ぱたのアナログな世界

アナログオーディオとLPについての雑感ページです。

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今日は19:20からNHK-FMの「ブラボー!オーケストラという番組を聴きました。
この番組では、東京や大阪のオケなどがその本拠地であったり、あるいは地方
のホールを訪れて開いたコンサートの模様をライブ収録で放送しています。
今日は東京フィルが埼玉県川越市で行った、この番組のための公開収録コン
サートからの曲目でした。

会場である川越市市民会館が閉館する前の最後のコンサートであったとか、
円光寺雅彦さんの創り出すモーツァルトがなかなかはつらつとし愉悦的な演奏
であったとか、感想はいろいろあるわけですが、何といってもその音質です。
これって、最近のNHK交響楽団定期公演の生中継よりずっと素直で良い音
ですよ。想像するに、N響のホームであるNHKホール、そして定期公演の会場で
あるサントリーホール、これらは「装備が立派過ぎて」そのマルチマイクに頼る
がため、音が悪くなっているんじゃないかな。地方ホールはもっと装置がシン
プルで、それがかえって良い結果になっている気がします。

実はここのところ気に入ってエアチェックしている番組は「音の風景」。わずか
5分で、日本各地のさまざまな風物を「音の風景」としてとらえ放送する番組で
す。これで聴く冬の凍てつく十勝川や、道具作りの現場、フィールドを疾走する
馬たちの轟音、素晴らしい臨場感があります。これらもきっと、マルチマイク
ではなくポータブルのワンポイントに近いマイク収録であると思われます。録音
機は当然デジタルでしょうから、このことからしても「デジタルが悪い」のではな
く、「マルチマイクが悪い」そしてそれを操る側の「音質に対する感覚が鈍い」
ということになるのでしょう。本来、プロ中のプロがミキシング卓に座っているもの
だと思うのですが…。

ネット上で、オハン・ドゥリアン師の音源を発見しましたRAIイタリア放送のペー
ジからストリーミングされ、誰でもアクセスし聴くことができるもの。1980年7月15日
の録音で、曲目は魅力のR.シュトラウス「薔薇の騎士」組曲
 
RealPlayerプラグインで低レート(20Kbps)なので、モノラルでレンジも狭いです
が、何といっても師のR.シュトラウスは初音源。約30分の演奏、終結の直前に
は師ならではの巨大にテンポを落とし、オケを雄大に歌わせる場面が現れニヤッ
とさせられます。
 
この音源はどうも、過去に放送された番組(1時間)をそのままデジタル化し流して
いるようで、前半はチェリビダッケ指揮の「四つの最後の歌」です。これもまた十分
に魅力的。そんな組合わせですので、
 
Ogan D'narc Strauss Celibidache
 
をキーワードにググると、ページを見つけることができます。きっとRAIに他の音源
も残っているのでしょうが、イタリアンのページはなかなかたどるのが難しくさら
なる発見には時間がかかりそう。何しろ、この音源ページは検索サイトで見つけアク
セスしましたが、いまだRAIのトップページからそこへたどり着けていないのです…
 
これは、「オーディオ」の話題?「音楽」の話題?迷ったのです。しかし、放送の
音質の良否は、それに載り届けられる音楽演奏の本質を正しく享受できるか否か
の問題ですから、「音楽」のカテゴリにしました。
 
今日はNHK-FMにて、NHK交響楽団定期演奏会の模様が、東京サントリーホール
から生中継されました。前半は「聴き」、後半=メイン曲目は2トラ38を回して録音し
ました。本当のところを言いますと、最初のリスト「レ・プレリュード」から録音はして
いたのです。しかし、ハッキリ言って、「しょぼい」音。広がり感はないし、モゴモ
ゴしていて、演奏がとてもノッペリして聴こえました。曲が終わりアナウンサーは「指
揮者は全身の力を使い汗をかき演奏した」と言っていましたが、とてもそうは聴こえ
ない中継の音でした。
 
それでテープは止め、2曲目のラフマニノフは「聴くだけ」にしたのです。こちらは、
少しマシでした。おそらく、ピアノが入りマイクとの位置関係が変わったこと。そして、
ピアノというダイナミズムに富んだ楽器が入った分、ミキシングを変えたこと、など
の複合要因があったと考えられます。サントリーホールはN響のホームではありま
せんから、基本形はあるにしても、マイクセッティングやミキシングボリュームなど、
ある程度「現場でそのときに調整」の試行錯誤が入るということなのでしょう。
 
後半=メインのカセルラの交響曲第3番は、再びテープを回してみました。リストで
ガッカリしたほどではなく、メリハリも感じられますが、やはり「平たい」感は否めま
せんつまりオケのトゥッティの中でトランペットが吹く音形、それは確かに聴こえ
るのです。周波数レンジ・ダイナミックレンジはそれなりに広いんですよね。だけど、
そうした個々の音が横にペタッと並んで存在するだけで、ステージの奥行き感、ホー
ルの広がり感がまったく感じられません。これは明らかに、ミニコンポ向け、ヘッド
フォン向けの音作りであると思います(左から右に平たく並べられた楽器の音に、
残響がプラスされただけの二次元的音作りです)。
 
