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 ピンクリボンキャンペーン論議:私の総括<第一弾>(1)の続きです。

 これらの前提をお分かり頂いた上で、私の見解に至った理由を列挙します。

■マンモグラフィーの有用性を支持するものと、支持しない報告が混在する。
 これはどういう意味かというと、健常な女性を対象に、マンモグラフィーを定期的に受ける群と、受けない群で、乳がんによる死亡率に差がでるかを証明する臨床試験(調査)で、まさに上記の仮定「早期に見つかる人が増えれば、乳がんの死亡率は低下するだろう」を証明しようとするものです。
 実際に全世界では既にいくつかの同様な研究があり(一つ一つは紹介しませんが)、マンモグラフィーを受けた方が死亡率の軽減につながると報告したものと、両者に死亡率の差がないと報告したものが混在しています。
 これをどう解釈するかというと、まだマンモグラフィーによる早期発見が、明らかに乳がんの死亡率を減らすとは断定できないということです。

■マンモグラフィーが有用であるという報告においても重大なバイアスの可能性がある。
 これは少し難しい解釈が必要ですが、臨床試験(調査)の評価をする際に必ず問題となる点で、バイアスとはどちらかの群(ここではマンモグラフィーを受ける群か、受けない群)かに、有利に働く因子があったという意味です。
 マンモグラフィーが有用であるという報告には、いくつかマンモグラフィーが有用であると働く重大なバイアスの影響の可能性があるとNCIのPDQ(これは米国が国家威信をかけて構築したがんのデータベースで既に本ブログでも紹介しているものです)の表記にあります。

■ベネフィット・リスク・コストの観点から
 何らかの医療行為(診断・治療)の有効性を明らかにするには、科学的根拠(臨床試験の結果)を踏まえ、更にそのベネフィット(有用性)、リスク(危険性)、コスト(経済性)を考慮しなければなりません。マンモグラフィーを含む、乳がんのスクリーニングについて検証したいと思います。

・ベネフィット(有用性)
 これは、上記にも紹介した通り、未だ確定的な有用性を示したという状況ではありません。すなわちマンモグラフィーを含むスクリーニングが乳がんの患者さんの死亡率を明らかに軽減するという解釈には至っていないということです。
 NCIのPDQには、これまで報告されたマンモグラフィーを含むスクリーニングが全て紹介されていますが、これらを総括するコメントは「乳癌のスクリーニングは全死亡率に影響を及ぼすことなく、乳癌死亡率に対する絶対有益性は小さいように思われる」というものです。

・リスク(危険性)
 これを説明する前に、確認しなければいけない事があります。これまで紹介した事は、何もマンモグラフィーが必要ないと言っているのではないのです。マンモグラフィーの病巣(がんの塊)を見つける、検出する能力は非常に高いのは事実ですが、前述の通りこの検査を多くの健康な女性が受けたところで、乳がんの死亡率の改善にはつながらないということです。
先に健康な女性と書きましたが、これが重要な点です。マンモグラフィーは胸部X線と同じように、少ないとはいえ放射線被爆します。乳がんの死亡率を大きく変えないにも関わらず、健康な女性が乳がんを早期発見するために、毎年毎年がんの原因にもなる放射線被爆を繰り返す危険性があります。これは、癌の情報Tipsの希さんがCTの危険性を指摘する文献を引用した懸念です。
 更に、マンモグラフィーは乳がんの検出能(発見する力)は非常に高いと申し上げました。実は、これにも危険性が潜んでおり、もしかするとマンモグラフィーを受けずにいれば決して顕在化しなかったがん(生存中にがんが発見されない)までも発見してしまうということです。もしかすると、その方はマンモグラフィーを受けずにいれば、乳がんでは亡くならず、また平均余命まで生きられるか、あるいは乳がんになったとしても非常に予後の良いものである可能性もあると言うことです。
 これは何を意味するかというと、マンモグラフィーの検出能が高い故に乳がんが見つかり、本来は必要のなかった治療(乳房切除・放射線治療・化学療法・ホルモン療法など)を受けてしまうという危険性です。
 実際に、NCI PDQには、「スクリーニングンモグラフィーは、他の方法で発見される病変より小さな、乳房の非浸潤性〜(中略)〜、このような癌の一部は、臨床的に意味を持つ病変とならないため、それらの診断や治療は過剰診断及び過剰治療となる」との表記もあります。実は、このリスクは、Kさんが指摘する点です。

・コスト
 ベネフィットとリスクを天秤にかけて頂ければ、もうコストについては言及する必要はあまりないと思いますが、マンモグラフィーを健康な多くの女性が受けることによる有用性は小さく、少なからず危険性を合わせ持つ方法を、多大なコストをかけるかどうかに見合うかと言えば、?と言わざるを得ません。本当にリスクを上回るベネフィットがある、すなわち受けない場合に比べ著しく死亡率を改善するのであれば、このようなマンモグラフィーを含む検診は、国が負担すべきものですが、そうはなっていません。実は、ここらへんの状況は国もわかっているのではないかとも思います。
 更に、コストを考慮する場合、マンモグラフィーにかかる費用だけではなく、経済全体の損失も考慮しなければなりません。どの年代から検診を受けるかは別にしても、多くの女性が検診を受けるために損失する時間は、本来生産にあてられる時間で、これをも換算すると相当なロスになると思われます。

 「YAHOOのHPにある20代から50代以上までにマンモグラフィー(乳がん検診)を勧める表記は、必ずしも正しくない、あるいは行き過ぎな表現であるというのが見解です」を説明するのに、大変長い記事になってしまいました。

 誤解のないようにもう一度申し上げます。私自身は、Pさんが支持する多くの人に乳がんという病気を啓蒙する(早期発見・早期診断・早期治療については全面的には支持致しません)という事には賛同しますし、またKさんがいう健康な女性の被害を守るという主張にも賛同します。

 一番大事な事は、乳がんによる死亡率を減らすということです。「そしたらどうすればいいんですか?」と思われる方も多いと思います。私自身は、マンモグラフィーを含むスクリーニング(早期発見)で乳がん死亡率を減らすという方法(これは実際には軽減しないというのがこの記事ですが)の他に、もっと有効で重要な方法があると思っています。

 ここまでで大変長い記事になってしまいましたし(私も疲れました)、皆さんも読みにくいでしょうから、これについては、<第二弾>で記事に致します。最後に、私は科学的根拠に基づく医療(がん医療)を信条としています。これには重要なファクターがあり、様々な報告、論文、意見に対して批判的に吟味するという姿勢があります。是非、皆さんも私の記事を盲信せずに、皆さんの目で見て、頭で考えてみて下さい。

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