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 サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS:San Antonio Breast Cancer Symposium http://www.sabcs.org/Index.asp)について紹介します。

 これは毎年年末に米国のサンアントニオで開催される乳がんだけを対象としたシンポジウムで、今年はまさに今(12月8日〜11日)開催されています。米国を中心に全世界から、多くの乳がん専門医が参加し、日本からも乳がんの専門医が参加しています。本ブログでいつも適切なコメントを頂いているふみさんも参加されているはずです。

 このシンポジウムの特徴というと、乳がんにおける最新の診断・治療の発表がなされる点で、抗がん剤治療について言えば、今年もいくつかの重要な発表がなされました。これらの発表をもとに、ガイドラインや標準治療が変わっていくわけです。今では日本の医師にもおなじみとなったASCO(Amrican Society Clinical Oncology)は、全がん種の学会であるのに対し、こちらは乳がんだけに特化したもので、このシンポジウムで中間成績を発表し、ASCOで最終解析結果を発表する事などもあります。

 ところで、日本の医師や患者さんにもその認知が広まってきたザンクト・ガーレンとどう違うかと思うかもしれませんが、まずザンクトはヨーロッパ主導であるのに対し、SABCSは米国主導であると言う事があります。また、開催形式と目的も異なり、ザンクトは治療に対するコンセンサス会議であるのに対し、SABCSは学会発表形式が主体で、より最新の試験結果などの発表の場となっています。

 ちなみに、英文ではありますが、今年のSABCSの発表の内容(抄録;すなわちサマリー要点)は、HPからOn Lineで閲覧可能となっていますので、是非ご覧になってはいかがですか?重要な発表については、ふみさんの助言を貰いながらアップしていきたいと思います。

 福島先生の基調講演、平岩医師とゲストとの対談に続き、医師、患者さん、厚生労働省の方、医療コーディネーター、がん患者さん団体の方などによるディスカッションが、会場からのコメントなども織りまぜなが長時間にわたり続けられました。

 このセッションの全てについて、ご紹介はできませんが、印象に残り更にプレスにも報道された点について紹介します。それは、がん治療(抗がん剤治療)の地域間格差という問題でした。これは、あらゆる意味での地域間格差です。国民皆保険の前提でいえば、日本国民はどこに住んでいようが、例えば同じがんで同じ進行度の患者さんであれば、大差ないコストで同様の治療が提供されることが保証されなければなりません。

 しかし、実体としては、
・地域によって、がん専門病院(拠点病院)の数に差がある。
・がんセンターのない都道府県がある。
・臨床腫瘍医の数にばらつきがある。
・提供される医療の質にばらつきがある。
などなど多くの指摘がなされました。また、これはいわゆる地方だけの問題ではなく、都市部(東京)においても存在するとの指摘を受けていました。

 実際に、このような指摘は大きくはずれてはいないものであると思います。更に、一昨日記事にしたなんと80%もの患者さんが、今のがん治療に満足していないという報道(満足しているはたった1%)は、これらの患者さんの意見が反映されたものと思われます。

 恐らく、様々なサービスを提供する業界・業種がありますが、医療をサービス、患者さんを顧客とすれば(厳密には医療において自由競争には種々の規制があることは事実ですが)、顧客満足度が1%というサービスは考えられない業態ではないかと思います。すなわち、これは何を意味するかというと、もうこれは医療に従事する医師や、その他医療従事者、個々では解決できない、システム上の問題と言わざるを得ないということです。

 米国との比較を例にとれば、国ががん治療にかける年間の予算は、日本は米国の80分の1で、人口比率換算すると約40分の1位になるのでしょうか?お金が全てとはいいませんが、少なくとも米国のがん患者さんは、国家により日本の40倍のコストが投じられたがん医療を受けていることとなります。このコストは、新薬の臨床試験へのサポート、臨床試験グループとそれらに関わる医療従事者への援助、患者さんへの情報提供システムの構築・維持などなどです。

