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用意されたお酒は8種類。 今年の純米のしぼりたて新酒が2種類、山田錦と玉栄の米違いで。 定番商品である「花嵐」純米大吟醸 燗にしてもおいしい純米吟醸「吟花」 純米吟醸生原酒「雪花」 3年間寝かせた大吟醸、 上撰「竹生嶋」(本醸造)、 そして1995年の大吟醸古酒黄蘗(きわだ)。 それぞれ少しずつタイプが違い、参加者の方の人気もばらけました。 しかし、吉田酒造さんの上撰がうまかった。 レギュラーでこれだけしっかりしたお酒を造るとは。 吉田専務もレギュラーにこれだけ力入れてやってるから、 他に浮気されても戻ってきてもらえる自信があるとおっしゃっていました。 地の酒はこうあるべきだなあ、と思いました。 さてさて、試飲も終わったところでようやく食事です。 今回のツアーのもうひとつのメイン、 生前、遠藤周作も年に数度は必ず通ったという湖里庵へ移動です。 湖里庵さんは吉田酒造さんからほんの数軒先のお向かいで歩いて一分程度。 入り口で仲居さんに案内され、部屋の襖を開けた途端に、 琵琶湖の美しい景色がパノラマで目に飛び込んできました。 さらに壁にかかる掛け軸には遠藤周作筆の湖里庵の文字が。 まだ食事もしていないのに、すっかり心を奪われてしまいました。 これだけでも来て良かったなと思ったほどです。 これは遠藤周作も足しげく通いたくなるわけです。 春には湖岸沿いの道路の桜が満開になるとのことで、 それはさぞかし素敵な眺めだろうなどと、 そんな話しで盛り上がっているうちに料理の登場です。 まずいきなり本漬けの鮒寿司が出てきました。 酸味とコクのある塩味、そして良質な醗酵の味がまざってものすごくおいしい。 各参加者からも驚きと絶賛の声があがります。 実は今回の参加者のうち、一人は鮒寿司を一度も食べたことが無く、 何人かは食べたことがあるけど臭くてまずかったという経験のある人でした。 本当においしい鮒寿司はそんなに臭みはなく、 醗酵した独特の酸味がかった匂いが少しあるだけだという 私の説明にそれならばと来てもらったのです。 結果は大満足。 鮒寿司と一口に言っても、ピンからキリまであります。 まずい鮒寿司は本当にひどい。 臭くてとても食べられたものじゃないです。 ある意味、お酒と状況は同じですね。 さて、少し脱線しましたがまた料理の方に話を戻しましょう。 この鮒寿司は本当にお酒がすすみます。 花嵐の活性にごりを最初のお酒に選んだのですが、 気がつくともうグラスが空に(^^; そうしている内にも料理は次々と出てきます。 甘露漬けの鮒寿司、 もろこ、 かにしんじょう、 鮒の子をまぶした鮒のお造り、 稚鮎の天ぷら、 氷頭なます、 湯葉蒸し、 ときて最後は鮒寿司茶漬け。 すべて琵琶湖産の琵琶湖尽くしなコースでした。 料理に合わせてお酒も色々試していきましたが、 私は最終的には古酒に落ち着きました。 熟成モノ同士相性がいいんでしょうかね。 ところで、今回初めて鮒寿司には二種類あるということを知りました。 ひとつは本漬け(飯漬け【いいづけ】)。 これは、塩漬けしたニゴロブナをご飯に漬け込んであるもの。 たぶん鮒寿司といって一般的に思い浮かべるのがこちらでしょう。 そしてもうひとつが甘露漬け。 これは本漬けされた鮒寿司をあげ、 飯(いい)を取り除き酒粕に漬け直したものです。 これによって味がまろやかになるそうで、 湖西ではこちらの甘露漬けの方を鮒寿司と呼んでいたそうです。 最近ではブラックバスやブルーギル等の外来魚の増殖によって、 原料となるニゴロブナの数が激減。 いいニゴロブナが手に入りにくくなり、 値段も高騰しているため一部中国から輸入もしているそうですが、 やはり味はかなり劣るそうです。 釣り人の皆さん、おいしい鮒寿司の存続のためにも キャッチアンドリリースではなく、 キャッチアンドキルでお願いします。 ロケーション、部屋、食事ともに最高の時間を提供してくれる湖里庵さんですが、 聞けば、宿泊も受け付けているとのこと。 しかも、一日一組限定なのだそうです。 この素晴らしい空間を誰に邪魔されること無く好きに使えるとはなんと贅沢な。 お値段はそれなりにするらしいですが、 ぜひ一度は泊まってみたいものです。 湖里庵さんで贅沢なひと時を過ごした後はマキノを後にし、木之本の七本鎗醸造元冨田酒造さんへ。 毎度おなじみの冨田さんがお出迎えです。 吉田酒造さんも小さい蔵ですが、冨田酒造さんも負けず劣らず。 タンクが所狭しとたくさん並べてある分だけ 感覚としては小さく感じますが、 実際はどっちの方が小さいでしょうか。 冨田さん、小さい酒蔵ランキングやったらうち1位やろか? なんて言ってました(^^; ちょうどこの日は木槽の搾りに加えて斗瓶取りもやってました。 なかなかない作業だけにいいタイミングで来られてよかったです。 湖里庵さんで時間をとりすぎてしまったために、 冨田酒造さんはかけ足での見学となってしまいました。 見学後、店舗の方で軽く試飲をしたところで電車の時間が迫ってきたので、 その場を辞することに。 もうちょっと時間が取れたらよかったなあ。 ちなみに吉田酒造さんは湖西の北端なので湖西線を使い、 冨田酒造さんは湖東の北端で京都に戻るのに東海道線を使ったので グルっと琵琶湖を一周したことになります。 これは私にも初めての経験。 朝から夕方まででお酒も呑んでからの移動もあったので結構疲れましたが、 充実した蔵見学ツアーでした。 湖里庵さんは本当によかった。 今後も何かの折には使えたらな、と思います。 吉田酒造さん、湖里庵さん、冨田酒造さん、どうもありがとうございました。
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