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皆さん、こんにちは。
ひょんなことからこの業界にお世話になって、あっという間に16年。
その間、いろんなお宅で駆除をさせていただきました。 この業界に入るまでシロアリを見たことは一度もありませんでした。
現場で、上司が庭の杭を抜いて振ったら、ゾロゾロと白い蛆のような虫が出てきました。 それが初めてシロアリという昆虫を見た瞬間でした。 特に嫌悪感は感じませんでした。 だって、なんにもシロアリのことは知らなかったからです。 好きも嫌いもありませんでした。
そして、当初は駆除なんて簡単だ、と思っていました。
しかし、何回駆除しても羽アリが繰り返し出てきて止まらず頭をかかえることもありました。 そのためノイローゼになった同僚もいました。
すざまじい被害に遭遇すると、シロアリが敵に思えてきます。
そんなとき、この容易ならざる相手は、大量の毒性の強い薬剤で殲滅させるしかない、とも思いました。 シロアリの行動が神出鬼没で、実に理知的な動きをするようにも思えました。
なるほど、だからシロアリを「社会性昆虫」というのだな、なんて勝手に思っていました。
しかし、そんな経験を積むうち、次第にその考え方が誤りであることに気づきました。 シロアリは「理知的」でも「社会性」が強い昆虫でもないようです。 彼らは単に目の前にあるものなら、とりあえずなんでもかじってみるという習性があるだけです。 単にそれだけのことだったのです。
(ついでにいえば、シロアリは松、杉が好物で、ヒノキやヒバはシロアリの嫌いな防蟻成分が含まれているから食べられない、という人がいますが、あれは間違いです。 実際にヒノキ類も食べた現場を見たことがあります。 シロアリは樹種を選びません。)
また「蟻酸でコンクリートも溶かす」という説も完全な間違いです。 かれらは日光に数分間、晒されただけで死滅してしまうとてもひ弱な昆虫です。
更に、メーテルリンクの三部作のうち「白蟻の生活」などを読むと、実に神秘的な昆虫であることもわかりました。 ノーベル賞作家が興味をもつほどの不思議な生態をもっています。
そして人類にとっては大害虫ですが、地球にとってはかけがえのない益虫だったのです。 どういう点で、かけがえがない貴重な昆虫なのか、その説明は長くなるので別に機会にさせてくださいね。
シロアリの習性さえわかれば、別に大量の毒を使わなくても住宅は充分、守れると思うようになりました。
また戦後、急激にシロアリの被害が拡大した根本原因は、シロアリの側にあるのではなくて、自然との関わりを無視した建築工法の多様化にあると思うようになりました。
その証拠に、昔の家はシロアリ被害がそれほど多くはなかったはずです。
この点についても詳述するのは別の機会に。
「昔はシロアリの被害なんて聞いたことがないのに、なんで昨今シロアリの被害が増えてきたの?輸入材にまぎれて上陸してきたんじゃないのかな〜」なんていうお客様もいます。
建築工法の多様化のひとつとして、たとえば私見ですが、「高気密・高断熱」の家は、自然との関わりを断ち切ったカプセル化した家だと思います。 昔の家がすべて良かったというつもりはありませんが、私は「中機密・高断熱」がいいと考えています。 (高断熱は結露を防ぐためには必要です。)
「高気密・高断熱」の家に住んでいる人はなぜか、風邪をひきやすく身体が弱くなったという声をききます。 気のせいでしょうか?
今回は、シロアリ防除剤の変遷について書こうと思っていましたが、有機塩素系とかリン系とかの専門的な話は、おそらく皆さん退屈だろうと思って止めました。
エッ!こっちのほうがもっと退屈だったよ、だって?。
ごめんなさい。
読んでいただいて有難うございます。
次回は、私がいかにして無農薬防除にたどりついたか、ちょっとした苦労話をきいてくださいね。
皆様、ごきげんよう。
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http://blogs.yahoo.co.jp/urageinoujouhou/folder/551507.html?m=l
2008/3/18(火) 午前 3:03 [ - ]
>昔はシロアリの被害なんて聞いたことがないのに
昔からシロアリの大被害はありました
「奈良・東大寺は25日、6月1日から110年ぶりの解体修理に入る寺内最古の建物・法華堂(8世紀、国宝)の須弥壇(しゅみだん)を報道陣に公開した。シロアリ被害が予想以上に進んでいるため、8月1日から2013年3月末まで予定している法華堂の拝観停止期間が延長される可能性もあるという」
2011年4月26日 朝日新聞
「8世紀のお堂シロアリ被害 東大寺法華堂の須弥壇」
2012/2/29(水) 午後 1:54 [ 東大寺とシロアリ ]