韓流ライターソウル奮闘記

韓国映画の現場からお伝えします。

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2007年度大鐘映画賞

6月8日は、韓国でもっとも長い歴史を誇る大鐘賞授賞式の日。
午後9時から始まる授賞式に備え、午後12時過ぎに行ったところ、フォトラインの3列目。みんな来るの早すぎ(笑)。
こちらも脚立の上に座り、じっと待つことにする。幸い陽も射しておらず、過ごしやすいと思いきや、雨が降り出す。脚立を置いたまま雨を凌ぐが、レッドカーペット前には止んだ。

今年の目玉は、「シークレットサンシャイン(原題:密陽)」カンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞したチョン・ドヨンが特別賞を受賞すること。残念ながらレッドカーペットには現れず、裏口から入ったようだった。

それにしても、今年も盛り上がりに欠ける映画祭だった。
何しろ、100席用意したというプレス席はガラガラ。授賞式の最中には、プレス以外の写真撮影が禁止されているにも関わらず、お客さんがフラッシュを焚いて撮影するなど、マナーの悪さが目立った。

主演女優賞に「美女はつらいわ」のキム・アジュンは順当。主演男優賞は、「奴の声のソル・ギョング、「卑劣な街」のチョ・インソンを押しのけて「ラジオスター」のアン・ソンギが受賞し、作品賞には、大ヒット映画「グエムル−漢江の怪物」ではなく、「家族の誕生」という番狂わせともいえる受賞結果であった。

実写版「マッハGOGO」である「スピードレーサー」に出演が決まっているRAINの初主演映画「サイボーグでも大丈夫」は無冠に終わった。

それにしても、番狂わせの場合、サプライズ感があるものだが、受賞結果だけ見ると、馴れ合いの賜物といえなくもない。大鐘映画賞の権威は年を追うごとに落ちていく気がしなくもない。

写真は左から、アン・ソンギ、チョン・ドヨン、RAIN

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「決して永遠」ではないというタイトル、韓国では「2番目の愛」というタイトルで公開される韓国映画です。
主演はアメリカ人俳優のヴェラ・ファーミガ。「ディパーテッド」で女医を演じた女優といったほうがわかりやすい。

韓国映画で、主演に外国人俳優を起用するのは珍しく、過去には「ニューヨークデードリーム」で金城武が主演し、ミラ・ソルビーノが出演したくらいか。

子供ができない韓国人夫とアメリカン人妻。夫の精子に問題があるのが発覚し、不法滞在の韓国人青年の種を得るために、お金で青年と寝て妊娠する物語。だが、結局は破局が訪れるのだが、B級映画どころか、ストーリーの展開がぬるいアートフィルム。それもそのはず、今年のサンダンス映画祭に出品された作品だった。
ちなみに、音楽監督は、「ピアノレッスン」、「ガタカ」のマイケル・ナイマン。この人の音楽ってストリング系を多様していて、バーバーに似てるんだよね。

プロデューサーに、今年のカンヌでチョン・ドヨンに主演女優賞の栄冠を抱かせた「シークレットサンシャイン(原題)」のイ・チャンドン監督が名を連ねている。
ちなみに私は、イ・チャンドン監督と、10年以上前に東京国際映画祭で上映された「江原道の力」の主演女優のオ・ユノンに挟まれて映画を観る、韓国映画ファンには垂唾物の席で見た。まあ、ふたりとも顔見知りではあるので、窮屈さはなかったが…

それにしても、アートフィルムゆえの悲しさか、マスコミの数も少なく、近年の韓国映画としては稀に見るマスコミの少なさである。
韓流スターが出ていない作品では、仕方ないのかもしれない。

