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癌治療ガイドライン

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現在日本には、がん診療ガイドラインは、胃がん・乳がん・卵巣がん・肺がんの4つが出版されており、今後他の領域も増えていく予定です。ここでは、海外のガイドラインなども紹介していく予定です。
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 婦人科癌には大きく「卵巣がん」、「子宮頸癌(けいがん)」、「子宮体癌(たいがん)」があり、卵巣がんについては2004年版のガイドラインが、日本婦人科腫瘍学会より出版されています。

 ところで、卵巣がんについては、既にガイドラインが出版され、またその治療方法も海外とほぼ同様のもので、その実施率や遵守率もかなり高いものと思われます。しかし、こと子宮がん(頸がん・体がん)については、手術の適応や手技、放射線治療の考え方の違い、抗がん剤治療のデータが十分でないなどの事もあり、未だガイドラインが出版されるに至っていません。

 今回、このような現状もふまえ、これまで随分議論がなされ、本年の学術集会においてもプログラムに組み込まれ、ようやく完成・出版が期待できるような状況になっているようです。恐らくは来年中には出版されるものと期待されています。

サイドにも表示していますが、「EBMの手法による肺癌診療ガイドライン〈2005年版〉」が出版されました。2003年版からの2年ぶりの更新です。
 
 肺癌診療ガイドラインは、2003年版においても、他の疾患に比べページ数も多くかなりしっかりと編集されていましたが、今回も科学的根拠に基づく充実した内容になっています。11月に千葉で開催された肺癌学会学術集会でも販売されていました。しかし、患者さん向けではないので、専門用語も含まれており解釈には少し勉強が必要です。

 ところで主な改訂点ですが、患者さんの治療成績に大きく関係するところでは、Stage Ib-IIIaの完全切除例(手術で目に見えるがんは全て取りきれた患者さん)に対する化学療法(抗がん剤による治療)の位置づけがあります。

 2003年版では、推奨グレードCで「患者さんに推奨するだけの根拠が明確でない」との表記でしたが、今回の2005年版では推奨グレードBで「患者さんに行うよう勧められる」という表記となりました。ちなみに、推奨グレードAとは、「行うよう強く薦められる」、推奨グレードDは「行わないよう勧められる」というものです。

 2003年以降、この対象の患者さんに対する手術後の抗がん剤治療の有用性を検討する臨床試験の結果が複数報告され、それらの多くの報告が、手術単独の患者さんに比べ、再発までの期間を延長したり、全生存期間を延長したと報告されました。これには日本からの報告も含まれています。

 実は、この推奨グレードに関しては、AにするかBにするかで、随分議論がなされたようです。もちろん海外のガイドラインにも一様に、この対象の患者さんに対する手術後の抗がん剤治療の追加は妥当であり勧められるという表記になっています。

 したがって、今後はその施設や医師の経験や信念の違いはあれど(今までは実施していなかったかもしれませんが)、患者さんにはこの情報が伝えられ、患者さん自身が、そのベネフィット(有用性:再発・死亡リスクの軽減)とリスク(危険性:抗がん剤による有害な事象)を考慮され決定されるべき時代になったと思われます。

 使用されるべき抗がん剤や治療法はいくつかありますが、これらについても各々の報告によりその成績、毒性のプロファイルの違いなどがありますので、医師からの説明を受け、患者さんが十分に吟味し決定されるものと思われます。

 ところで、現時点の日本でのこの対象に対する手術後の抗がん剤治療の実施率(ガイドラインの遵守率)ですが、感覚的なものですが、十分とは言えないのが現状だろうと思います。都市部の大学病院や基幹病院でも実施していない施設は結構な数ではないかと思います。これが、患者さんに説明され実施されていないのであれば良いのですが、情報が伝えられず実施していない施設もあるのではと危惧されます。

