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 先日の記事で私は、YAHOOのHPにある「20代から50代以上までにマンモグラフィー(乳がん検診)を勧める表記は、必ずしも正しくない、あるいは行き過ぎな表現である」という見解を示しました。そこまで言うなら、どうすればいいのかと思う方もいると思います。おっしゃる通りです。他者に異を唱えるだけでは生産的でありません。今日は、私の思う「こうあって欲しいピンクリボンキャンペーン」についての記事です。

 そもそも私は、現在死亡原因の第一位である「がん」について、多くの人が関心を持ち、「こりゃ、なんとかしないといけないな」と思うきっかけになる、このようなmovementには大賛成です。しかし、せっかくのキャンペーンです。その目的と方法が正しくなければいけません。

 では、まず今回のピンクリボンキャンペーンの目的ですが、「乳がんでお亡くなりなる方や、悲しむ方をなくそう」というもの、すなわちこれを言い換えれば乳がんで亡くなる方を少なくしようと言うことだと思います。そのために、今回のキャンペーンのビジョンである「早期発見・早期診断・早期治療」がその目的を達成するものとして示されたものだと思います。更に、早期発見するためにはマンモグラフィー(乳がん検診)が有用で、オフィシャルHPにも「20代から50代以上までにマンモグラフィー(乳がん検診)を勧める表記」があるように、健康な女性にも検診を受けましょうと受け取れます。

 簡潔にまとめましょう。今回のキャンペーンのロジックですが、
(1)健康な多くの女性が乳がんに興味を持つ → (2)多くの健康な女性や乳房に異常を感じた女性がマンモグラフィー(検診)を受ける → (3)早期で発見される乳がんの方が増える → (4)乳がんの治療成績が改善する → (5)乳がんの死亡率が下がる → (6)乳がんでお亡くなりになる方や、悲しむ方が少なくなる。
というものだと思います。これは、私の理解ですので、間違いがあるのであればご指摘下さい。

 (6)の目標を達成するために、(1)は重要で間違いではありません。しかし、(2)以降については、昨日の記事を読んで頂ければわかりますが、現時点では(将来はわかりません)、証明されていませんし、大々的なキャンペーンをはって得られる結果、すなわち乳がんでお亡くなりになる方や、悲しむ方が少なくなる(乳癌死亡率が下がる)が達成できる可能性は低いと思われます(この記事を初めて読まれる方は、昨日の記事を、まずお読み下さい)。

 ではどうすれば良いのでしょうか?結論から申し上げれば、今現在、乳がんと闘っている方、あるいは診断され治療を始める方、すなわち乳がんの患者さんにフォーカスする事です。私自身の感想を言えば、今回のキャンペーンの「早期発見・早期診断・早期治療」は、今健康な女性へのメッセージであり、得られる結果は将来を想定しています。それでは、今まさに乳がんと闘っている方へ、このキャンペーンはどのようなプランを持っているのだろうかと思います。

 多くの乳がん患者さんのブログを見れば、多くの患者さんが、このキャンペーンに賛同し、将来自分と同じような悲しみや辛さがなくなるようにと願っておられますし、実際にボランティアとして協力されている方もいます。今、ご自身は大変困難な状況にあるかも知れない中、とても素晴らしい事だと思います。しかし、このキャンペーンでは、患者さんが実質的に得られる利益はほとんど何もないというのが、本当のところです。このキャンペーンの構図を考えてみましょう。将来の乳がんになる可能性のある健康な女性のために、今現在乳がんと闘っている方がこれをサポートしているというものです(もちろん健康な女性もサポートしていることは知っています)。

 では、参考までに米国ではどうなっているかを紹介しましょう。あくまでもサンプルですが、これは私も強く賛同するツール・ド・フランス7連覇を達成したランス・アームストロングが設立したLance Armstrong Foundation(ランス・アームストロング基金)です。これは、イエロー・リストバンドと言えばお分かりになる方も多いと思います。

 ランス・アームストロングをご存知ない方は、彼の記事をアップしていますので参照頂ければ嬉しいのですが、彼自身も精巣(睾丸)腫瘍を経験し、その後この基金を設立しています。この基金では様々な活動やキャンペーンを実施しており、その代表的なものがイエロー・リストバンドで、これらの収益は、この基金の活動の資金となっており、更に年に一度ランスと、多くの患者さんやボランティアが全米を自転車で走破するというイベントを実施し、多くの募金が集められている一大キャンペーンも実施しています。

 ここで、この基金のHPのTopにある、この基金の目的(ピンクリボンキャンペーンのビジョンにあたるもの)を紹介しましょう。

The Lance Armstrong Foundation (LAF) believes that in the battle with cancer, unity is strength, knowledge is power and attitude is everything. Founded in 1997 by cancer survivor and champion cyclist, Lance Armstrong, the LAF provides the practical information and tools people living with cancer need to live strong.

