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癌医療の現況

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日本のがん医療の抱える問題、医師だけではなく、医療を取り巻く問題について取り上げていきます。
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がん治療の名医とは?

 タイトルと異なる記事になると思います。ある癌関係の掲示板を見ると、「○○癌の名医を教えて下さい」、「○○癌の名医を紹介して下さい」という質問があまりにも多い事に少し驚いているからです。

 多分、実際に沢山いるがんの医師の中には、相対的に名医と言われる人と、そうでない人の差はあるんだろうと思います。ちょっと考えればわかりますが、実際に仕事をしている方は、その職域において優秀な人、優秀でない人は確かにいますもんね。医療だけがそうでない訳がありません。手術の得意な医師、そうでない医師、もし同じ患者さんを手術しても結果が異なる可能性はないとはいえません。

 だからがんの治療を受け、最高の結果を出せるのは名医だけかというと、私自信はちょっと問題を提起したいと思います。

 例えで考えてみましょう。あなたはある舞台の主役です。その舞台を素晴らしいものとするために、あなた自身も沢山勉強し、努力する事は最低の条件です。その舞台の監督(ディレクター)も素晴らしい能力と才能の持ち主です。しかし、その舞台を本当に成功させるには、主役のあなたと、監督(ディレクター)だけでは成し遂げることができません。

 その舞台を成功させるためには、舞台までのいろいろな準備をするスタッフ、舞台の照明、音響、大道具、小道具、衣装、多数の脇役、数えればきりがありません。主役と監督以外の多くのスタッフそれぞれがその専門領域の素晴らしい仕事をしないかぎり、良い舞台はできないのです。

 がん治療も名医だけを探して、良い結果は得られないかもしれません。また、名医であっても、その実力と能力は、多くのスタッフのサポートがなければ発揮できないかもしれません。

 今まさに、がん医療においてはそれが問題とされており、これがチーム医療と言われています。がん患者さん(主役)が演じる舞台を素晴らしいものとするために、医師(ディレクター)は、多くのスタッフ(関連する病理医・外科医・内科医・放射線医他、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、臨床心理士、理学療法士、検査技師、栄養士などあげればきりがありません)の協力を得て、それぞれの専門領域で素晴らしい仕事をして、チームでその舞台を成功させる事が必要なのです。

 今後益チーム医療の重要性がましてくる事は間違いありません。しかし現実には、医療における癌の舞台には、看護師・薬剤師他があまり関わってこなかったこともあり、問題がないとはいえず、患者さんが名ディレクター(名医)だけを探す気持ちもわからないではありません。

 しかし、今急激にこの領域が変わろうしていますし、実際に変わったところもあります。また、このようなmovementを起すのは、これからは患者さんやご家族、そして世論であると思います。そのためには、主役であるあなたも、最高の主役になるための勉強と努力も必要なのです。

 日本のがん医療(抗癌剤)の問題点のNo.2です。一番初めの記事では、(1)未承認薬の問題、(2)適応症の問題、(3)標準的化学療法(抗がん剤治療)が提供されていないこと、に論点を絞り、問題を提起しました。

 その中でも(3)の問題が、最も重要で、解決にはしばらく時間を要すると指摘しました。というのも、(1)、(2)の問題は、現在解決に向けて進んでいますし、これは言ってしまえば手続き上の問題で、解決しようと思えば、今すぐにでも可能なわけです。

 しかしながら、(3)の問題は、(1)、(2)が解決し、米国やその他の国々と同じように、全ての抗がん剤が使用可能となっても、それらを使用するインフラの整備や、使用する側(医師・看護師・薬剤師など)の体制が整っていません。 

 この日本で標準治療を受ける事が、そう簡単ではないことは、以前NHKで放映された特集番組でもわかります。その中で、国立がんセンター東病院の向井医師(主に乳腺の薬物療法が専門です)は、向井医師を訪れるセカンドオピニオンや、他院で治療を受けた約40%の患者さんは、標準的ではない治療が実施されていたと述べています。これは、標準治療薬が、使えるという状況においてです。

 私の実感としても、現在日本で使用できる薬剤だけに限定しても、日本のガイドライン、NCIが提供するPDQ、NCCNのガイドラインに合致する治療は、必ずしも全国どこの病院でも提供されているとは言い難いと思われます。しかしながら、現在の日本では、特定の疾患に対して、どこの施設で、どの医師が、どのような治療を提供しているかの情報はありません。この文章だけでガイドラインは絶対とは思っておりませんので、誤解なきようお願いします。

