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3月2日のNHK-FMでベートーヴェン「第5」ライブ録音を聴き感銘を受けた
ヘンゲルブロック指揮北ドイツ放送交響楽団、愛知芸術劇場コンサート
ホールで「生体験」
メインがマーラー「巨人」であり躊躇
が、名古屋のこの一回だけベートーヴェン「第7」ということで、これは
是非モノ
結論として「聴きに来てよかった!」
ルの印象。正面にパイプオルガンとその前に客席がある、新しいホール の典型です。反響板としてガラスが吊るされているのもサントリーホール をお手本としているようで、「溶け合う」音響はまさにその印象どおりでし
た。全体は小ぶりで、2000席弱でしょうか。私の席は平土間中央ブロック
の通路側、前から5列目で、ティンパニの響きが足元から伝わるライブ感
にあふれた好ポジション
ヘンゲルブロックの弦配置は、左から第1ヴァイオリン・ビオラ・チェロ・
第2ヴァイオリン、そして右後方にコントラバス。いわゆる現代的な配置で
ありつつ、第2ヴァイオリンが右に置かれた「両翼」配置なのです。私の
通路前方がその第2ヴァイオリンで、今回はその楽器が「こんな働きを
していたのか」とたくさんの発見がありました。
メインのベートーヴェン「第7」、これまでに耳にしたこの曲の最高の
演奏
ミスターS指揮読売日響で同曲の美演を実体験しても得られなかった
レベルの感動でしたから、「最高」と言わざるを得ないのです。
第1楽章はやや速めのテンポ、第2楽章は中庸、第3楽章はやや速め、
そしてフィナーレは「最速」です。全体としては、FMで聴いた「第5」のよう
に個性的な表情で驚かせるよりは、音楽そのものに語らせるやり方と
いえます。第1楽章のところどころで、ちょっとだけ幅広いテンポをとる部分
(心の中で「もっと思い切ってやろうよ」と言う私でした)、第2楽章に1ヶ所
だけ出現するパウゼ、フィナーレのコーダでの加速、といったあたりが
目立った表情でしょう。しかし何よりも、全曲を貫くカロリーある響き、ノン
ビブラートで奏される弦、それも両翼配置による効果、第2楽章は特に
それが活きた瞬間でした(泣けました
どちらかといえば第3楽章は、響きの充実はあるものの、もう少し暴れて
ほしいと思いました。一方、そこからアタッカで突入したフィナーレ(第3
楽章の終了間際、そうするだろうと感じました)はしかし、まさに荒ぶる魂
の乱舞であり、呪術的な時間でした。かつてクライバーの実演で感じた
燃焼を、より熱く、より完成度の高い姿で耳にしたのです。第1楽章では
提示部リピートがないのを(驚きつつ)歓迎した私ですが、このフィナーレ
では「そこをもういちど聴きたい」と積極的に思ったのです(リピートは第3
楽章の提示部のみ)。
今日の感動には、ホール・座席の条件が良かった
なりました。全体はよく溶け合うホールトーン、ティンパニの打ち込みを 身体で感じられるポジション、そして両翼配置の意図も明確に伝わって
くる、などなど。残念ながらステージ上にはマイクは1本もなく、この演奏
がまさにその会場「限り」のものであった、その遭遇がうれしくもあり、
記録の残らないことが残念
この前に、外来オケの演奏を聴いたのは、ひょっとすると2000年の北ドイ
ツ放送響(ヴァント伝説の最晩年)であったかも知れません。また次回も
北ドイツ放送響、ということにならないよう、さらに新たな「星」を発見したい
ところです。
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