ぱたのアナログな世界

アナログオーディオとLPについての雑感ページです。

日記

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「われながら」と思うのですが、またまたオハン・ドゥリアン師の音源発掘です。
1986年に、Belgian Artistic Promotionという組織が出した「Musica Belgica Vol. 2
というアルバム。「ベルギーの音楽」を宣伝する用途のものですね(このLPは作曲家
にフォーカスしているようです)。「非売品Not for sale」とのことなので、何らかの展示
会などで配布したのでしょうか

全6曲の収録曲のうち、Marcel Quinetという作曲家(名前も聞いたことない)の
Metamorphoses第1楽章(もちろん、まったく知らない)をドゥリアン師が振って
います(Ogan d'Narcの表記)。オケ名はOrchestre Symphonique de la RTBF、最後
の略称が分かりませんけど、Radio and Television Belgium なんたら、といった
ところなのでしょうか?

曲については、まあ純然たる現代音楽なわけで評価をすることはできません。
整ったステレオ録音(うれしい)でオーディエンスノイズが含まれていることから
放送局がきちんと録ったライブ録音なのでしょう。こうした「聴いてもよく分からない」
レパートリーではなく、各地の放送局に眠っているはずの「独墺の王道をゆく」レパー
トリー音源に出てきてほしいものです。
そういえば、たぶんスメタナの「売られた花嫁」序曲、これが正規音源として(いま
知る範囲では)唯一の取り残しでしょうか。
でもきっと、まだまだいろいろ隠れているよね!
イメージ 1
「シューリヒトの演奏」という振れ込みで入手したブルックナー「第6」が、若きハイ
ティンクがコンセルトヘボウ管を振ったものであったこと、それが素晴らしい演奏
であることは先日書いたとおりです。
 
そうなると当然、全集の他の演奏も聴きたくなりますよね。eBayに複数枚を出品
しているセラーがあったので、「第0」「第1」「第2」「第3」「第6」の5枚をいっき買い
しちゃいました。それにしても渋い、「小型」の曲ばかり。たまたまではあるのです
けど、これは朝比奈隆が1980年に複数のオケを振り東京カテドラル大聖堂で演
奏した曲と完全に相補的です。つまり朝比奈のブルックナー集は「第4」「第5」
「第7」「第8」「第9」と序曲(日ビクターから9枚組LPで発売)ですから、今回入手し
たハイティンクの5曲と合わせれば「ひとつの全集」が出来上がるわけです。
 
さて入手した5枚、これはひとつひとつゆっくりと書きたいと思います。というのは、
全体にとても高い水準の演奏であり録音であるからです。「軟弱」「愚鈍」という
評論をウノみにしこのレコードを遠ざけてきた自分としてはそのことが残念でたま
らず、改めてその優れた点・そうでない点を記録しておきたいのです。
 
ところでこの演奏をもし自分が1980年代に耳にしていたら、このような評価をでき
たでしょうか?答えはたぶんNOです。大きくは二つの理由を挙げたい。一つは近
年、ミスターSの実演を通して「リリシズムの際立つブルックナー」の美しさに開眼
してきたことです。確かに巨大に造形したり、目立つアゴーギグを散りばめたりし
た演奏は、ある意味とっつき易く分かり易い。そういった特徴を持ちながら優れた
演奏は多々あります。しかし危険なのは、それが耳にフィルターを作ると特徴に
乏しい演奏の真価を享受できなくなることだと思います。刺激の足りないことを演
奏に対する不満足に直結させるならば、それは麻薬患者の振舞いと何ら変わら
ない。かつての自分は確かに、アクの強いブルックナー演奏になじみ過ぎ、「とが
らない」演奏の良さは分からなかっただろうな、と反省するわけです。
 