 私見ではありますが、特段の問題がないのであれば、ほとんどの患者さんは、現在考えられる最良のガイドラインなどに則った治療が提供されると同時に、これに則った治療が提供されないのであれば、提供できない理由が患者さんに説明されるような状況が必要だと考えています。これがこのブログの目的でありますし、私自身の理想とするがん医療(抗がん剤治療)のスタンスです。もちろん異論もある事承知しています。

 しかし、最近Netでの「がん」、「抗がん剤」などの情報を収集する事が多くなって、標準治療が提供されていないという問題と同時に、もう一つの問題が患者さんを混乱させているのだろうと思い始めました。具体的に言えば、不適切ながん治療法、健康食品、民間療法の情報があまりにも多いことです。これまであまり注意していませんでしたが、これは確かに患者さんを混乱に陥れます。

 以前、私のブログの記事に、民間療法のTBがなされましたが、それらのブログを拝見すると明らかに薬事法違反と思われる記事がアップされていました。綿密に計画され、厳密なルールの元に実施された臨床試験を経た医薬品でないもの以外は、何らかの疾患と治療効果が示唆されるような表現を使用できません。ですから「食品○○で、がんが治った」とは表現できないわけです。

 これら健康食品や民間療法の記事、紹介の矛盾点は、いとも簡単に指摘できますが、わらをも掴む心境である患者さんには、それらがマスクされてしまいます。何度も申し上げますが、これら健康食品・民間療法への私のスタンスはニュートラルなものでありたいとは思いますが、必ずリスクとベネフィット、そしてそれに見合うコストを考える事をお勧めします。その後、それを試すかどうかは、自己責任です。

 しかし、全てとはいいませんが、これらの食品・民間療法を紹介するHP、ブログ、様々な宣伝に含まれる、ルールを超えた表現(薬事法)、過大な表現、虚偽に基づく表現などなどには、十分留意される方が良いと思います。

 壮大なテーマを掲げてしまいましたが、これらは既に各種がんの患者さん団体や、がん患者サポート団体の方々も指摘するところで、昨日今日指摘されていることではないのですが、私見を交えてもう一度考えてみようと思います。

 細かい問題を挙げれば、それこそいくつも挙がってくるわけですが、患者さんや患者さんのご家族に視点をおけば、大きく下記の3つの問題があります。

(1)海外でその有用性が認められた抗がん剤が使用できない(いわゆる未承認薬の問題)

(2)海外でその有用性が認められ、日本においては承認を受けてはいる抗癌剤ではあるが、特定のがんにしか使用できない(いわゆる適応症・用法用量の問題)

(3)海外でその有用性が認められた抗がん剤や治療法が、日本においてすべて承認を受けているものの、日常臨床として提供されていない(いわゆるEBM・標準的治療・ガイドライン普及の問題)

 異なる視点・立場か見れば、異なった問題点の設定もあるとは思いますが、この問題点の解決はちょうど長期・中期・短期的な戦略を持って取り組める問題点設定であると思っています。それぞれの問題に対して、患者さん団体、患者さんサポート団体、その他多くの方々が、それぞれの立場で取り組んでいます。

 (1)の問題を解決するには、海外で承認された有用な薬剤が速やかに日本でも使用できるための薬事法の改正を含めた法整備まで必要となり、様々な手続きを踏む必要があり、その解決には時間を要する事が予想されます。
 最近の事例では、世界的には大腸がんの標準的治療薬として広く使用されていたオキサリプラチンの例があります。実際には、この5月には、日本においても承認されたのですが、もちろんほとんどの先進国では使用可能でしたし、承認以前アジアの中でこの薬剤が使用できなかったのは、モンゴルと、北朝鮮と、日本という信じられない状況でした。

 (2)の問題については、患者さん団体、患者さんサポート団体の国や学会への働きかけがあり、ここ1〜2年で随分状況は好転してきました。具体例をあげれば、以前テレビのニュースでも見たのですが、膀胱がんにおける世界的標準的治療にM-VACという4剤併用療法があるのですが、この中には膀胱癌に承認(適応症)がない抗がん剤が含まれていました。この事から、地域によっては保険がカットされる、あるいは医療機関で使用できないという事例が報じられていました。
 実際に、この日本で自分に対し有効な治療法があるにも関わらず、適応症がないという理由で、この治療を受けられない患者さんはたまったものではありませんし、また有効な治療をこの問題で提供できない医師や医療機関も大変な不都合を感じていました。これらの問題は、患者さん団体、患者さんサポート団体の強い働きかけや、報道に応じて、現在では膀胱がんを始め、いくつかのがんで同様な処置が取られました。

