元祖抗がん剤ヘルプデスク

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 先日、私はいつものように「がん」関係のホームページやブログをチェックしていました。そこで、たまたまkaosan様(以下Kさん)が開設する「ピンクリボンに意義あり!」というブログを見つけました。おりしも、乳がん啓蒙月間の10月でもあり多くの方々の興味を引いているものでした。

記事を読む前は、恐らくはemotional(感情的)に、あるいはpolitical(政治的)に、このキャンペーンに意義を唱えるブログと想像していました。しかし、記事を読み進めるうちに、私が想像していたものとは異なる事に気付き始めました。

 また、これらの記事は、YAHOOピンクリボンキャンペーンのオフィシャルブログの、pink ribbon_fes様(以下Pさん)とKさんがそれぞれの立場で、詳しくは後述する「マンモグラフィー」について論議されている形で進められている事を知った訳です。

 私は、KさんやPさん、どちらかを擁護するという立場ではありませんが、基本的にこのお二人のやり取りに対し、事実誤認によるコメントや、どうも好ましくない方向に議論が進んでいることがとても気になり、問題提起をする形で先の2本の記事を私のブログでアップし、Kさん、Pさん両者のブログにTBを貼り、コメントを残させて頂きました。

 以上が、今回この記事をアップする背景となります。さて、初めてこの記事をお読み頂く方には、まずKさん、Pさんのブログを確認頂ければ、その経緯がよくわかると思うのですが、私が理解した範囲での議論の争点をごくごく簡単にまとめます。(Pさん、Kさん、事実誤認があればご指摘下さい)。

 まず、Pさんのオフィシャルブログやその中でのコメントから、この活動は乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝える事(これが本キャンペーンのビジョン)で、このキャンペーンで多くの方が乳がんに関心を持つことで、乳がんでお亡くなりなる方や、悲しむ方をなくそうというものだと思います。本ブログはYAHOO JAPANピンクリボンキャンペーンの公式ブログです。

 一方、Kさんは、上記ブログが紹介されるHP上にある、「早期発見のために」という項目で、年代別の効果的ブレストケア法が紹介されており、そこには20代から50代以上までにマンモグラフィー(乳がん検診)を勧める表記がある事を指摘しています。これに対し、ある書籍を引用されがん検診の有効性が少ないこと、及び危険性がある事を紹介し、問題を提起されています。

 問題をクリアーにする前に、両者の立場(私の理解する)を確認したいと思います。これが一番大事ですが、Pさんは乳がんという病気で亡くなる方を少なくすること、Kさんは、健康な女性が健康被害を受けないようにすること、両者共にとても大事な立場であり、どちらがより高尚で立派な考えに基づいているとは言えないということです。この点を忘れてはいけないと思います。コメントの中には、Kさんを非人道的な扱いをされているものがありましたが、これは明らかに誤認で、個人的感想ではありますが、そのようなコメントをする方はPさんをも支持する立場にも立てないと思います。

 さて、本論に入ります。この議論をきっかけに、いろいろ調べてみたり、専門家の意見を聞いたり、知り合いとも議論しました。結果から申し上げればYAHOOのHPにある20代から50代以上までにマンモグラフィー(乳がん検診)を勧める表記は、必ずしも正しくない、あるいは行き過ぎな表現であるというのが見解です。確かに、本当に慎重に読めば強く推奨するものではないとも読み取れますが、20〜30代の項目に確かにマンモグラフィーがあり、括弧で(できれば30代のうちに)との但し書きがあるものの、ごくごく普通に読めばタイトルにあるように、効果的なブレストケア法で、推奨していると読み取れます。

 ここから、なぜ上記の見解に至ったかを説明します。

 まず、なぜマンモグラフィーやその他検診で早期発見が重要と言われているかを確認しなければなりません。これは、乳がんでもその他のがんでもそうですが、早期に発見できれば治療成績が良いと言う事にほかなりません。これは紛れもない事実で、がんのステージは1期〜4期までありますが、ステージが若い程(数字が少ない程)治療成績、すなわち生存率が良いのです(しかし、これはこれまでにがんになった方の治療成績であるという事を忘れてはいけませんが)。

 したがって、早くに(ステージが若いうちに)見つかる人が増えれば、がん全体の治療成績がよくなるだろうと言う事が想定されます。ピンクリボキャンペーンでも早期発見を訴えるのは、この背景からで、早期に診断される人が増えれば乳がん全体の治療成績があがるだろう(逆に言えば、乳がんで亡くなる方が減る)という前提に立つものです。

 では、これを証明するためにはどうすれば良いでしょうか?ここをKさんは指摘しているのです。何らかの治療法や検査法の有用性を証明するためには、必ず統計的な処理を施す臨床試験が必要になります。これは私のブログ内のEBM(科学的根拠に基づく医療)や臨床試験の記事を参照下さい。したがって上記の仮定、「早期に見つかる人が増えれば、乳がんの死亡率は低下するだろう」との予測だけで、実際にこれを一般化するのは危険であると言うことです。

 ここで一旦、切ります。続きは、ピンクリボンキャンペーン論議:私の総括<第一弾>(2)へ


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