全体表示

[ リスト ]

前回の続き
 
駿府にて尾張から戻った本多平八郎忠勝は松平元康に尾張の状況報告をしている。
 
忠勝
「此度の戦は完全に今川軍の大勝という世の予想でございまする。されど、大どんでん返しがあるはずでございまする。ゆえに岡崎に逃げ帰る策を練ることは必定!織田の最終兵器ともいえる鬼の鳴海城襲撃において、城の郎党の首、胴体の槍の切り口の凄まじさを見ました。正に怪物でございます」
 
元康
「そなたの槍、とんぼ切りは天下一の槍となろう。そなたでも驚く槍なのか」
 
忠勝
「某の槍の二倍の重さの槍でございましょう。その槍を使いこなすのは正に鬼神だと!」
 
元康
「鬼は駿府にもでた。美しき鬼じゃ。男の鬼が尾張にもでるようでは、確かにどんでん返しはありえるじゃろうな」
 
忠勝
「半蔵殿と下手な小細工はぜず、熱田大宮司邸に行きました。運よく当主の熱田北条横井時延殿にお会いすることができました」
忠勝は時延との面談を元康に話したのである。
 
元康
「なんと!某が天下とは!我ら岡崎衆の苦難も深くご理解されておる。義元殿の寝首!さすがに天下人の系統じゃ!織田に勝てば、義元殿の寝首をかき、織田に負ければまずは岡崎の奪還!正に正論じゃ!
それにしても、忠勝と半蔵!よく熱田大宮司邸に行った!礼を言うぞ!」と元康は頭を下げた。
 
忠勝
「殿 頭をお上げくだされ」
 
元康
「出陣まで数日と迫った。今川の先鋒隊として多くの三河武士が死んで行った。此度の戦で岡崎を取り返し死んだものたちの無念を、岡崎を取り返すことで供養としたい。どうじゃ忠勝!」
 
忠勝
「御意!」
と言ったとたんに忠勝は天井に刀を投げつけた!天井に刀が刺った。
「ねずみが一匹、天井に!しばし失礼!」
 
間者は屋敷の二階から飛び降り、闇の中に逃げようとしたが、足を怪我をしたようだ。
忠勝は忍者の両足に飛びついた。前のめりに転倒した忍者の両腕をとり羽交い絞めにした。忠勝は後ろから忍者に頭突きをくらわした。体の力が抜け忠勝に捕まった忍者はなんと女!舌を噛まないように猿轡をして手も後ろで縛った状態で忠勝は元康の前に女忍者をさしだした。そして動けないように足も縛った。
 
忠勝
「そなた、今川では見たことがないな。他国の間者か?何ゆえに当家に忍び込んだ?
織田か?」
 
もちろん、くのいちはうなずきもしない。15〜16歳くらいの女忍者である。
 
元康
「半蔵が帰るまで当家の牢でもてなそうかの〜。それとも、そなたの正体を言うのなら話は別じゃ。以前、夜,義元様の前に出現した美しき鬼神とも違うようじゃ。となると今川でも織田でもないな」
足の怪我は大したことはなく忠勝は手当てをしている。
 
忠勝
「どうじゃ!そろそろそなたの正体を言うか。それともこの世に未練はないのか?」
 
元康
「そなた。死ぬことは怖くはないのか?怖くはないのなら、当家に捕まったのは運がよいのかもしれぬ。というのは、この本多忠勝の槍は切った後にしばし血がでぬほどの切れ味じゃ。これからは天下無双の槍となろう。切られても痛みもなくあの世に行けるということじゃ。どうじゃ!本当のことを話してみぬか?悪いようにはせぬ。当家でめしかかえてもよきかな」
 
という元康の言葉で忠勝は猿轡を解いたが黙っている。
 
忠勝
「話さないのなら槍を持ってくる」といい部屋の外にでた。
 
元康
「そなた!織田の乱波でもないのう。何ゆえに当家を探るや?」
 
まだ、話さない。忠勝が槍を持って戻ってきた。
 
忠勝
「では槍の切れ味を見るとよい」
槍の刃の根元を持ち、紙を刃に乗せたところ見事に紙が切れてしまった。
 
元康
「見事じゃ!刃に気が入っておる。正に神の刃じゃ」と拍手!
 
忠勝
「事実を言わねば、どうなるかわかるかや?ましてや、そなたは天井から大事な話を聞いてしもうたゆえ」
 
と言ったとたんに女忍者はしくしくと泣き出した。
 
元康
「半蔵は明日くらいには帰るであろうが、もう出陣の直前である。しょうがない。忠勝!切れ!」
 
と元康が言ったとたんに女忍者は大声で泣き出した。
 
忠勝
「すごい声じゃの〜。ではこれで最後じゃ。そなたの正体を言え」
 
女忍者が泣きながら話をはじめる。
「おやかた様が、恐ろしくて、恐ろしくて!」
 
恐ろしい、おやかた様とは?信長?それとも信玄、謙信?
 