 日本の医師を擁護するわけではありませんが、がん治療を真剣にやろうとすると、本当に大変なのです。国家からの公的なサポートがないということは、大変厳しい環境の中で時には自分の時間を削り、金銭的なサポートも期待せず、ほとんどボランティアで仕事に当たらなければならない状況にもあり、真面目で患者さん思いの医師程、とても辛い状況にあり、がん患者さんのQOLをあげるために、自らのQOLを下げるといった場面も多々あるのです。

 確かに、このような現状を鑑みるに、根本的な解決には国家レベル、政策レベルでの大きな改革なしに、患者さんが満足できるがん医療が提供される可能性は低いというのが感想で、実際にこの改革に向けて尽力されているNPOの方々、患者さん団体もあり、本当にこれらの方々の努力に期待したいと思います。

 しかし、以下は私見です。このような改革は大変重要だと思いますが、今まさにがんと診断された方、今治療を受けている方には、この改革がなされるのを待つ時間的余裕などないと思います。また、いくらこのような問題が明らかになって、改革が加速したとしても、患者さんはまさに今最良の医療が受けたいのだと思います。これをどうすれば良いかについては、80%の患者さんが不満という状況はすぐには変わらないことを前提にすれば、満足のいく医師を探すか、満足のいく治療をして貰うようにするしかありません。これらに辿り着くには、やはり正確な情報入手しかありません。

 このセッションである患者さんがフロアーから発言しました。その方は、婦人科のがんで地元(広島)では、良質の治療を提供する施設・医師がいないため、四国の松山に通っているそうです。たしかに松山には四国がんセンターがあります。しかし、私が思った率直な感想は、四国がんセンターと同程度の治療を提供できる施設・医師は、私の知る範囲内では、確かに存在します。今、このような情報がどのように患者さんに知ってもらう事ができるか、難しい問題ですが、考えなければなりません。

 福島医師の基調講演に続き、平岩医師とゲストとの対談が行われました。

 この対談は、ゲストが、患者さんや患者さんのご家族としての、がん治療、抗がん剤治療に関する素朴な疑問を投げかける形で進められました。対談の内容は、多岐に及びましたが、私が重要と感じたのは下記の2点です。

 まず1点目は、日本には海外で有効性が認められているのも関わらず使用できない薬剤が沢山あるということです。これには2つの理由があります。

 1つ目の理由は、海外で承認・販売されているにも関わらず、日本では承認されておらず使用できない抗がん剤があるということです。最近認可されやっと使用できるようになった大腸がんに対するオキサリプラチンですが、これはこの5月に承認される前までは、近隣アジア諸国で使用できなかった国は、日本と北朝鮮くらいのものでした。最近の話題でいうと、大腸がんでその有用性が認められているAvastin(アバスチン)や、Erbitux(エルビタックス)といった薬剤は、これは日本では未だオフィシャルには使用する事ができません。

 もう1つの理由は、厚生労働省が定める適応症の壁です。これを簡単に説明すると、抗がん剤毎に適応症(適応疾患)が定められており、例えある抗がん剤が、適応症以外のがんで有効であり、海外で使用されていたとしても、これも医師はオフィシャルに使用できず、適応症外使用ということで、健康保険ではカバーできません。

 以上の点は、この後のディスカッションでも討議されますが、患者さんの要望は、海外の承認と日本の承認にタイムラグを無くすこと、適応症については柔軟に対応することなどが、患者さんからの要望として取り上げられていました。

 そして2点目ですが、がん治療(抗がん剤治療)を簡単にあきらめないということです。平岩医師については、その独自の視点や治療信念から、学会や腫瘍内科医の中での評価は様々ではありますが、多くの医師がさじを投げた患者さんの治療にあたり、少なからず成果を出しておられることは確かで、実際に全国から多くの患者さんが、平岩先生の治療を受けるために全国から平岩先生のもとに集まっています。平岩医師が言われていたのは、現在の日本のがん治療は、治すすための治療は大変な進歩があるが(手術成績は決して海外に劣りませんし、多くの領域では良い成績です)、根治できない、あるいは治せない患者さんへ対する治療については、遅れがあるとの指摘でした。まさに、この点はとても重要で、患者さんにとっては治癒の見込みがないと言われてからが勝負で、少しでも楽になり、少しでも長生きしたいと思うのは当然で、平岩医師はこれに真剣に取り組んでおり、前述した壁を何とか乗り越えようと、患者さんの理解と納得のもと、治療を進めています。ですから、平岩医師の治療は、言ってしまえば、これも患者さんの了解の下、未承認薬や適応症外使用も、視野にいれて治療をなされていると思われ、この会には厚生労働省の方も出席されていましたので、少しばつがわるそうにコメントされていました。

