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前回の続き
社務所で酒宴は続いている
前田慶次
「ではでは、徳子姫も平様もお飲みくだされ」と言い酒を注いだ。
「つまり、信玄にとっては、織田が負けようと今川が勝とうと高みの見物でござる。織田が負ければ義元が留守の駿府を占拠することもやるでありましょう。織田が勝っても信玄が手をくださなかったというだけで、これまた駿河を取ることは容易!」
山本政子
「信玄公は勝つ術を知る天才かもしれませぬ。されど、今宵は最強の忍者に注意せねばなりませぬ。尾張国も今川領も混乱に導く天才的な術をお持ちなのが勘助様です。親戚でもありませぬが、よく存じておりまする」
熱田北条横井徳子
「そこまで、言われるのなら今晩は何かが来るかもしれませぬ。ところで、政子様は、お家のために子をなし家の存続を考えたことはありませぬか?」
と聞いたら。
政子
「そういう時期もございました。されど、私は本当は戦が嫌いでございます。もし、山本流が太平の世を作ることに貢献できるなら?前田様に負けた今、身を捨ててみたいと存じまする」
すでに神主は酔いつぶれて横になっている。巫女は酒の肴を作っている。平時国は飲んでいる。子はまだ10歳なので寝てしまった。
平時国
「政子様は、我らが何者かおわかりではありませぬな?」
政子
「はい!徳子様 時泰様のような高貴な方は相当な家柄だと思います」
慶次
「政子殿 実はなお二人は尾張氏である。ヤマトタケル命とともに活躍した尾張氏の祖神、タケイナダ命が始祖である。神話の世界ではスサノウ大神、火明命を祖神とする。
国難のときに立ち上がるのが尾張氏である熱田神宮家なのだ。奈良時代、唐の大襲来を阻止し、蒙古のときは北条氏が国を守ったが、北条滅亡を助け、北条の血を熱田神宮で継続させたという家柄じゃ。世が世なら、この時泰殿が天下人じゃ。尾張の覇者、信長様の隠れ重心が熱田北条横井家じゃ。俺は今、熱田家の食客じゃ」
政子は何も言わずにひれ伏した。
政子
「勘助様のことがどうしても気になります。ここに来るやもしれませぬが、先周りをして熱田、津島に行くやもしれませぬ」
宝神熱田社
氷上にてこのようなことが起きていることはつゆ知らず、尾張西部の宝神熱田社の社務所に、阿蘇(北条)貴教と毛利新助がいた。連日、新助に熱田神法を伝授している。
突然、社務所に火の手があがった。火矢が打ち込まれたようだ。二入は社務所を飛び出した。それにしても燃えるのが早い。消火の時間がない。本殿は距離があるので延焼はないとは思うが、本殿を燃やされてはならないので、二人は本殿に走った。神社に横に流れる庄内川の土手より何発も火矢が飛んできた。二人は刀を抜き次々と打ち落とす。その間に社務所が全焼した。矢が尽きたのか攻撃は止まった。
貴教
「今川の襲撃か?本家と神宮に大至急お伝えせねば。さらなる襲撃があるやも知れぬ。もしかして本家と神宮も襲撃を受けているやもしれぬ。新助!そなたは半刻(1時間)ここを守れ!俺は馬を飛ばし神宮に行き、次は氷上、最後に本家に行く。そなたは半刻後、津島神社に急げ!」
新助
「あいわかり申した!まずは本殿を守りまする。次に津島に急ぎまする」
貴教は急ぎ、馬を熱田神宮に飛ばした。神宮の次は氷上に護衛が集まるので、氷上に馬を飛ばす。
新助は刀を両手でつかみ、本殿を襲撃から守るために座り続けた。
続く
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