日本酒バー開店日記

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犯罪

http://kuchikomi.ameba.jp/kuchikomi?AMEBA_ID=sakebar&ENTRY_ID=11175688995&ENTRY_END_DATE=2012/02/29『犯罪』 
フェルディナント・フォン・シーラッハ
http://ecx.images-amazon.com/images/I/51x48fyjJ1L._SL160_.jpg

最近、ドイツの翻訳ものの元気がいいという記事を
新聞か何かの書評で読んだのが先月くらいの話で、
そんなこともあってすこぶる評判の良い本書を手に取ってみたわけです。
後押ししてくれたのは昨年読んだ『謝罪代行社』という、
ドイツのミステリーがかなりど真ん中ストライクのヒットだったからで、
ドイツミステリーいいじゃないか、と注目していたところなのです。


著者はドイツで刑事事件弁護士をしているそうで、
本書には実際の事件を基にした11の短編が収められています。
この11の物語はすべて弁護士である「私」が担当した事件だという体裁をとって、
語られていきます。
これらの物語を”ミステリー”と分類していいかは判断に迷うところです。
殺人、強盗、窃盗、傷害とたしかに11の物語すべてに”犯罪”が絡んでいます。
しかし、いわゆる”ミステリー”のようにどんでん返しがあるわけでもなく、
謎解きや驚くべきトリックが用意されているわけでもない。
「刑事コロンボ」のように最初に事件の一部始終から始まる場合もあれば、
犯人が誰かは最後まで明かされない場合もあります。
語り口はとても淡々としていて、
まるで記録文学かノンフィクションでも読んでいるかのような気分になります。
冷静で抑制のきいた文体(翻訳の妙!)のせいで、
小説というよりは事件の調書なのかもしれないとさえ思えてきます。
しかし、ところどころに小説らしい記述やしかけも用意されていて、
それが読む者に一種の混乱というか錯覚を引き起こすのです。

作者の経歴と(実際の事件をベースにしているという)本書の成り立ちを知っているだけに、
これはどこまでが実際に起きた出来事なんだ?
とフィクションと現実の境があいまいになり、
読んでいる途中で軽い眩暈にも似た感覚に襲われたりもしました。
11の物語すべてが犯罪を扱いながらもミステリーらしさを感じないのは、
犯罪そのものよりも事件に至る経緯やなぜそうしなければならなかったのか、
という人間の心の動きに重きを置いているからでしょう。
いくつかの例外を除いて、
ここに描かれている人々は理解不能な精神構造を持った快楽殺人者でもなく、
変質的な異常性愛者、あるいはサイコパスというわけでもありません。
私たちとそう大差ない普通の人たちで、
置かれた状況次第では自分自身も罪を犯していたかもしれないというところに共感を覚え、
また、そうであるがゆえに登場人物に自身を投影し、
現実とフィクションの境目があいまいになるという不安定な状態を経験することになるのでしょう。


どの作品も素晴らしいのですが中でもお気に入りなのは、
姉弟間の複雑な心理を描いた「チェロ」、
世の中には知らなくてもいい世界があるということを感じさせてくれる「正当防衛」、
愛情とは何なのかを考えさせられる「フェーナー氏」、
理解はできないけどそういう感覚があるのだなあと思わせられる「縁」、
ですね。

そして、気になるのは「リンゴ」。
最後のページに印刷されている

「Ceci n' est pas une pomme.」

というフランス語。
「これはリンゴではない」という意味なのですが、
これを念頭に読み返してみると・・・。


ともかく、本作がデビュー作だったシーラッハさん。
次回作の『罪悪』も既に翻訳され、発売されています。
近々、手に取ってみたいと思います。



第4回酔読会
日時:2012年3月27日(火)20:00〜
場所:日本酒BARあさくら
会 費 :通常のお会計
※ 当日までに『センセイの鞄』川上弘美著 を読んでおいてください。
  サブの扱いですが『KAGEROU』『鴨川ホルモー』『クロス・ファイア』も可。
※ テーマに沿ったウェルカムドリンクをサービス


海津大崎の桜と鮒寿司会席〜屋形船からのんびりお花見〜
集 合 :4月14日(土)午前8時00分 
集合場所:京都駅中央改札(2Fではなく京都タワーが正面に見える改札です) 
     (マキノ集合の方が都合がいい方はそちらで)
会 費 :19000円(料理・お酒代、屋形船貸切代) 
(15名限定)
申し込み締め切り:4月7日(土)
締切日前でも定員に達し次第、申し込みは締め切らせていただきます。

参加ご希望の方は電話、メールまたは来店時直接お申し付けください。
※ 定員になり次第締め切ります。
  

日本酒BARあさくら 
京都市中京区木屋町御池下がる一筋目東入る大久ビル2F 
Tel/FAX:075-212-4417 
mail: 
yoshias5@hotmail.com 



3月の休業日
3月13日(火)

3月20日(火)

3月28日(水)

※3月27日(火)は酔読会20:00〜


3月の昼酒営業日
土日限定、予約営業のみ
(2日以上前にご予約ください)









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