 平岩医師の話を聞いて、ある米国の臨床腫瘍内科医の話を思い出しました。基本的に彼らは、以前も記事にしたEBMに基づく治療には敬意を払い、ガイドラインなどにも忠実です。これは、国家予算で結果が出された国民の財産と情報であるという背景があります。しかし、実際の日常診療について考えればどうでしょう。例えば米国で最も死亡率が高い肺がん(非小細胞肺がん)についての例を紹介しましょう。

 まず、非小細胞肺がんの手術不能ステージIIIb、IVと診断された場合は、抗がん剤治療が初回治療となり、これらの患者さんに対する初回治療(ファーストライン化学療法といいます)、ガイドラインではプラチナ薬剤ベース(シスプラチン・カルボプラチン)の併用化学療法とされており、ほとんどの患者さんはこれで治療を受けます。これには、いくつも無作為化比較試験があり、どの治療法を選択するかは、いくつかの治療法から、患者さんの好みや毒性の観点から決定されるでしょう。しかし、この治療で奏功率(腫瘍縮小)という効果を得られる患者さんは30%〜40%で、半数近くの患者さんは、治療の変更が余儀無くされます。この後の二次治療(セカンドライン化学療法といいます)についてまでは、少ないながらもエビデンスと呼ばれるものはあります。

 重要なのは、この後なのです。この後は、米国の臨床医にとってもエビデンスのある治療はできませんが、患者さんの全身状態が良好であり、がんと戦ういう意志がある場合は、腫瘍内科医は患者さんとともに、考えられるオプションで最後まで闘おうと、まだチャレンジしていない薬剤や、新規薬剤の臨床試験などに臨みます。これらで助かる可能性はほとんどないとしても、確実に症状の改善や、病勢のコントロールができ、やり残した仕事、旅行、自宅での家族との時間を得るといったことができる患者さんもいるという事でした。平岩先生と鶴瓶さんの対談の中で、これに通じる患者さんの事例が紹介されました。もしかすると、多くの日本の医師は、もしかするとここまでの治療は行っていないかもしれません。

 福島先生のお話、平岩先生のお話と、日本にも闘う意志のある患者さんをサポートしていくすばらしい施設と医師がいることは確かですが、がん患者さん全員がこれらの医師にかかることは不可能です。腫瘍を専門とする医師や、このような治療方針を持つ医師が、日本には圧倒的に少ないのです。

 これらの問題点が、専門医の少なさに対する患者さんの不満、地域間の格差などの問題として、次のディスカッションへの問題提起となり、さまざまな立場の方から意見が述べられました。続きは、また。

 基調講演は、福島雅典教授(京都大学医学部附属病院探索医療センター検証部教授外来化学療法部長兼任)により「がん治療の現状と問題点」について、発表がありました。

 福島先生の専門は腫瘍内科学、臨床試験デザイン・管理・評価、薬剤疫学で、2003年4月より(財)先端医療振興財団 臨床研究情報センターの臨床試験運営部長併任を兼任しておられます。また、メルクマニュアル日本語版、米国国立がん研究所NCI最新がん情報データベースPDQの日本語版(がん情報サイト)、カレント・メディカル診断と治療日本語版監訳・監修などでご活躍されています。
 
 福島先生は、私が尊敬する医師のうちの一人で、もう10年以上前になるでしょうか、福島先生がまだ愛知県がんセンターにおられる頃の、NHKの特集番組で福島先生のご活躍を知りました。その番組では、米国でのがん治療、特に標準的治療をより広く普及させるためのNetによるがん情報サービスについて紹介されていました。これが、私のがん治療(化学療法)との出会いと言っても過言ではありません。