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乳房温存ガイドライン

 新しいガイドラインの紹介です。2005年10月20日に、第一版第一刷の以下のガイドラインが発刊されています。

 ・乳房温存療法ガイドライン(医療者向け)
 ・患者さんのための乳房温存療法ガイドライン

 私は既に購入致しましたので、内容についてごくごく簡単に紹介します。

 患者さんようのものは、・画像診断、・温存手術の適応(どのような患者さんが対象となるか)、・手術の方法、・病理検査について、・放射線療法について、・化学療法、ホルモン療法について、・整容性とQOLについての項目となっています。

 化学療法・ホルモン療法の項目について確認しましたが、既に発刊されている乳癌診療ガイドラインと同様に、現在有効と考えられる治療が表記されています。是非、参考にされてはと思います。

 乳がんと診断されこれから治療を始める方々には、乳がん診療ガイドラインと共に、参照してもらいたいと思います。

 ガイドラインに関する日本の今後の問題点は、多くの患者さんが臨床試験に参加し、得られた結果を吟味し、多くの医療従事者の時間が費やされ構築されたガイドラインが、広く実施されるかどうかにかかっています。

 重要な点は、ガイドラインの遵守率であり、欧米ではガイドラインの遵守率が施設・医師の評価にもなっています。私見ではありますが、これらのガイドラインの策定のメンバーとなっている施設・医師には、是非これらのガイドラインに記載されている治療法を広く患者さんに提供して頂きたいと思います。

 最近、新着記事をあまりアップできておりませんでしたが、沢山の患者さんが公開しているブログにはお邪魔し、記事を興味深く読ませて頂いておりました。

 このブログは、できるだけ冷静に、特定の施設や、医師や、治療法についてはあまり言及してきませんでした。しかし、沢山の患者さんのブログを読ませて頂き、なんでその状態の患者さんに、その抗がん剤(治療)をしているのか、理解に苦しむ事例が沢山ある事に驚いているとともに、この記事を読む医師の方々や、患者さんにも今一度治療(特に抗がん剤)について考えてもらいたいと思い、ちょっと刺激的になるかもしれませんが記事にします。

 実は、そのような記事を見た時には、コメントをいれようかどうか本当に悩みます。実際には一度もコメントを入れた事はありませんが。例え間違いの可能性が高い治療が行われていても(あるいは治療がされていなくても)、聞かれてもいない事にコメントし、主治医と患者さんの関係を考えると、とても複雑な気持ちになります。

 このブログでも紹介してきたように、今や医師一人一人の経験に基づく医療ではなく、科学的根拠に基づく医療(すなわち臨床試験、特に無作為化比較試験の結果)というのが大前提です。確かに手術などの治療については、術者の経験やスキルに差が生じる事はあると思いますが、薬物療法は一人一人の医師の経験が、臨床試験の結果を覆す事はできないのです。

 具体例をあげましょう。これに該当する患者さんがいるかもしれません。その方々にはあまり心地よくない記事かもしれません。しかし、その治療を実施している医師は何らかの信念や根拠があり実施しているかもしれませんし、また医師と患者さんが合意の上でのものかもしれません。その点についてまで言及する気持ちはありませんので、まずはご理解下さい。

 例えば、今シリーズでも紹介した乳がんの術後補助化学療法についての事例を考えたいと思います。もちろん特定の個人を指すものではありませんが、同じカテゴリーにある患者さんの記事を参考にしています。

 35歳の女性で手術後、腫瘍径3cm、ホルモンレセプター(+)、リンパ節転移が4個、Her2(-)という情報を主治医から得たとします。もし、この情報から想定しうる術後の治療は何でしょうか?私が見た記事での主治医は、経口5-Fu系薬剤単独の治療というものでした。実際にこのような医師がいると言う事は、話には聞いていましたしが、実際にこのような記事を見た事に対しては少なからずショックを受けました。

 結論から言えば、過去の複数(それも膨大な患者さん)の臨床試験の結果や、メタアナリシス(それらの試験を統合し解析した結果)、それらに基づく各種ガイドライン、またはコンセンサスレポートのどこにも、この上記の条件の患者さんに経口5-Fu系薬剤単独の治療というものはありません。