もう一つの理由はもちろん、再生システムの能力の向上です。ブルックナーの法
悦は全強奏の中でも聴こえるさまざまな音型・響きである、とは某評論家の言葉
です。それが実際、いまの我が家のシステムでは、このハイティンク演奏のLPか
ら引き出せるのです。某氏は「優秀な録音によりただ聴こえるだけ」の音ならば
意味がないといいますが、このハイティンク演奏から聴こえてくるものはオケマン
が「楽譜に書いてあるから」「録音セッションで吹けば金になるから」といった態度
で鳴らした音には聴こえません。きちんとした理解と感情を伴いそしてそれは過
多ではなく、指揮者の統率のもと意図された、そしてブルックナーに相応しいバラ
ンスで響いていると感じられるのです。でも我が家で、こんな音をレコードから引
き出せるようになったのはごく最近のことでした。
 
したがって、ハイティンクの演奏するブルックナーへの開眼は、自分自身の成長
を象徴するものとして、とてもうれしく楽しいのです。指揮者の最初の全集録音が
1970年前後になされていたことを考えれば、それは私が小学生だったときのこと
なのですが、その音源がいまこうして50男に愉悦を与えてくれる。これを「最高の
趣味」と言わずして何と言いましょうか!?
 
モントゥー最晩年のチャイコフスキー第5交響曲、それは1963年5月にウィーン
芸術週間にロンドン響を率いて出演した際のものです。この演奏、というよりは
録音は極めて不思議ないわくつきで、米ヴァンガードにより録音されたものの、
テープが長く行方不明になっていたのでした(一説によると、保管庫の誤った
場所に置かれたため見つからなかったとか)。それが1991年に「再」発見され、
2枚組のCDとして初めてリリースされたわけです(他に「ロミオとジュリエット」、
オグドンの独奏によるピアノ協奏曲第1番を含む、オール・チャイコフスキー・
プログラム)。
 
アナログLPをメインソースとする私ですし、またモントゥーの素晴らしさに開眼
したのは21世紀に入ってからでしたので、このCDを聴いたことはありませんで
した。ところが、とあるきっかけから、この「第5」のマスターテープを入手するこ
とができたのです。もちろん、2トラック38cm/sの、究極のアナログ・メディアで
す!その話をもちかけられ入手するまで、何度かCDで聴いてみようかという
思いも頭をよぎりましたがそれを振り払い、ついにアナログマスターでの初体
験を迎えたわけです。
 
最初に結論。「この感激を今日までとっておいて、よかった!」
死の13ヶ月前、88歳の老巨匠がこんなみずみずしい音楽を創り出せるという
ことが驚きです。大胆なテンポの動き、歌われる旋律、チャイコフスキーの音
楽の魅力を最大限に引き出しています。そして大きな表情をつけながらどこ
か「澄んだ心境を感じさせる」あたりが、老境のなせる技なのでしょうか。
ロンドン響の演奏力は極めて高く、また録音がとても1963年のライブ録音とは
思えないクオリティです。ムラヴィンスキーの1960年DGG録音と双璧を成す
名演であると思います。
 
そしてその演奏はいままで、デジタル化された音でしかリリースされていないの
です。それを純粋なアナログの音として再生する、こんな究極の贅沢があって
最高に幸せなのです。
 もちろん、タダじゃないのですけどね。
 
我が家にナゾのLPがあります。シューリヒト指揮南ドイツ放送響によるブルックナー
交響曲第6番とされ、メーカーはCAVIAR(かつて日キングのセブンシーズ・レーベル
からクナの演奏などがキャビア原盤をうたっていました)ということになっています。
もちろんはなから極めて怪しい代物なわけで、ニセモノであっても驚かないので
す。ところが、その中身が実はハイティンク指揮コンセルトヘボウ管の1970年録音
だと分かり、この事実にたまげたわけです。
 
なぜか?その演奏が、とても素晴らしいものだからです。ハッキリ言って、我が家に
ある第6のレコードのトップである、と思っています。名盤といわれるヨッフム/
バイエルン放送響、朝比奈/大フィル(ジァンジァン)、ヴァント/ケルン放送響などを
抑えて、なのです。そんなはずないでしょう!ハイティンクの最初の全集は、ブルッ
クナー演奏について大きな影響力をもつ某評論家が「最低の烙印」を捺したものだっ
たのですよ。ですから私も、「シューリヒトの演奏でないならば、誰の演奏?」と疑っ
たことはあっても、「ハイティンクかも?」とはこれっぽちも考えなかったのです。
 