STILL LIFE

試写会で観てきました。
昨年のベネチア国際映画祭で金獅子賞を取った、中国のジャ・ジャンケの作品です。
ジャ・ジャンケとは妙な縁がありまして、「小武」でプサン国際映画祭に来ていたとき、インタビューしました。当時はまったくの無名でしたが、今やベネチア監督になられたのですね。
物語はダムに沈む街にそれぞれの連れ合いを探しに来る、男と女の物語。ふたりにはまったく接点はなく、それぞれが別の物語です。
ベネチアで賞を取ったくらいですから、映画のレビューは大家の評論家に任せるとして、驚いたのは主人公が携帯電話を持っていること。通信網の発達が遅れている中国では、一軒一軒に電話線を引くよりも携帯電話のほうが投資費用が少ないため、携帯電話が爆発的に増えているとのこと。
低下層ともいえる、肉体労働者が携帯電話で話している様は、なんとも不思議な光景であるとともに、現代中国の現状を物語っているのでしょう。
ジャ・ジャンケ作品としては、これまででもっともわかりやすく、演出も洗練されてきました。中国第6世代の旗手としてのこれからの活躍にも期待。
それにしても、CGを使った遊び心もあるとは、ジャ・ジャンケも変わったなと思った次第です。

妻の恋人に会う

ホン・サンスばりのB級ロードムービー。
妻の浮気相手がタクシー運転手と知った男が、浮気相手のタクシーに乗って家に帰る。
浮気相手の男は旦那のいない隙に人妻とチョメチョメをする。
寝取られ旦那は男のタクシーをかっぱらって、男の妻と一夜を共にする。
タクシー男が自宅に戻ると浮気相手の女の夫が自分の妻と裸で抱き合っているのを目撃する。

要は浮気された腹いせに、浮気相手の男の妻とただならぬ関係になる間抜け男の話だが、浮気相手の男は自分の妻とやったかやらないかに焦点を置いている。
自分のやっていることは棚に上げて、自分の妻が他の男と寝たかどうかを半年かけて浮気相手の旦那に問い詰める。
映像的にはファンタジックに描いているため、情念のギトギトしたものはないが、あっさりとしたラストはホン・サンスばりだ。
舞台も江原道だし、「江原道の力」の二番煎じと言われても仕方ないかも。
それにしても、韓国男が自分の女の貞操を案ずるというのは…… まあ、これ以上言及するのはやめておこう。

昨日はきム・ギドク監督の新作「息」を観てきました。
これまでのギトギトした情念に溢れた感じはなく、やや乾いた感じの作品です。
かつての恋人が殺人を犯し、死刑判決が出たことを知る人妻。そして、恋人が刑務所の中で自殺を図ったことを知り、冷え切った夫との仲もあり、恋人に面会しに行く。
かつての恋人との面会は、ガラス越しから面会室へ、そしてキスから、体を合わせるまでに発展するが、刑務所の監視カメラから見る刑務官(キム・ギドク扮)は、ふたりの姦通をただ見ているだけだ。
一方人妻の夫も、妻の不審な行動から刑務所通いの事実を知る。夫は自分の浮気相手と別れることを決意。妻にやめるように諭すが妻は刑務所通いをやめない。妻は面会のたびに春夏秋冬の季節感を出すために、季節の服と壁紙を準備し、恋人のために歌を歌う。

映画の雰囲気は「うつせみ」に似ていなくもないし、「春夏秋冬、そして春」にも似ている。
映画のラストには触れないが、アダモの「雪が降る」の歌が物悲しくもあり、死刑囚となった恋人の生きたいという叫びにも聞こえる。

今回の映画の製作費は3億7千万ウォンと低予算で製作され、撮影回数は9回だゆけという少なさ。しかも、リハーサルに時間を掛けないため、さっさと撮影を終えることができた。
主演は、台湾出身の俳優チェン・チャン。彼ほどのスターが、これほどの低予算映画に出演したきっかけは、監督の名声のため。キム・ギドク曰く、自分の映画に出演したいという海外の俳優はたくさんいるという。そういえば、「うつせみ」の主人公は金子賢に決まっていたが、直前で降板してチェ・ヒとなった。
キム・ギドクの映画にはギャラを超えて出演したいと俳優を突き動かす力がある。チャン・ドンゴンが「コーストガード」に2000万ウォンというギャラで出演したのも、「バベル」にブラピが出演したのと同じ動機といえる。
俳優といえば、キム・ギドクは「春夏秋冬、そして春」に続き、モニター越しに主人公たちの行動を観察する刑務官を演じていることは前述した。前作の場合は、アン・ソンギに出演を断られたからだが、今回の場合は監督自ら出たがり、スタッフたちを説得したという
今後は俳優としての活動にも色気を見せているということか?

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