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スカイハイが流れる中、会場内へ向かう。
清水は、スモークがかかる豪華な入り口から、我々セコンドはその脇から入った。 リングに続く花道は幟を持った人々で覆い尽くされていた。 それをかき分けて入り清水と合流した。 私はバケツを持ったウォーターマンだったので一足先にリング下に向かった。 コーナー下で松ヤニの入った箱を探したが見つからない。大抵リングに上がる階段の下に置かれているのだが見当たらない。キョロキョロしていると誰かが指差した。その方向を見ると松ヤニの箱はあった。客席に近いところに置いてあったのだ。 私はそれを階段前に置いた。花道を通ってきた清水がその箱に両足を入れ入念に松ヤニをつける。その間、私は清水の口に水を含ませた。そして、コーナーにかけてある漏斗をとり口をゆすいだ水をそれで受けた。 清水はリング下で精神を集中させる。そしてリングイン。 場内が歓声に包まれる。私も遅れてリングに入った。リングには清水、金子会長、金子マネージャー、メミン氏、私が上がりカサレス陣営が来るのを待った。 コールを受けカサレス入場。堂々とリングに入ってきた。そしてモンティエルファミリーも続いた。 カサレス陣営がリングインし国歌斉唱となった。 まずはチャンピオン、カサレス側の勇壮なメキシコ国歌から流れ、曲が終了するとメキシカンは声を張り上げ気勢を高めた。 続いて日本国歌『君が代』が流される。この時、端のほうにいた私をメミン氏が陣営の中側に来るよう促した。ホームの人間への配慮なのだろう。私は促されるままに少し内側に入り国歌を口ずさんだ。今日はどんな展開になるのだろうか?48分後にはどのような光景がこの目に飛び込んでくるのか?いろいろな事が頭をよぎった。しかし、とにかく自分の仕事をしっかりとしようと強く思いなおした。 両国歌が終わり選手紹介となった。 まずはチャンピオンから紹介された。カサレスを改めてよく見ると確かにデカく見える。計量時から7?以上増えて試合時は60?になっていたという。やはり弱点は腹か? 続いて清水の紹介。事前にリングアナウンサーが控え室を訪れ清水『スピードスター』智信にするか『スピードスター』清水智信にするか、あるいは他にキャッチフレーズがあるか確認に来ていた。清水は名前の前に『スピードスター』をつける方を選んだ。 その通り『スピードスター』清水智信と紹介され客席から大声援が上がった。 私はマネージャーに水で濡らしたマウスピースを渡しリングをおりた。 マネージャーと清水はリング中央でカサレスと対峙しレフェリーの注意を聞いていただろう。私はそれには目もくれずリングサイドの椅子やバケツの確認をした。 そしてリングに目をやると両者コーナーに別れマネージャーはリングを降りていた。 いよいよ試合開始のゴングだ!(つづく) |

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