清水知輝の視点 〜ビジネス・キャリア徒然草〜

昔は有無で選択し、今まではQCDで選択し、これからは信念・哲学で選択する、NPO法人FRI&Associates理事長の徒然日記

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仕事を着実に進めて成果を得るためには、大きく二つの観点が必要だ。

・事前に準備することで、その後の精度を高める、いわゆる「段取り力」
・推進する中で、予期せぬor見切れなかったリスクを乗り切る「仕事力」

仕事の成否は、前段階で8割方決まる、だから、段取り力を身につけよう、というのが、少し前の流行りであったし、私もそれには賛成だ。
しかし、製造ラインの初期構築や法政令の反映などと異なり、特に事業戦略など経営に属する仕事の多くは、そもそも「正解がない」仕事であり、いくら準備を突き詰めたとしても、100%になることはあり得ない。私の感覚値で言えば、7割程度詰められれば、合格、8割いけば上出来である。場合によっては、6割程度でも、実行に踏み切る選択をしなければならない事がある。
いや、製造ラインですらも、動かしながら精度を高めていく事が常識である以上、100%というのはあり得ない。ある意味、幻想なのかもしれない。

私は大企業向けのコンサルティングなどにも従事してきたが、そこでは、かなり前準備の精度が問われる。仕事の多くも、初期は方向性を検討する戦略立案だが、中盤に差し掛かってくると、関係者向けの説明・説得資料作りに、その大半の時間を割かれる。ようは、精度をひたすら高めて、如何にミスなく進められるかを、証明するためのものだ。だが、こういった仕事の経験がある人はわかるが、どれだけ精度を高めても、事前準備は所詮、事前準備である。ある一定以上は、精度のよさよりも、現場でのリーダーシップや臨機応変な対応、着実に進める実行力の方が、成否に与える影響は大きい。

つまり、現代のように「正解のない」仕事をする事が多くなり、その実行速度が問われる場合は、一定の段取り力も欠かせないが、やはり、臨機応変に対応しつつ、精度良く着実に仕事をこなす「仕事力」の重要性が格段と高まるのである。
偏見を恐れずに言えば、良い大学を出て大企業で働いている人は、この「仕事力」が弱く、事前準備に力を注ぎたがる傾向があるように思える。「仕事力」はリーダーシップや覚悟と切り離せられない力であるため、リーダーシップのなさが指摘されがちなのは、あながち関係がないとは言えないだ。

私が代表をつとめるNPOでも、「兎に角、やってみました」というケースが非常に多く、場合によってはトラブルに直結してしまうこともある。そういったのは、段取りがしっかりなされていて、ある種、誰がやっても結果が対して変わらず、やっつけ仕事でもフォローできる仕事に限られる。
これを、「正解のない」仕事でやると、一人でも、いや、一箇所でもあれば、その後の仕事は、そのいい加減な判断が与えるダメージが増幅され、結果的に取り返しのつかないミスになったりするのだ。「カンバン」方式でも、前工程から流れてくる部材には「ミスがない」という事が前提となっている。プロの仕事を進めるには、そういった互いの意識の高さ・仕事の精度の高さがなければ、一箇所でも意識が低かったり、仕事の精度が低いところがあると、一気に瓦解する。なぜなら、最後になるまで不良がわからず、常に100%かそれ以上に持っていこうとしても、結果、無駄になってしまうからである。

「段取り7割+実行時のプロ意識と仕事の精度3割」で初めて、プロの仕事が成功に導かれる、という意識は、常々忘れないようにいたいものである。


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