清水知輝の視点 〜ビジネス・キャリア徒然草〜

昔は有無で選択し、今まではQCDで選択し、これからは信念・哲学で選択する、NPO法人FRI&Associates理事長の徒然日記

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わけて考える力

「それとこれとは別だ」という言葉は、口論などではよく聞くが、その割りに、仕事となると冷静に分けて考えられない人の多さに驚く。
特に、言い訳に使われる時に、一見繋がっていそうな感じでもっともなように語られるが、明らかに分けて考えなければ解決できないものが大半だ。

例えば、業務改革を行う際に、当然、現場の業務を変える以上、現場には今まで以上の負荷をかけることになる。しかし、業務改革を行わなければ、更に業務が増えた時に効率が悪くなり、余計に負荷が増していく結果となる。この手の仕事は、人を増やせば増やした分だけ対応力が上がるのではなく、特定の判断を行う人の負荷が増すことで、全体の対応力は落ちてくるものだからだ。
それにも関わらず、既に現状が忙しく、仕事も何とか回っているので、改革は不要だ、外部の人間では細かな事はわからない、と一繋がりのように語る人が、非常に多い。

しかし、本当にそれを一緒に考えて良いのだろうか。

確かに現状が忙しいのはわかる。心情的にも大変だろうと思う。
だからこそ、現状と今後の取り組みは、わけて考えなければならない。忙しいから出来ない、と言っていては、何も新しい取り組みはできないからだ。
私なら、忙しいのであれば、一時的にでも人を確保して、現状業務の負荷を下げる努力が出来ないかを検討する。そうして、主要メンバーの工数をできる限り確保し、改革業務に投入する。外部の人間に出来ることと出来ないことを理解し、対応をわけて考えるのである。
そして、現状の負荷低減と将来の抜本的改革による対応力強化は、分けないと話が進まない。
もちろん、その際には心情的なケアも忘れてはならない。個々人のキャリアについて、しっかりと向き合って話し合わなければならないだろう。しかし、それに流される事があってはならないのだ。

心情的にわかったとしても、論理的に考えて正しいことをするかどうかは、わけて考えなくてはならない。そうでなくては、新たなチャレンジは難しい。
心情的に理解してケアすることと、論理的な判断を下すことは、別々になされなくてはならないし、どちらかがどちらかのストッパーとなってはならない。今の時代において、その場に留まることが最大のリスクなのである。

コンサルティングの手法に、「イシューツリー」というものがある。
個々のイシュー(課題)を細分化し、解決可能なサイズに噛み砕くことで、具体的な解決策を立案する手法である。
例えば、利益率を向上させる、という課題だけでは何をすれば良いかわからないが、「利益=売上−コスト」なので、コストの上昇を抑えつつ売上を増すか、売上がさほど変わらない形でコストを圧縮するか、に分けられ、前者であれば、例えば、高利益率の商品をクロスセルするとか、商品のライフサイクル別に価格改定を行う、後者であれば、製造方法を見直す、過剰なサービスを見直す、生産コストを低コスト地域に移して圧縮する、などが出てくる。そこまで分解できれば、具体的に何をすれば良いのかが見えてくるはずだ。
このように、「わけて考える」ということは、実際の課題解決において、非常に重要である。

今後のビジネスパーソンのスキルとして、欠かせない力であり、この能力がない(磨かない)人は、経営者や役員などの経営層はもちろんのこと、PJリーダー、中間管理職など、全てのリーダー的立場に立つ資格はないと言っても過言ではない。
まとめて簡単に話すことと、「十把一絡」に何でも一緒に扱うのは別のことだ。物事を解決したければ、この「わけて考える」スキルを是非磨いて欲しい。

「情」と「論理」は連動させながらも、わけて考えることで、初めて解決策が見えてくるのである。
単に良い人と思われるのではなく、例え、その時は厳しいことを言ったとしても、将来の結果を持って感謝される人でありたいものだ。


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