 これは俗に「エビデンス(根拠)がない」と言われます。上記の条件の他に、その患者さんには経口5-Fu系薬剤単独の治療しかだめな理由があったのかもしれません。しかし、どうしても経口5-Fu系薬剤単独の治療でなければならないという理由はないのですが、その他の要因(患者さんが強く希望するなど)があったのかもしれません。これはわかりません。

 以下、私見も交えます。「エビデンス(根拠)がない」というのは、有用性がないというのではありませんが、過去にその有用性を認めた臨床試験がない、あるいは今進行中(試験中)であるということです。もし、私がこの対象の患者なら、まずは既にその有用性が認められた治療を示して貰いたいですし、その治療を受けたいと思います。

 この患者さんが、この条件下での考えられるエビデンスを持った治療オプションをすべて示され、納得の上で、その有用性が認められていない経口5-Fu系薬剤単独であれば良いのですが、そうではないようです。

 各種教科書ガイドラインで言えば、35歳と若い事でこれ自体がリスクファクターとなります。また、リンパ節転移が(+)4個で、これもリスクファクターで、術後適切な化学療法が必要な事が常識的です。ホルモンレセプターは(+)なので、化学療法終了後Tamoxifenの5年間経口投与というのが加わるかと思います。更に最近では、Her2(+)であればHerceptinを加える事で、大きな再発リスクの軽減が複数の試験で証明されました(日本での手術後の使用という適応症はありません)。

 この事から、具体的な化学療法のレジメン(治療法)としては、まずアンスラサイクリンベースの治療(AC/CAF/EC/FECなど)や、Taxaneを更に追加する(AC-T/TACなど)が考慮されると思われます。

 医師の中には、「何を生意気に」と思われる方もいるかもしれません。また、患者さんも不安になったという方もいるかもしれません。しかし、それらは本意ではありません。先にも述べた通り(過去の記事にもある通り)、患者さんに「現在最も期待される」最良の医療が提供される事、またそれらが医師から示される事が重要と考えています。医師にも患者さんにも、是非、ガイドライン、あるいはそれらに準ずるものをお読み頂けることをお願いしたいと思います。

 その他の???という事例はありましたが、上記に気になったものを例にあげました。もし、この記事への反論、あるいは上記の患者さんに対し経口5-Fu系薬剤単独が適切で最も好ましい治療であるとのお考えの医師/医療従事者の方がおられるようでしたら、是非コメント・ご批判下さい。

 今日は、これまでの記事と異なり、がんに取り組む(治療前・治療中・治療後)ためのガイドライン(抄訳)をご紹介したいと思います。まずは以下に、ガイドラインをお示しします。
1.「がん=死」と思い込まない。今日では、がん の多くが治癒可能である。また、がんによっては、新しい治療法が実用化されるまで、長い期間コントロールできるものもある。

2.自分のせいでがんになってしまったと思わない。がんを進行させてしまうような特殊な正確があるといったことは証明されていない。

3.情報を集めたり、人に話したり、気分を落ち着かせるために、過去に助けになった方法を、まず行う
。そしてそれらが役立たなかったら、助けを求める。

4.いつも前向きな考え方ができないからといって、自分を責める必要はない。どんな適応能力がある人でも、なかなかそうはいかないものである。しかし、それがひどくなるようであれば、援助を求めた方が よい。

5.自分にとって助けになるなら、支援団体や、自助グループのサポートを得るのもよい。それが経過に悪影響を及ぼすことはない。

6.こころの専門家に相談することをためらう必要はない。それは精神的に弱いということでなく、むしろ強さなのである。それが症状と治療を受け入れやすくしてくれることもある。