「我らは、たった十名の党でございます。棟梁が亡くなり、跡取りは女子ゆえに、おやかた様の側室にされました。現在の棟梁は側室なのでございます。されど棟梁の妹君までも側室になることを強要されましたが、なぜか、尾張に向かう指名を受けましたゆえ側室になることを避けることができました。妹君が我が党の最高の術者でございます。尾張から帰らぬのではないかと思いまする。不安があたり私が側室になることを命令されました。
断れば死しかありませぬ。私の死で党が残ればよいのですがお家断絶は確実でございまする。妹君がなぜか尾張に行かれたゆえ、おやかた様は不機嫌でございました。
私が側室は嫌だということを察した、おやかた様は、松平様への間諜を命じました。失敗すれば死でございます」
 
元康
「何ゆえに松平を探る?探るなら義元様を探ればよいではないか?」
 
女忍者
「おやかた様は人を見る目が優れておられます。松平元康様の真のお力を見抜いておられます。それゆえに此度の尾張侵攻で元康様が大躍進されることを予想しておられます」
 
元康
「なんと、これまた某を誉めるお方が増えたぞ。忠勝!なんともよき気分じゃのう」
と笑った。
 
女忍者
「義元様の武術のすごさを我党も知っております。されど、義元様に勝つ鬼神が現れたことを知ったときには我党も驚いた次第でございます。鬼神は織田家の使いであり織田家にご縁が深き松平様を探るように、おやかた様から言われて駿府にまいりました」
 
元康
「そなたの党は女子が多いのか?」
 
女忍者
「半数が女子でございます」
 
元康
「そなたは棟梁の親戚筋か?
 
女忍者
「さようでございます」
 
元康
「ならば、そなたの党を再興してみたくはなきかや?」
 
女忍者
「できうることなら!」と強く言った。
 
元康
「しかし、義元様が負けた鬼の情報が行っているとは!」
この時、おやかた様の正体を元康は確信した。
 
女忍者
「おやかた様の情報網は戦国一でございます。それゆえに、おやかた様が慎重になられるのでございます。元康様が今川家を継げば天下は近いということも言われておりまする。されど、嫡男の氏真様では義元様の代わりはできぬことも」
 
元康
「ははは〜 よくわかっておられるのう。ならば、天井で聞いてしまった今、どうじゃ、余に従わぬか?それともそなたは故郷に家族を残しておるのか?」
 
女忍者
「両親も死んでおりまする。妹が党におりまするが、なぜか此度、再び会えてもいつになるかはわからぬという勘が働きました。それに帰っても、おやかた様の側室にされ、断れば殺されまする」
 
元康
「忠勝、そなたどう思う?」
 
忠勝
「殿に思うゆようにされたらいかがかと。ところで、そなたの名は?」
 
女忍者
「山本麻子でございます」
 
忠勝
「そなた足の怪我は大したことはないゆえ、今から俺と再び試おうて、殿に見ていただき、その後で当家に従うかどうかを決めたらどうか?俺も戦場格闘術を学んでおる。試合は無手じゃ。殺し合いはなしじゃ。寸止めで先手を取ったほうが勝ち。実はそなたの力を見てみたいのじゃ」
 
麻子
「よしなに」
 
麻子の縄ははずされた。
 
 試合がはじまった。
いきなり忠勝が右正拳を麻子に打ち込んだ。麻子は左回転でかわし円の動きをしている。忠勝の死角をついたのか麻子が忠勝の視界から消えた。
思わず元康は叫んだ。
「あぶない!」
 
麻子は前転宙返りで踵を忠勝の頭に落とす回転蹴りを見舞ったのである。命中すれば即死かもしれない。しかし、忠勝は直感で右手を握り脳天に置き麻子の踵落としを防ごうとしたのである。寸止めという約束のため麻子は踵を落とさず、そのまま着地した。
 
元康
「それまで」と叫んだ。
 
忠勝
「見事、俺の負けじゃ」
 
麻子
「はじめて防御を受けました。お見事な防御でございます」
 
忠勝
「踵が当たれば拳も砕かれていたであろう。そなた、俺の槍とそなたの忍法、格闘術を組み合わせ、殿の天下取りを見てみぬか?」
 
麻子
「はい、私でよろしければ、武田忍軍を離脱し松平元康様に従わせていただきます」
と言い、ひれ伏した。
 
忠勝
「やはり武田だったか」
 
元康
「ではよろしく頼むぞ!信玄殿にも認められたのでは夢を夢で終わらせことはできぬ。はっはっは〜 今宵はよき夜じゃ。酒を持ってこさせよう」
 
 
続く
 
 
 
 
 
 
 

.
北条実政
北条実政
男性 / B型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
友だち(1)
  • 株式会社セロリの管理人
友だち一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事