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前回の続き
 
熱田家八剣神社にて
 
服部半蔵と本多忠勝は沓掛に近い、熱田北条家の八剣神社の社務所にて、当主の熱田北条横井時延と対座していた。
 
半蔵
「突然のまかりこし、大変失礼いたしました。お会いできましてありがたき幸せでございます」
と深く礼!
 
時延
「ようこそ!熱田家へ!当家は此度の戦は中立を保ちまする。お気遣いは無用でござる。ごゆりとおくつろぎくだされ」
 
忠勝
「近所には川が流れ木々に囲まれたよきところでございまするな。戦が夢のようでござる」
 
時延
「古き昔より、この地に熱田家は存続し、鎌倉時代には北条氏を匿いました。尾張氏である熱田家は熱田大宮司から身を引き、藤原氏に熱田大宮司を譲りました。いわば没落のようでござる。今は武士といえども、この神社の神主というほうが世に通っておりまする」
 
半蔵
「されど、織田家よりも古き家柄、世が世なら天下に影響する家柄とも言われておりまするゆえ、此度の戦はどのように参戦されるかお聞きしたくまかりこしました。失礼をお詫び申し上げまする」
 
時延はたまに咳をしているので忠勝が
「風邪でもめされましたか?」
 
時延
「稲生の戦いで胸に傷を負いました。長くはありませぬ。ゆえに嫡男があとを取るまでは生きていたいと存じまする。まだ十四歳になったばかりの嫡男ゆえ、此度の戦は中立を守り、織田様にも今川様にもつきませぬ。まずは家も守ることが大事かと。この横井村、北は沓掛の近藤家、西北には大高城と鳴海城、つまり中立が一番かと。無理は家を滅ぼしまする」
 
このとき半蔵は、この当主の心が読みにくいことを不思議に思っていた。半蔵の読唇術と読心術も利かないのである。
 
 
忠勝
「尾張統一のためとはいえ、あの戦は同属同士のむごき戦でございましたな」
 
時延
「信長公の弟君までも犠牲になりました。当方信長軍の負けは確実でございましたが、信長軍七百で千の軍を打ち破りました。正に奇跡の勝利です」
 
半蔵
「その後、信長様の弟信行様が殺されました。むごき戦国の世でございます」
このとき、半蔵は忍者の感で思った。熱田北条横井時延がこの戦で伝説の熱田神法を使いかなりの信行軍を殺戮したのではないかと?
時延の話は熱田家の歴史の話となり、奈良時代の楊貴妃伝説から蒙古襲来の長い話となり、半蔵でも心が読めない不思議な神主兼武将の時永に敵味方は別として好感をもった半蔵と忠勝である。
 
忠勝
「単刀直入に申し上げまするが、此度の戦!わが松平家が尾張侵攻の捨石とされまする。捨石なのか、我が殿、松平元康を義元公のあととりとなす前段階の試しなのかはわかりませぬが、いずれにせよ、当家にとりましては損な戦と存じまする.戦の度に先陣を切るのはいつも我ら岡崎衆でございます。多くの三河武士が戦場に散りました
 
半蔵も忠勝も時延が信頼に値する人物だと確信したがあえて全ては言わず、どちらが勝つにも負けるにも、松平家が再び岡崎を取り戻す脱出路を探ることは言ってもいいのではないかと思うのである。
 