7.リラックス法や音楽といった、気持ちをうまくコントロールできるようになる方法を積極的に利用する。

8.何でも質問できて、互いに尊敬と信頼のできる ような医師を見つける。そして治療上のパートナーに
なってもらうことが重要である。そして、どんな副作用があり、それにどう対処するのかを尋ねる。

9.(がんという)悩みを、最も親しい、身近な人にまで秘密にしない。医師と治療について話し合うときに、その人に一緒に来て貰うとよい。ある調査によると、不安が強すぎるときは、しばしば、医師の説明を聞きもらし、理解しにくくなることがあるからである。

10.精神的、あるいは宗教的な拠り所をもう一度探り、過去にあなたを救ったことを実行してみる。それ
があなたを慰め、さらに病気を経験する意味を見いださせてくれるかもしれない。

11.治療を投げ出して、代替医療に走らない。代替医療に気持ちをひかれたら、まず、信頼できて客観的
に判断のできる人物と、その治療法の利益と危険について話し合ってみる。
 いかがでしょうか?私自身が思うのは、がんの適切な治療を受け身体的なケアーを受けることと同時に、その治療前後に必ず患者さんやそのご家族が直面する精神的な悩みをケアーすることも、車の両輪のように大事であると思います。

 いわゆるがんという病気に対する治療(これを身体的なケアとしましょう)は、日々進化を遂げており、これは少しずつですが改善の兆しを見せており、後はこのような正確な情報をいかに患者さんに広く普及させるかにかかっています。これは、これまでも紹介したように、日本での腫瘍内科医(Medical Oncologist)の養成、認定医制度、ガイドラインの整備、Co-Medicalまで含めたがん専門者の養成など医療側の変革と、患者さんやそのご家族のがん、がん治療に対する認識の変革を進めていく必要があります。

 このような反面、がん治療進歩やその普及は、がんという病気そのものに対する対処であって、がんという病気を抱える人やそのご家族の、心のケアー(精神的ケアー)まで十分な配慮がなされていないのが現状です。本ブログの趣旨である、標準的治療の啓蒙や普及という点においても上記の通り、大変難しく大変な変革が必要な上、精神的なケアーに対する変革には大変な努力と理解が必要です。しかし、これは同時に進めていかなくてはならないものです。

 残念なことですが、この領域でも日本は米国に遅れをとっています。心の問題にまでガイドラインという方もおられるかもしれません。確かにそういう指摘もあることは確かですが、上記の11のガイドラインのいくつかは大変示唆に富んだもので、いくつかは大変有益です。

 米国がこのような領域(これはサイコオンコロジーという領域で、今は腫瘍学の重要な一領域になっています)に力を入れだしたのは、先日のオンコロジーナースと同様に、約30〜40年前にもなります。ちょうど、種々の診断法の進歩や、抗がん剤の登場、臨床腫瘍学の進歩により、患者さんやそのご 家族の、身体的なケアー(治療)だけではなく、心(精神的)ケアーも同時に大変重要とのニーズから生じたものです。

 前述のガイドラインは、米国ニューヨークにある、がん治療の最先端でもあるメモリアル・スローン・ケタリング・キャンサー・センター(以後、MSKCC)の Dr.ホランドによるものです。MSKCCでは1970年代、その当時問題となっていた、がん性疼痛とがん患者の心の問題に着目し、それぞれの部門を立ち上げました。その活動は、以後のこの領域の牽引車となり、国際サイコオンコロジー学会設立までにつながりました。

 今、日本においてサイコオンコロジーを専門とする医師は、まだまだ少ないですが、少しずつ増えてきました。また、6月には横浜でサイコオンコロジー学会も、 米国のサイコオンコロジストを招いて開催されます。全ての患者さんが、このような医師の精神的ケアーを受けることのできる状況ではありませんし、米国が今 の状況になるには30年以上の時間が必要でした。しかし、今この問題に直面している患者さんやそのご家族は、前述のガイドラインを知るだけでも、あるいは 主治医や医療従事者にわかって貰えるだけで、ずいぶんと状況は変わるのではないでしょうか?

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