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麗奈は、腕を組んでビールを一気に飲み干した。
「だから、かかわるな!と、言ったのよ」
私は何も言えなかった。
ただただ、ため息がもれた。
沈黙の中、テレビの音だけが、BGMのように流れていた。
カレ、トシは今晩のことを何と思ってるのだろうか?
私以外の彼女のことで、私がついにボイコットを起こしたと、思っているのではないかな??
少しは反省して電話でもしてくるかもしれない。。。
青年トシは、彼女と逢っているのだろうか?
彼女のことも抱いたりするんだろうか?
2人のトシのことを考えると、出口のない迷路にいるようだった。
「婚約してるんだから、陽子のカレにはちょうどいい薬よ!」と麗奈は言った。
「そのうち電話がかかってくるから、いい加減にしないと、婚約破棄だって言ってやんなさいよ」
私にそんな元気はあるだろうか??
怒る気になんて、更々なれない。
「あのカモシカ君とは、とりあえずこれきりにするのよ!」
「どう考えても、一流企業のサラリーマンのカレとの婚約破棄して、あの大学生とつき合うなんて考えられないでしょ。19歳なんてまだお子ちゃまじゃん。就職するまで後3年もあるんだしね。辞める辞める!!」
麗奈のように論理的に考えられて、情に流されない性格になりたいと、思った。
2人を分析して取捨選択するということが、私にはできなかった。
「そんなだから、求められるままにだらだらセックスしちゃうんじゃない!」
「陽子は割り切って遊べない性格なんだから、もう、辞めることよ!」
その通りだ。。。。
割り切れないどころか、好きになっているんだ。
気持ちが動いているんだ。
でも、婚約までしているカレがいる。
カレが、他の女の子と遊ばなくなったら、、、、
これで浮気を辞めてくれれば、みんな丸く収まるのかもしれないー。
私の母は、私に常々言っていたものだ。
「男の人なんてね、最初はみんな夢中だけどね、10年も20年もずっと一緒にいるとね、浮気のひとつやふたつする生き物よ。あなたもよく覚えておきなさい。いちいち騒がずに、散歩に出かけたとでも思って待ってなさいよ」
しかし、4年でこれだからなあ。。。。
そんなこんなを考え出したら、なんだか全てが嫌になってしまった。
我慢強い性格は、ここでは、ひょっとしてよいことではないのかもしれない。。。。
さあ、そろそろ寝ようとした頃、私の携帯が鳴った。
どっちからなんだろう??
頭がガンガンして、携帯を見るのが怖かった。
麗奈はベッドルームから飛び出して来て、
「絶対出ちゃダメ!」
と、私に念をおした。
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