 もうその当時でも、米国の医師は、NCIが提供するこのデータベースにアクセスし、現在の標準的治療は何であるか、また患者さんも同じデータベースにアクセスし、私に対する標準的治療は何かなどの情報を得て、治療が行われつつあると紹介されていました。米国では、このデータベースの構築と維持に多大な投資を続け、国家の威信をかけた仕事と言われています。もう、その時代からNetでの迅速な情報提供と更新は必然で、紙ベースでの情報更新では、現在の進歩に追いつけないことは明らかで、私自身も科学的根拠の高い情報を、NCIのPDQで勉強してきました。

 このデータベースは大変すばらしく、重要な発表がすぐに反映されるよう定期的にアップデートされ、医療従事者にとっても、患者さんにとっても大変有用な情報源となっています。私自身もまずは、このデータベースにアクセスすることが最も重要であると思います。しかし、問題点は言語で、もちろん全てが英語であったいうことがあります。

 しかし、今では福島先生らの尽力より、今は全て日本語に訳されて、どんな方も閲覧できるようになっています。是非、一度ご覧になる事をお勧めします。日本語になった今でも、基本は医療用語が多用されていることもあり、患者さんにとっては難解な部分もあるとは思いますが、以前の事を思えば長足の進歩です。また、この中には日本で使用できない未承認薬や、日本で適応となっていない治療法もありますので、それらについてはご注意下さい。

 がん情報サイト日本語版のサイトは以下の通りです。
http://cancerinfo.tri-kobe.org/index.html

 取材報告になっていませんが、まずは福島先生のお仕事と、有用ながん情報入手サイトについてご紹介します。

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 大阪で開催された第1回がん患者大集会に参加してきました。これについては、恐らく1回では、その内容や感想をお伝えできないので、何回かに分けてお知らせします。今日はまずは、総括から。

 会場は12時30分からでしたが、1時前後にはもう既に長蛇の列ができており、全国から集まったがん患者さん、そのご家族、プレス、医療従事者、がん患者支援団体、行政の方々など大変な人でした。予定していた会場だけでは足りなかったようで、直接の会場でモニターを通じて参加される方も多くおられました。今回の大集会は第1回ということもあり、多くのボランティアなどで運営され、その参加方法(事前登録の方だけの参加)が周知徹底していなかったため、遠くから来られた方も入場できないという事もありましたが、これは今後継続的に開催を続けるためには、是非改善して欲しいと思う点でした。しかし、今回の運営に当られた方々、ボランティアの方々には、心より敬意を評したいと思います。

 会自体のプログラムは、
・実行委員会代表の三浦氏の挨拶
・京大:福島教授の基調講演
・特別対談:ゲスト×平岩医師
・ディスカッション「がん患者は主張する」
というものが、4時間にわたり続けられました。

 驚いたのが、平岩医師との対談のゲストが当日までに発表されておらず、いきなり笑福亭鶴瓶さんが出て来られたことです。ゲストと平岩医師は、ゲストのご家族ががんであったことから知り合い今でも交流があるとの事で、治療を諦めないという趣旨のもと対談が続けられました。

 各セッションの詳細については、また報告しますが、これに参加し改めて感じたことは、この会においても多くの問題が提起され討議されましたが、何よりも大事なのは、正しい情報(標準的治療は?、新薬は?海外で承認され日本で使用できない新薬は?どこが専門施設か?専門医師は?)を如何にして入手し、それをどのように効率的なものにするかといったことでした。会の最後には、この情報を集約する構想が決議の中で紹介されていました。この点については私も賛同しますが、今後はそのインフラの整備と、それに関わる実際の人材の育成も急がれると思いました。

 この記事の最後にお伝えしたいことは、この会には厚生労働大臣、その他の代議士も参加され、行政も大きな関心を寄せており、これに取り組む姿勢を見せていたことです。一朝一夕には、この現状は変りませんが、確実に変化を感じさせる一日ではありました。既に、第2回の構想も発表され、来年は同じ時期に東京で予定されているとのことでした。まずは、第一報です。

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