最近はネット上に膨大なディスコグラフィ(楽章毎の演奏時間も表示)があったり、あ
るいはMP3ファイルがアップされておりそこにも演奏時間が書かれています。それと
比較して、これはもうハイティンクに間違いないと思うのです。ちなみに各楽章の演奏
時間を、「私のLP」「abruckner.comによる演奏時間」「MP3ダウンロード・サイトの表示
演奏時間」の順に並べると、次のとおり。
第1楽章: 15' 16 / 15' 16 / 15' 17
第2楽章: 17' 20 / 17' 25 / 17' 19
第3楽章: 7' 51 / 7' 51 / 7' 51
第4楽章: 13' 27 / 13' 27 / 13' 28
と、見事に一致しているのです。
 
そういえばこのLP、出自を隠すために音溝のリードアウトに刻印されたマトリックス番
号を削り、手書きの文字で1070という番号が刻まれています。その消されたマトの文
字並びはDecca系ではなく、ポリグラム系のもののように見えます。そして録音!
これが素晴らしいのです。マルチマイクの使い過ぎで音が悪くなる前の、アナログ絶
頂期の音で、確かにPHILIPSの'60年代後半から'70年代前半あたりの雰囲気。それに
オケも、南ドイツ放送響にしては「うまいなぁ」と思っていました。
 
それにしても、本当にハイティンク??あの「最低」といわれた全集の一枚??
自分はなぜいままで、それを一枚も聴いてこなかったの??(理由は、いわずと知れ
た、ですが…)
これは、他の曲もまじめに聴いてみなければいかんなぁ。
 
ETERNA盤88枚箱の中に、ベーム指揮SKDのシューベルト「ザ・グレート」ライブ
録音盤が含まれていました(827 157、マトリックス1A/2Aのオリジナル)。1979年
1月12日、ベームの亡くなる2年前の演奏会の模様です。
 
もちろん、この演奏を聴くのは初めてではなく、独DGG盤2531 352もレコード棚
にはあります。老巨匠のイメージではなく、溌剌感や生命力といったものを強く
備えた素晴らしい演奏です。
それをこの記事でとり上げる理由は、ETERNAとDGGとには大きな違いがあった
からです。
 
ETERNA盤はその演奏会があった年、1979年に発売されています。一方のDGG
盤は1981年、ベームが亡くなった年に「追悼盤」の位置づけで発売されたものと
思われます(ジャケットにKarl Bohm 1894-1981というデザインが描かれています)。
そして針を下ろすと、もっと大きな違いがあります。ETERNA盤には、指揮者がス
テージに登場したときの拍手、楽章間の会場ノイズ、終演後の熱狂的な拍手の
すべてが収められています。DGG盤にはそれらはありません。スケルツォとフィ
ナーレはほとんどアタッカで演奏されており、ETERNA盤では奏者が急いで譜面
をめくるカサカサッという音がスケルツォの残響の中に入っています。これもDGG
盤ではカット。単にフェードアウトしたりテープを切ってつなぐだけで譜めくりの音
をカットするのは不可能で、明らかに人工的なエコー付加をしているのです。
またDGG盤の音は全曲にわたりETERNA盤より残響が強く、お化粧直しをしてい
ることも分かりました。
 
したがってDGG盤は、ライブ感を背後に追いやり、亡くなった巨匠の振った「ザ・
グレート」としてリリースされた。しかしETERNA盤は、巨匠が東独で行った「ライ
ブ録音」としてリリースされたのだといえるでしょう。どちらの考え方もありだとは
思いますが、オリジナルを尊重する意味でも後者、そして聴いていての興奮もや
はり後者が上回ると思います。
それにしても、素晴らしい演奏です。
 

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