「ランス・アームストロング基金は、がんとの闘いにおいて、調和(多くの人々の協力)は強さであり、知識(がんに関する)は力であり、そしてその姿勢(多くの人が臨む)が全てであると信じています。ツール・ド・フランスの覇者ランス・アームストロングにより1997年に設立された本基金は、今まさにがんとともに強く生きる必要がある人々に、実用的な情報とその方法を提供します」。

 もうおわかりですよね。発想が逆なわけです。今まさにがんと闘う人のために、今健康な人々が、何かできないかというのが、この基金なのです。実はこれは、将来がんになる患者さん、そうです、今健康な我々にとっても重要なことなのです。

 では、ランス・アームストロング基金は何に使われているかを紹介しましょう。これががんの死亡率を軽減させる有効な方法で、しかも現在がんと闘う人への解決にもつながるという明確なビジョンを持っています。

(1)がんの治療に関する研究への助成
これは全く日本と同じで、米国でもがん研究を行う公的機関(NCI・CDCなど)への国家予算は、減少傾向で、これらの研究の遅れは有効な治療法の開発が遠のくという意味です。これらが、これまで通り継続できるよう重要な研究(臨床試験を含む)に対する資金を提供しています。とは言っても米国のがんの臨床試験にかける予算は、日本の80倍とも言われており、更にこのような民間の予算も加わるわけです。

(2)最新で最も有効な治療が提供されるシステム構築
 がん治療においては日本のはるか先を行く米国(標準的治療の普及、ガイドラインの策定とその遵守率は日本のはるか先という意味です)ですが、それでも全ての患者さんが最新で最も有効な治療へたどり着けるわけではありません。これをサポートするために使用されます。

(3)がん患者さんへの経済的な援助
 この国民皆保険の日本でも、がん患者さんが直面する経済的な問題は生じてきています。米国ではなおさらです。更に、保険で承認されていない期待される新薬があったとしても、高額で使用する事ができない場合があります。これらの援助に使用されます。

 ランス・アームストロング基金をサンプルとしました。それで「乳がん(がん)でお亡くなりなる方や、悲しむ方をなくそう」という目的は達成できるの?と思う方もおられるかもしれません。多分、多くのがんの患者さん、今治療を受けている患者さんは、この説明だけでその目的は達成できる、あるいは「早期発見・早期診断・早期治療」、「多くの健康な女性が定期的にマンモグラフィーを受ける」というものよりは、成果があるだろうと理解できると思います。

 もう一度、まとめますよ、今現在多くの健康な女性がマンモグラフィーを定期的に受ける事により、早期に乳がんを発見したとしても、現在の乳がんの死亡率を大きく変える事はできない、あるいはできたとしても大変小さいというのが、これまでの研究の結果に対する理解です。また、多くの女性がマンモグラフィーを受けたとしても、乳がんになる患者さんの数は変える事はできません(逆に乳がんの患者さんを増やします)。

 では、どうすればよいかというのが、ランス・アームストロング基金の活動が答えになるわけです。その活動がなぜ「乳がん(がん)でお亡くなりなる方や、悲しむ方をなくそう」という目的を達成できるかは、ひとつずつ説明が必要で、それについては第三弾で詳しく紹介しますが、一つだけサンプルを紹介しましょう。

 今、日本では例え同じ状況の乳がん(これは若干の説明が必要ですが、何も治療しない場合、ほとんど予後:生存期間が同じであろうという事)であっても、その治療法のバラツキは施設・医師によって、もの凄い幅があります。最新の治療を提供する医師もいれば、何年も前の治療をする医師、はてはそんな治療やってもいいのという医師まで、このバラツキは凄いものです。今、米国ではほとんどの疾患で過去の研究を元に、現在最も期待できる治療法がガイドライン化され(もちろんこれらは新たな臨床試験の結果で更新されます)、その遵守率がその施設・医師の評価の目安になっています。

 そうです。今、乳がんと闘う患者さん、これから治療を受ける患者さん、これから乳がんと診断される患者さんの多くが、一定の評価を受けた治療法にたどり着く事で、日本の乳がんの治療成績はかなり改善される、すなわち健康な女性が定期的にマンモグラフィーを受ける事により死亡率を改善する率をはるかに凌ぐと想定されます。

 世の中、これは絶対というものはありません。私自身も、これは絶対だとも思いません。しかし、ここ何日かにわたり論議されているこの問題に関して、私はどうも解せないと思っていたのは、せっかくのmovement、キャンペーンです、是非、今乳がんと闘う女性のためのものでもあって欲しいと思うのです。

To be continued……

閉じる コメント(4)

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私のブログの趣旨をよくご理解いただいているようで、大変ありがとうございます。ピンクリボンキャンペーンが単なる検診推奨キャンペーンに堕す事のないよう、今後も意見していきたいと思います。少々過激ですが、ピンクリボンの公式ブログにも公開質問しました。あわせてご覧ください。http://blogs.yahoo.co.jp/pinkribbon_fes/MYBLOG/yblog.html#15352805

2005/11/6(日) 午前 8:47 [ 暗黒卿の弟子 ]

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はじめてお邪魔致します。こうした見解が下敷きの運動であれば可成りの成果を得られそうですが、どうしても或る傾向への単純化が無いと、影響力を持ちにくい現実があります。マンモグラフィーにはお書きのように被爆のリスクが在りますし、導入されている機材の精度のバラツキも大きいですね。やはりピンクリボンキャンペーンには一度振り返る事を望みたいですね。

2005/11/6(日) 午後 0:46 [ fou*wo*z* ]

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じゅんさん、コメントありがとうございます。ご挨拶遅れてごめんなさい。今回は、いろいろとお騒がせしたみたいですが、やっぱりご指摘のように、じっくり振り返る事も大事だと思います。

2005/11/14(月) 午後 7:09 [ try*2*live_*_u ]

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kosanさんとお二人が常識的な正論に思えるのですが、最近はどうも道理が引っ込む傾向が強そうですね(笑)。自分自身ではありませんが、癌とは浅からぬ縁があり、癌、他の難病の患者家族のピアカウンセリングのような事が必要と考えてはおりますが、現実には何も出来ません。自分の処でボチボチとのつもりはあるのですが。

2005/11/14(月) 午後 11:38 [ fou*wo*z* ]

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