 さて最後の(3)の問題ですが、個人的にはこれが一番の問題と考えています。なぜかというと、これは医療(治療法)を提供する側が、日々更新される各領域、各疾患、各進行病期の最良の治療法をキャッチアップすることで、今すぐに広く患者さんに提供できるからです。しかし、これには抗がん剤治療を決定する医師だけで解決できる事ではなく、抗がん剤治療を取りまく環境の整備も必要です。例えば、固形がんを例に取れば、ここ最近の欧米での大腸がんの治療成績の改善は目覚しい進歩があり、この背景にはいくつもの重要で有用な新規抗がん剤の登場があります。しかし、これらの抗がん剤や、その併用療法が患者さんにと投与されるには、医師の適切な用量の設定や、看護師さんを含めた副作用管理、薬剤師さんによるスケジュールのチェック、チームで取り組む事が不可欠です。

 残念ながら、これまでの記事にもあるように、医療に従事するあらゆる職種で、標準的化学療法(抗がん剤療法)が、患者さんに提供されるにはまだまだ不十分な状況と言わざるを得ません。しかし、この現状を嘆いても変わるものではありません。患者さんが最良の医療にたどり着くには、患者さん(消費者)として、情報を収集し最良の医療にたどり着く努力をするしかありません。

 上記の問題点、特に(3)の問題にフォーカスし、今後も、このブログでは、賢い患者さん(消費者)となるための情報を提供して参ります。

 過去の記事で、がん専門看護師(米国ではOncology Nurse)についてまとめました。また、先日はすみれさんのブログでも紹介されているテレビドラマが放映され、この職種について多くの方が興味を持たれ、感動をよんだと思います。詳しくは、私の記事よりすみれさんのブログ・記事で御覧下さい。

すみれさんのブログ
[http://blogs.yahoo.co.jp/notting_hill73]

がん専門看護師さんの記事
[http://blogs.yahoo.co.jp/notting_hill73/2064341.html]

 ということで、がんの医療に欠かせないのは、がん専門の医師や、看護師に加え、薬剤師という職種を忘れることはできません。この記事では、がん治療先進国である米国のがん専門薬剤師について紹介したいと思います。

 実は、私自身は、米国における薬剤師さんのがん専門の認定制度等については詳しくないので、これは今後調べてみたいと思いますが、以下の記事は私が見聞した米国のがんセンターでの薬剤師さんの現況をご紹介したいと思います。

 そもそも病院薬剤師さんの仕事は、どのようなものがあるかは、私が説明するよりも現役の薬剤師さんの記事が参考になるので、sinyaさんの記事を見て頂きたいと思います。
[http://blogs.yahoo.co.jp/sinya510228/2350517.html]

 ところで、私が訪問したがんセンターでは、がん専門薬剤師は、基本的に外来化学療法室に隣接する調剤室(外来化学療法室と調剤室はつながっています)に常駐し、常に外来のOncology Nurseとのコミュニケーションができる状態にあり、更に外来化学療法室の反対側の部屋は、腫瘍内科医が常駐する部屋がありました。既に、以前の記事でも紹介しましたが、様々な理由はありますが、現実に米国では恐らく90%以上の患者さんが、外来で抗がん剤の治療を受けています。このような背景より、抗がん剤の治療を受ける患者さんは、外来化学療法室を中心に、がん化学療法をサポートする主役である腫瘍専門内科医、がん専門看護師、化学療法専門薬剤師に囲まれて治療を受けています。

 米国と日本の薬剤師の役割で、最も異なると感じた事、指摘された事は、sinyaさんの記事の中でも一番・二番に上げられている調剤業務や、注射調剤業務というものです。米国においては、調剤業務はがん専門薬剤師が行っておらず、いわゆる彼らが呼ぶところの「テクニシャン」という方がされておりました。

