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4 平成17年4月7日以降について
平成17年4月4日に削合され、
痛みの症状が出ているにもかかわらず、
被告は4月7日、4月11日と続いて、
更に奥歯の削合を続けています。
奥歯を削りすぎたことにより、
4月4日まで何の不具合もなかった噛み合わせが崩れ、
強くあたりすぎる箇所ができたり、
一方では弱くあたる箇所ができてしまい、
アンバランスな偏った噛み合わせになったことにより、
咬合痛、歯痛、顎の痛みが出て、
さらに削合を続けた結果、重篤な症状が発生したと
考えられます(乙A第1号証の13、14)。
削る前までは何ともなかったのに(乙A第1号証の12)、
削ったことにより重篤な症状が出ているのですから、
この場合は、型どりをして歯の模型を作り
患者の咬合状態を把握し、レントゲンを撮り
歯根部分を検査し、痛みの原因を確認することが
重要です。まして、4月7日の時点で咬合痛や
顎関節痛、頭痛など痛みと症状が出ているのですから、
不可逆的行為を続けるのではなく、
尚更これらの検査(模型、レントゲン、口腔写真撮影など)
が重要となってくるのです。
5 平成17年4月以降の補綴について
補綴する際には、事前に型どり(模型)、
レントゲン撮影、写真撮影などを行うのが常識です。
歯型模型では患者の咬合状態と歯の形態が細かく把握
できます。ここで重要なのは、「事前」型どり、という事です。
削った後の型どりでは、それまでの患者の咬合や歯の形態が
失われているので意味がありません。
レントゲンでは、目では見えない部分、
歯根や神経、歯茎の中の状態が確認できます。
口腔写真では歯の形態や歯冠状態を確認できます。
また、視診した状態を撮影記録することにより
変化が把握できるので、先々の治療においても重要と
なってきます。
歯冠補綴というのは、もともとの歯を削って冠をかぶせる
という大がかりな行為です。
出来上がりの歯冠形態によって、わずかでもずれや異常が
あれば噛み合わせに影響が出ますので、
このような細かい事前検査を必要とするのです。
しかし、カルテを見ると平成17年4月から10月までの
補綴の際、これらの事前検査が行われていません。
被告は、平成17年4月4日以降、事前検査もなく、
安易に不可逆的侵襲性の高い削合と補綴を繰り返している
ことになりますが、補綴をするにあたり事前検査を行わない
のは通常では考えられません。
また、補綴の際には、何本もまとめて行うのではなく、
その都度、模型や噛み合わせ記録をとり、
1本ずつ補綴をするのが望ましいとされます。
何故なら、奥歯は微妙な変化でも噛み合わせに影響が出ます
ので、1箇所補綴するごとに、模型や噛み合わせ記録をとり、
事前検査をするのがよいと考えられます。
6 原告が受けた医療行為と生じた痛みとの因果関係
下顎(下アゴ)を前に突き出してみてください。
違和感があってもそれほど苦しくはなく、話もできますし、
食べようと思えば咀嚼もできます。
逆に、下顎を奥(後ろ)に引いてみてください。
数分どころか数秒で苦しくなり、
会話どころではありませんし、
もちろん咀嚼などは無理です。呼吸も苦しくなります。
このように噛み合わせの位置がおかしくなると顎関節に響きます。
歯の土台である下顎は頭を支え、
なおかつ首から下の筋肉を支える重要な働きをしています。
下顎は奥歯上下の安定した噛み合わせによって支えられています。
噛み合わせ位置がおかしくなると、
当然、歯の土台である顎関節に影響が発生するのです。
奥歯と下顎は一体であり、歯は上辺の役目で下顎は土台です。
容易に奥歯を削ってしまうと噛み合わせがずれ、
当然その土台である下顎にも影響が出るのです。
本件の場合、奥歯を削ってしまったことで
噛み合わせがずれて、頬や顎回りの筋肉が収縮し
バランスを壊し、痛みが出たのです。
この状態であたっている歯をさらに削ってしまうと、
本来の噛み合わせではない状態で調整していることになり、
悪循環に繋がります。
重要な役目をする奥歯臼歯を削ったことにより、
上下の奥歯が噛み合わなくなり、下顎が安定を失い、
後ろへずれて、顎の痛みに繋がり、偏った咬合により、
咬合痛、歯痛などのあらゆる症状が出たと考えられます。
以上
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