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試合開始のゴングがなった。
この直前、場内でタイムを表示するものを探したのだがなかった。後楽園ホールであれば残りのタイムが表示されるものが常備されている。しかし世界戦などで横浜アリーナや両国国技館などはない事が多い。しかし試合前に会場内を見渡した時、それらしきものがあったのでストップウォッチを持ってきていなかったのだ。しかし暗闇の中そういったものはなかった。うかつだったが、あわてて見回すと青コーナーの後方上にある試合を映し出すスクリーンの右下にタイムが出ていた。そこで時々後方をちらちら見ながらタイムを確認した。最悪なにか支障があればポケットに入っている携帯にもストップウォッチ機能があったのを思いだしたが、特に問題はなかったのでそのまま続けた。 リング上ではカサレスはオーソドックスでスタートした。 試合の数日前、金子会長、金子マネージャー、私、内海トレーナーでミーティングを行った。事前にそれぞれカサレスの過去の試合を見てその印象や思った事をレポートし発表した。仕事で参加できなかった岩本トレーナーは会長にメールでレポートを送りそれを会長が発表した。そして清水の担当トレーナーである金子マネージャーが今までやってきた練習と目的、そして試合の展開による戦術を話しスタッフの意志の統一を図った。 みんなの共通する意見としてカサレスはパリーしないので、ジャブはよく当たるだろうというものがあった。ただしカサレスは体を柔軟に使いスウェイバッグが上手いので単発ではいけない。マネージャーはジャブを5発打たせワンツースリーフォー、さらにボディへ右ストレート、さらに顔面に右ストレートなどといったコンビネーションを練習させていた。それはとても有効な手段だとみんな納得した。またカサレスは序盤は様子見が多いのでそこでしっかりポイントを取るという事もあった。 清水は5発とはいかないまでもジャブをヒットさせボディへ右ストレートも伸びた。入ってきたところにカウンターも当たった。いい出足だ。 1R途中、会長から最初のインターバルはチーフのマネージャーの他、左側は会長、右側にはメミン氏に入ってもらうと伝えられた。私は了解した。 清水の出足は良かった。後ろのスクリーンをちらちら見て時間を確認しながらラスト30秒になったらバケツのタオルを絞ってマネージャーに渡す。 しかし1R終了間際にアクシデントが襲った。両者踏み込んだ時に頭が当たり眉間の右目に近いところを切ったのだ。しかし幸いにも出血はあまり多くないように見えた。 1R終了のゴングが鳴りコーナーに椅子を入れた。余談だが内藤戦の時はリングのプラットフォーム(リングの端からロープまでの部分)の幅が広く椅子を入れるのにかなり体を乗り出さなければならず大変だった。今回はホールと同じくらいでやりやすかった。椅子を入れたあとは下で待機した。 セコンドアウトのコールがありインターバルが終わる。清水が立ち上がって2Rが始まり椅子を引いた。所定の位置に戻りマネージャーからタオルを受け取りバケツに入れた。 会長より次のインターバルからメミン氏に変わって入ってくれと言われた。経験豊富な人でもいきなりでは勝手が違い意志の疎通もままならないのだろう。言葉の壁もある。 2R目、カサレスはサウスポーでスタートした。しかし清水はサウスポーの打ち終わりにカウンターを合わせる。 カサレスは動きが重く清水が空間を支配していた。2R目が終了し金子マネージャーは手を叩いて攻勢をアピールしながらリング内に入った。私はボトルを持って左側のプラットフォームに上がりロープにかけた漏斗の中に入れられたマウスピースを洗いマネージャーにボトルを渡す。深呼吸を終えさせたマネージャーは清水の口に水を含ませた。私は漏斗を清水の顔の前に持っていき口をゆすいだ水をそこに吐き出した。 指示はとにかくジャブ、ワンツースリーフォー、すぐジャブと真っ直ぐ系。 セコンドアウトのコールがあり、清水にマウスピースを噛ませリングを降りる。ゴングがなって清水がリング中央に出ていくと同時に椅子を引く。 3R目もカサレスはサウスポーの頻度が多く感じた。オーソドックスだと清水のジャブを容易に受けてしまうからだろうか?そしてまだ同じようなペースだ。やはり序盤は様子見か? 清水は序盤の3R、バッティングで眉間を切るというアクシデントはあったもののいいリズムで戦った。(つづく) |

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臨場感が伝わってきますね。
たまにリングエプロンが広いリングありますが確かに椅子出すのしんどそうですね。
2011/9/15(木) 午後 6:29
飯田トレーナーとメミン氏が交代したように、
世界戦でサブセコンドが入れ替わるのってOKなんですね〜。
事前にチーフとサブ2人を申請して、たとえライセンスを持っていても申請した以外の人物がセコンドをしてはいけないと思っていました。
2011/9/16(金) 午前 3:31
ひこさん、リングもいろいろありますからね。私が聞いたところリングエプロンというのはリングの端から垂れ下がった部分だと聞きました。なのでプラットフォームという表現を使いました。
実際のところはわかりませんが…。
2011/9/16(金) 午前 11:31 [ 飯田トレーナー ]
茶人さん、鋭いですね。
私が聞いたところWBAは4人までセコンドが認められているそうで会長、マネージャー、メミン氏、私の4人を申請していたのです。
2011/9/16(金) 午前 11:37 [ 飯田トレーナー ]
ストップウォッチが無くても冷静に判断をしていて、さすが飯田さんです!
読んでいると試合の映像が少しよみがえります。試合は選手だけで試合をしているのではなく、トレーナー陣が一体となって試合をしているのだと改めて思います。
2011/9/21(水) 午後 11:03 [ ロッコ ]