 それでは、彼ら・彼女らは何をしているかというと、彼らのがん専門薬剤師としての豊富な知識を背景に(実際、抗がん剤治療と抗がん剤自体については、医師・看護師・薬剤師は同程度の情報を有しています)、個々の患者さんの各治療(治療法の事をレジメンといいます)のチェック、投与量・投与経路・投与時間などの再チェックなどです。これは日常の臨床で処方される抗がん剤における仕事で、これらは日本の薬剤師さんもやられている仕事ですが、何しろ90%の患者さん外来で治療を受けますから、それは膨大な数です。

 更に、重要な仕事は未承認薬の開発試験などの、実施要項(これはプロトコールと呼ばれています)の管理や、実際の患者さんの適格性のチェックや、実際に投与されるにあたっては、医師・看護師への情報提供、患者さんへの専門的な説明も実施しています。

 また、これは病院によってそのルールやシステムは異なりますが、抗がん剤については医師と同様に大きな権限を持ちます。具体的には、抗がん剤で最も注意しなければならないのは、その投与量についてです。医師も人間ですから、抗がん剤の処方時に間違った用量を指定する場合がありますし、または確信犯的に高用量の指定をする場合があります。それを確認した薬剤師は、その処方をストップする事が可能で、問い合わせ後に(医師はこれに従います)適正な用量にし投与されます。また、後者の確信犯的投与量の変更については、事前申請・検討のないものは処方自体が取り消されます。

 したがって、抗がん剤の投与量やそのスケジュールについては、医師自体のチェック、薬剤師のチェック、投与する際の看護師のチェックと、すべて抗がん剤のそれぞれの職種によるトリプルチェックがなされます。前述したように、各施設によってこのルールは異なりますが、事故を未然に防ぐために、医師の処方の様式や方法も厳密に決められており、これに準拠しないものは、いくら医師がごねたとしても認められないシステムを構築しています。ここは、日本と違うところで、ここに賛同される薬剤師さんと看護師さんは多いと思います。医師の方は意識していなくとも、薬剤師さんや看護師さんは間違いを見つけても、指摘しにくい雰囲気があり、実際に間違いを指摘して逆ギレされたとの話も聞きました(これはレアケースかもしれませんが)。

 このような薬剤師さんの位置付けがどのように形成されたかは、よく分かりませんが、一つ言える事は、先日開催された米国臨床腫瘍学会などには、看護師さん同様に、多くのがん専門の薬剤師さんも参加しており、常に最新の抗がん剤治療について、医師と同じレベルでの情報を持つ努力をしているという点です。これは当然の事と言えば当然で、患者さんからして見れば、自分の治療(抗がん剤治療)に関わる医療従事者は、同じ情報を有するそれぞれの職種のプロフェッショナルと思っているからです。

 がん専門・認定看護師が動きだしたように、日本でもこの職種の必要性が叫ばれており、昨年がん化学療法の認定薬剤師の養成に関する報道がなされました。日本にも、個々には抗がん剤の知識が豊富な優秀な薬剤師さんが沢山おられますが、その認定や、組織としてその優秀な人材をシステマティックにどのように活躍して貰うかなどは、まだまだ未熟な段階です。

 しかし、先日のNHKの特集にもあったように医師の抗がん剤の専門医の必要性の指摘、先日のドラマでのがん専門看護師の話、そしてがん化学療法専門薬剤師への動きと報道、まずは問題点が明らかとなりそれぞれの職種で確実に前進しています。

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 ジェネリック医薬品についての説明は第一話
http://blogs.yahoo.co.jp/try_2_live_4_u/2642724.html
をお読み頂ければ、その概要はわかりますので、まずはそちらを参照頂ければ幸いです。今回は第二話として特に抗がん剤のジェネリックについて取り上げたいと思います。

 第一話でもご紹介した通り、今やジェネリック医薬品は、欧米・アジア諸国では当たり前のように使用されており、これは医療費の削減に貢献していることは間違いありません。現在、日本においても、もはや国策の一部としてジェネリックの推進が図られていますが、その他の国々と比べその普及率はまだまだです。

 この背景には、医療機関自体(特に、実際に薬剤を処方する医師)の抵抗や、一般にジェネリックの意義が普及していないこと、更には日本人のブランド志向なども影響しています。ところが、ここにきてちょっと違った様相を呈しています。