先日入手し随喜の涙を流したベーム・VPOの1977年来日公演生中継エアチェック、
あれはまさにホールにいる感覚をスピーカーから疑似体験させてくれる、すさまじく
生々しいものでした。その同じ放送局から、しかしいま生中継されるものは、会場で
すでに「生気を失っている」気がします。おそらく、小さなマイクを無数に、極端には
各奏者の前に一本ずつ立て、それをミキサー卓で合成し「合奏」としているのでしょう
(使用しているモニターSPの質すら、疑われます)。そりゃ、「平たく」なるはずです。
往年のMercury Living Stereoや、Decca ffssのような極限的にシンプルなマイク配
置を使いながら、ホールの空気を感じ、そこに自分がいて演奏と一体化する感覚=
快感、それを得にくい「生中継」には本当に寂しさを覚えるのです。
 
新聞記事で、電機メーカー各社が「音の良いハイレゾを起爆剤に、オーディオの再
活性化を期待」という記事を見ました。それは、良い音源を優れたフォーマットで
提供して成り立つ話で、収録時=ミキシングの時点でダメなものをいくらハイレゾ
にしたって、ダメでしょう。こんな浅薄な考えや商業主義(情けないったら
ありゃしない)で本当のオーディオ、すなわち音楽芸術を「心」で愉しむための文化
が再興するなんてことは絶対にあり得ない、と私は確信します。
オーディオが趣味として成り立ち続ける(再興なんてムリ)のは、金儲けのためにそ
れをする人たちではなく、それを通じて音楽を愛する人たちによってのみ、可能なこ
とであると思うわけです。アラ、やっぱり「オーディオ」の話か、これ?
 
録音メディアとしてのオープンリールテープ、今でも新品が手に入らないわけではない
ですがやはり高いので、お手軽には「程度のよい中古をオークションで入手しそれを
再利用する」ことになります。
このベームVPOテープは、そのようにやって来たのです。

テープ状態がよければ再利用、テープ自体が使い物にならなければ「アルミリールと
して利用」
くらいの気持ちでした。出品者も「ケース表記と中身が一致しているか分か
らない」と記載し、出品画像は表記を読み取ることもできないサイズ。ですから、何が
入っているかなどまったく気にせず、再利用のためのテープ
として落札・入手したもの
です。

届いてビックリ、その中身は素晴らしいコレクターズアイテムだったのでした!
5本のテープは、
・ベートーヴェン: 交響曲第5番(ベームVPO)
・ベートーヴェン: 交響曲第6番(ベームVPO)
・ベートーヴェン: 交響曲第7番(ドホナーニVPO)
・ブラームス: 交響曲第2番(ベームVPO)
・ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第5番(ジュリーニBPO、ワイセンベルク)
です。1977年VPO来日公演の録音が4本、ピアノ協奏曲はベルリン芸術週間の様子
をNHK-FMが放送したものです。

当時、これを録音した人は相当裕福なオトナであったのでしょう。チューナーにトリオ
KT-9700
(前年の新発売)を使い、長尺のクラシック曲を2トラ38で録音する。安物テレ
コに「非対応の」TDK SAをあてがった自分が子どもに見えますよね(実際、子どもでし
たが)。しかしいくら最長の180テープとはいえ38 cm/秒で使えば片道45分録音。C-90
カセットの片面と一緒です。「運命」のあとのアンコール「レオノーレ3番」が尻切れに
なっているのはご愛嬌。ここは、オトナも子どもも一緒です

生放送を録った「運命」は、大変に素晴らしい音質でその日の会場の熱気を彷彿と
させられます。後日放送の曲ももちろん美しく、特に「田園」は名演として有名なもの
です。数年前にAltusがNHK音源をもとにCDを発売し、評判となりましたね。それらが
今に残る最良のアナログ録音(NHKのオリジナルマスター以外では)であろうこの
オープンリールテープとしてアナログ大好き人間の手許にやって来た、このことに
大きな喜びを感じるわけです。

新年のビッグなお年玉、それもオトナ向けの、でした!
なつかしいなぁ、この演奏、いろいろな意味で。
中学生になりクラシック音楽にのめり込むようになった初期、「老巨匠」という名を
冠した指揮者をTV体験したのは、ベームが最初。1975年来日公演の「火の鳥」な
どだった記憶があります。そして1977年の来日公演、NHK-FMで生放送されると
いうことで、当時のボロいFM/AMレシーバの出力をカセットテレコ(モノラルです)
のMIC入力へ入れて録音したのでした。
 
できるだけ良い音で録りたい(録れる)と思い、生まれて初めて高級テープを買っ
たんですよ。TDK SA C-90でした。でも実のところ、カセットテレコはCrO2ポジショ
ンなどなく(そもそも、そんな違いがあるなど知らず)「まったくのオーバースペック」
だったのは、あとで学んだことでした
 
ベートーヴェン・プロは「田園」「運命」でしたから、90分テープの両面にちゃんと入
るのです。ところが「運命」のあと、アンコールですね。ベームが客席に向かい(FM
ではVは見えないのですけど)ひとこと、そして序曲「レオノーレ」3番が始まったの
です。長い拍手もベームのひとこともカットし待機していたのですが、このアンコー
ルは尻切れ録音になってしまった「痛い思い出」だったなぁ。
 
ちなみに中学の一年後輩に早熟なクラシック・ファンがおり、この1977年3月2日公
演でNHKホールに行った男がいます。ベームが登場した際の拍手を「オレがいちば
ん最後まで拍手していた」と主張しており、当時のカセット録音を聴いて確かにしぶ
とくパチパチしていた客がおりましたっけ
 
こんな昔話を始めたのは、実はこのなつかしの、そして名演の録音が突如として
手元に現れたからなのです!
 

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ぱたちゃん
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