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勉強熱心な乳がんの患者さんや、そのご家族はご存知かもしれませんが、先月乳がんに対して新しい薬剤が承認されました。承認と言っても、既に日本でこれまで胃がんや大腸がんで使用されていたTS-1(ティーエスワン)という5-FU系の経口抗がん剤(飲み薬)が、新たに乳がんの適応症を追加したというのが正確な表現です。 日本では、既に胃癌、結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌に適応症を有しています。適応症があるということは、保健診療が可能ということです。この薬剤は、広く胃がんの患者さんで使用されており、胃がんの患者さんにとってはなじみの深い薬剤だと思います。 今回、乳がんに対してこの薬剤が保健上使用できるようになったのですが、全ての乳がんの患者さんに使用できるというわけではなく、「手術不能または再発乳癌」という表記が添付文書に記載されています。 更に、使用上の注意事項としては、 (1)術前・術後補助化学療法として、本剤の有効性及び安全性は確立していない。 (2)本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の増悪若しくは再発例を対象とすること。 (3)初回化学療法における本剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用療法に関して、有効性及び安全性は確立していない。 という表記があります。 これは何を意味するかというと、新たに承認されたからといって、手術前後の患者さんの補助療法で現在の標準治療と同じ、あるいはそれを超える事が証明されていない。再発した患者さんいおいても、既に多数の報告のあるアントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤(アドリアマイシン・エピルビシンなど)やタキサン系抗悪性腫瘍剤(タキソール・タキソテールなど)より先に使用してよいかどうかのデータがない。更に、時に併用療法(例:AC、EC、ATなど)が行われますが、未だこの薬とその他の薬剤の併用療法のデータが十分でない。ということです。 すなわち、今回の承認の意味は、乳がんの患者さんにとって一つのオプションが追加されたという意味ですが、これまでに確立された標準治療などを、スキップしてまで使用する段階にはないということだと思います。これをよく理解するには、このブログにもアップしています臨床試験に関する記事をお読み頂ければよくわかると思います。 ちなみに、販売元は大鵬薬品、http://www.taiho.co.jp/index.htmlです。詳細な情報は、このHPで確認できます。
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ども。また、胃癌の時みたいに、TS-1+DTX, TS-1+CDDP, TS-1+PTXなど、どんどんやっちゃうんでしょうね。新しい適応の薬と容量アップ、乳癌の化学療法ははてしない。。。。でも、結局、全ての癌細胞を駆逐できる薬剤はないのかもしれない。。。。血液疾患のように。。。
2005/12/16(金) 午後 10:35 [ kt0*041* ]
ご無沙汰しています。承認薬のこと知りませんでした。早速再発の友人に知らせます。私もいつかは乳がんで死ぬと思っていますが、(乳がんが治っても何かで死ぬわけですから。)情報として大変ありがたいです。
2005/12/16(金) 午後 11:29
こんにちは。今日病院へ行って、早速TS-1のことを先生に聞いてきました。私の記事にトラックバックさせて頂きました。よろしくお願いいたします。
2005/12/21(水) 午後 5:02
私は今はじめて知りました EBMのデータがそろってないにしろ選択の幅が広がったのは幸いです 今はハーセプチンのみで落ち着いてますがこの薬が効かなくなったら・・と思うと恐ろしいので こういう情報は嬉しく思います
2006/3/26(日) 午後 10:17 [ あかね ]