角度、クラウンの角度が大変重要になってきます。また、一般にテーブル径が大きいほど、光量が多くなります。しかし、テーブル径が小さいとクラウンの面積が大きくなり、クラウンから入る光の割合が増えるので、絶対的な光量は少なくなる代わりに、虹色の輝きが増します。虹色に光り、かつ、光量が多い…このバランスで良いダイヤの定義がされているようです。

アメリカでは、GIA という格付け機関が理想的な形として、トルコウスキー型と呼ばれるダイヤモンドの形を紹介しています。日本でもアメリカの基準を踏襲して、トルコウスキー型を理想としています。このトルコウスキー型のテーブル径は 57%で、53-59%を良いカットの形としています。一方、ヨーロッパでは、ベルギーの HRD という機関が有名で、理想とされるカットのテーブル径は 60-63% 程度と、トルコウスキー型よりも広いものが良いカットとされています。

アメリカや日本で良いとされているカットよりも、更に虹色の光を楽しみたいと、50% よりもテーブル径が小さいカットにすると、光量が落ちるだけではなく、クラウンから入った光が効率よくテーブル面に導かれなくなるので、実際には、テーブル径を小さくした分だけ虹色の光り方が如実になるわけではありません。

そんなことを考えると、アメリカや日本では光の色に重きを置かれて、カットの形が考えられていることが分かります。一方、ヨーロッパでは、色よりも光量に重きを置かれカットがされています。しかし、これはどちらも光量と色のどちらかを疎かに考えているというわけではなく、キレイだと感じるバランスが違っているといだけです。なので、どちらが美しいと優劣を付けられるものではなく、最後は各個人の好みの問題だと思います。

そして、どちらのカットでも、テーブル径は違いますが、パビリオンやクラウンの角度は、同じ値を理想としています。これはダイヤモンドを輝かせるために、とても貴重なものだからです。


プロポーションは、単にダイヤモンドの大まかな寸法を計っているだけですが、カットの評価にはシンメトリーと呼ばれる対称性も測定しています。シンメトリーは、ガードルの楕円率、テーブルの楕円率、偏心、傾き、ガードルの厚さの不均等、キューレットの偏心などを考慮に入れて評価されています。プロポーションが良い値でも対称性が悪いと、光の入射や反射の角度の条件が崩れるので、シンメトリーもダイヤモンドの輝きに影響が大きい要素です。

シンメトリーもプロポーションと同じように、大まかな芯のズレや、面の平行性を測定しているだけです。しかし、実際のラウンド・ブリリアンカットは58の面があります。実際には、この58の面全てが、それぞれに入射角度を作っていて、それぞれに反射角度を作っています。そういうわけで、プロポーションやシンメトリーの評価は、ダイヤモンドの光り方のある程度の指標にはなると思いますが、それだけで全てが決まるような絶対的評価にはなりえないと思います。実際に、トルコウスキーも、2次元的に角度を計算しただけで、全ての角度を考慮に入れた計算から理想的なカットを考えたわけでは無いようです。しかし、大局的な特性は、プロポーションやシンメトリーを抑えればわかるので、プロポーションとシンメトリーが良い値ならば、悪い光り方はしない筈です。


また、ダイヤモンドのカットの評価の中に、ポリッシュという評価が含まれています。このポリッシュはダイヤモンドの研磨の善し悪しを示す指標になっています。ダイヤモンドの研磨の善し悪しは、入射面や反射面の表面租度のことです。光学素子で表面素度を正確に測定するときは、反射率や透過率を測定して乱反射の度合いから概算します。この意味することは、ポリッシュは、ダイヤモンドの輝きに影響を与えると言うことです。この表面租度が悪いと、光が乱反射を起こす原因になります。乱反射による影響は、光量の絶対値は少し減る程度ですが、白っぽく光る原因にもなります。

ただ、僕はいろいろとホームページを調べたのですが、光学素子だと表面素度は、光の波長に対してどのくらい…といった明確な判断基準があるのですが、ダイヤモンドのポリッシュはどのような判定基準で評価されているかは良く分かりませんでした。GIA のホームページをみても "How well" という曖昧な表現でした。鑑定士さんの独断で決められているのでしょうかね。そうなると、定性的にはポリッシュが悪いと白っぽく濁った光り方になると言えますが、定量的にどの程度影響が出るかは、良く分かりません。

一般には、数回しか反射しないので、表面租度は 100nm 程度以下であれば問題ないと思います。この程度の表面素度は、一般の光学素子で削ることは決して難しいことではないですが、ダイヤモンドがどの程度細かく削れる素材か分からないので、実際のところはどの程度か分かりません。


こんなところが、僕が調べたダイヤモンドのカットの情報です。


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