 というのも、医療機関の多くが赤字経営を強いられていること、更に国公立大学あるいは病院はこれまで潤沢な予算で医薬品を購入してきましたが、そうはいかなくなってきました。例をあげれば、昨年いくつかの国立病院は独立法人として名前を変え、その施設毎の独立採算で経営をしいられるようになりました。更に、一部の私立医大、大規模な私立病院も、この流れに乗じ、経営改善を図っています。

 経営改善の鍵は、これは簡単な事で、収入を増やし、支出を減らすことです。収入を増やすことは一夕一朝にはできませんので、まずは支出を減らすことに着目しました。支出を減らすには職員の削減等が最も効率が良いのですが、多くの病院は現在でさえマンパワー不足です。そのような事をすれば、サービスの低下、すなわち収入へも影響しますので、まずはてっとりばやく、同じ薬効をもちながらも、購入価が安いジェネリックへ移行するとの動きに出てきました。これは購入価が安いだけでなく、患者さんの負担も少なくなることから、患者さん(顧客)にも喜ばれるだろうとのロジックも影響しています。

 そこで、もう一度ジェネリック医薬品の定義と意義に戻りたいのですが、一定の特許期間が終了すれば、法的には一定の基準を満たせばどの企業も後発品(ジェネリック)を製造販売できます。しかし、病院・施設は、以下の点を留意しなければならないと思います。すなわち、特許期間を終了し、その期間内に広く使用され、その効果と安全性が十分に確立し、今後新たな医薬品情報が必要でないと考えられた医薬品については、ジェネリックの導入の意義は大変大きいということです。逆を言えば、特許期間は切れたものの、未だ検討される余地があり(適正な投与量あるいは投与スケジュールなど)、十分な安全性も確立しておらず、更に今後も医薬品情報が必要と考えられる医薬品については、ジェネリック導入には慎重であるべきだということです。

 前述したことで重要な点は、先発品企業は特許切れの製品についても、医療機関・医師・薬剤師・その他医療従事者への医薬品情報を提供するためにコストをかけており(MRと言われるマンパワーやその他学会等への投資などなど)、基本的には後発品(ジェネリック)メーカーは、効果と安全性が確立しているとの前提から、医薬品の情報提供にはコストをかけないか、かけても非常に少ない状況です。

 このような背景から、私見ではありますが、未だその効果と安全性が確立していない、更に未だ研究途上の抗癌剤については、いくら特許期間が切れ、ジェネリックが発売されていたとしても、その導入には慎重になるべきと考えています。

 具体例をあげれば、固形癌の治療のブレイクスルーの発端となったシスプラチン(先発品は、ランダ・ブリプラチンで、後発品は、シスプラチンマルコなど)は、確かに世に登場してから長い年月が経ちます。しかし、明日から米国で開催されるASCOの演題集を見てみればわかりますが、未だにシスプラチンは多くの研究で登場します。これは、既にシスプラチンが固形癌の基準薬の一つとなっており、新たに開発された抗がん剤などとの併用で研究をされています。新たな併用療法では、新たな効果や副作用が生じる事は、十分に考えられます。
 
 実は、このような危険性は実際の現場に最も近い薬剤師さんや、看護師さん、そして実際に抗がん剤をよく使用する医師が一番よくわかっています。しかし、病院経営や利益を考える上層部はこの危険性をよく理解していません。本来であれば、効果と安全性が確立した薬剤からジェネリックに変えていくべきところ、病院によっては薬価の高い注射剤(造影剤など)や、抗がん剤も経口薬と同じようにジェネリックに変えています。
 
 私見です。恐らく今後益々進むであろうDPC(これは疾患によって治療費総額が決められ、その中で安くあげれば、その差額は病院の収益になります)などを背景に、少しでも安いジェネリックの購入は、薬剤購入総額を減らすための一つの手段としてどんどん普及していくと思われます。しかし、同時に考えなければならないのでは、もしジェネリック導入(特に抗がん剤)により、致命的な事故が起こった時の事も想定しなければならないと思います。理由の如何は別として、もしこのような事故が報道された場合、ジェネリックと先発品の僅かな差で想定される収益増は、一発で吹き飛ぶ位の収入減になります。これは大変顕著で、幾つかの事故が報道された施設のその後の経営状態は大変深刻な状況になり、また信頼を回復するコストは、更に支出増になります。このような状況での抗がん剤におけるジェネリック導入は、患者さん、医療従事者の安全性の確保、病院施設のリスクも考慮し、私自身は時期尚早ではないかと思っています。

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