忠勝の心を読んだ半蔵は
「どちらが勝つにも負けるにも、当家が生き残ることを最優先にすることを元康様に進言いたしまする」
 
時延
「元康公はよき家臣をお持ちじゃ。某が元康公ならば義元公が尾張侵攻に成功すればその後、義元公に取って変わり天下を狙いまする。万が一、義元公が負ければ今川は終わり!なぜなら、お二人ならおわかりであろうが、義元公の腹心は、お二人ほどの方は少ないと存じまする。今は戦国最高の参謀、太原雪斎はおりませぬ。あえて言うなら鳴海の岡部殿くらいでござる。義元公が天下を望むなら嫡男を取るか元康公を取るか?今、決めるべきでござる。その気配なき今、此度の戦のわずかな不安材料でござる。されど、世は織田が勝つとは思ってもおりませぬ。まずは松平家が生き残り岡崎を取り返してくだされ。天下に一番近い義元公!されど今川軍の中では一番の力をお持ちの元康公でございます。天下取りも夢ではなきことと存じまする。年齢は関係ありませぬ。子供の頃から人質として艱難辛苦に耐えた元康公であります。天下に一番近い義元公のもとで天下取の策を学んでおられる。此度の戦は岡崎を取り戻し義元公の寝首をかいてでも天下を取る千載一遇の天の時と存じまする。松平家が天下を取る条件とは?まずは、此度の戦を乗り切ること。次には三河にも増えている本願寺勢力を抑えること。今は坊主が坊主の仕事をせず、僧兵なのか坊主なのかわからぬ時代。必ず武家の天下統一の邪魔をいたしまする。次に強大な敵は武田信玄!まともにぶつかれば勝てる相手ではありませぬ。暗殺という手を用いねば勝てぬやもしれませぬ。この三つが天下統一の三大条件でありまする」
 
半蔵も忠勝も今回は調略という段階ではなく、松平家の先を見据えることが一番の大事ということを確信した。熱田家が中立だろうと織田方だろうと、今川に寝返ろうと松平にとってはどうでもいいことと思ったのである。そして時延の人柄に感動を覚えたのである。
 
 
 
沓掛城襲撃
 
沓掛城は時泰の面がばれているので前田慶次が忍者衣装で襲撃することとなった。
沓掛城の郎党を半殺しにすることはたやすい慶次の格闘力である。この地の農民には手をかけず郎党を辻切りにするという闇討ちを繰り返し行っていた。
熱田北条横井佳美の調略により、まさか熱田家からの辻切りとは思わないので織田の襲撃と確信し沓掛城の周りの領地は恐怖に震えあがった。大男の辻切りである。
それも闇にまぎれた忍者衣装!いつ辻切りが現れるかわからない。対策を嫡男の仁太郎は考えた。沓掛近藤村で一番相撲が強い、新美大吉という武将がいる。仁太郎は新美に命令し夜間の見回りと辻切り狩を命じたのである。このままでゆくと今川軍到着前に三割くらいの戦力が削減される。なんとか阻止せねばならない。以前、時泰を襲った近藤家ではあるが、熱田家は織田を裏切るゆえに時泰は郎党を殺さなかったので、今回の辻切りの正体は完全に織田の攻撃と思っているのである。
新美は部下4名を夜の見回りをさせていた。陰に隠れながら部下の後を追う。
とうとう、黒装束の大男が現れた。部下はひるんでいるが、突然、大男の前蹴りが部下の腹を蹴り、悶絶!もうひとりの部下が剣を抜こうとする前に大男は顔面に掌を撃ちこみ部下は失神!腰が抜けた他の部下に大男の踵落としが肩に落ち、完全に肩は骨折。残りひとりはとうとう逃げ出した。
それで新美は出現!背は六尺、体重は三貫を超える偉丈夫である。
大男、前田慶次は戦いの喜びに震えていた。こやつは手ごわい!試しに、踵落とし!
新美は見事にかわし、速射砲のように張り手を慶次に見舞った。張り手は胸に当たり、次は顔面をかすめたが、かなりの振動が頭にきたので慶次は大の字に倒れてしまった。慶次は油断したと悔やんだが、次の攻撃は意外な技がしかけられた。
新美が宙に高く飛び、右肘を慶次の顔面に落とすという荒業が仕掛けられた!肘が顔面に落ちれば即死!慶次は肘を両手で受け、膝を立て、新美の巨体が膝に当たるように膝を移動したら見事新美の巨体が慶次の膝に食いこんだ。これで新美は悶絶!
アバラは三本は折れたことだろう。慶次は新美の指をつかみ、二本を折った。右腕の動きがなくなったので、そのまま両足で腕を固め、腕ひしぎで右腕をへし折ったのである。とどめは顔面に踵落とし!新美は完全に失神!近藤家最強の男は戦闘能力を完全に失い廃人となるかもしれない負けである。
 
 
続く
 
 
 
 
 

閉じる コメント(2)

半蔵は屈強な漢(男)、自衛隊にもいますね!

ポチ★

2013/7/22(月) 午後 7:32 [ - ]

Jさま 半蔵の門!読まれましたか?ポチ感謝です。

2013/7/22(月) 午後 10:47 [ 北条実政 ]


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