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月曜日から、毎朝6時起きで哺乳類の生息調査に出かけてきました
大雑把に哺乳類調査と言いますが、実は種類によっていくつかの手法があります
まずネズミ。これは、イネ科の植物を編んで球状の巣を作るカヤネズミ以外は、後ろ足の長さを測ったり、じっくり見ないと識別できないので捕獲します。ただ、捕獲には都道府県知事の許可が必要です。そして、死なせてしまわないように、シャーマントラップという生け捕りに出来る特殊な罠を使いますし、一日に二度見回りに行ったり、凍死しないよう中に綿を入れてやったり結構気を使います
次にコウモリ。これはバットディテクターといって、人間の耳には聞こえない超音波の彼等の声を、可聴音に変換する機械があるのです。これで種まで分かるものもあるのですが、種類によっては科までしか識別が出来ません。そこで、寝ている穴の中へ入って見るか、やはり捕獲するしかないのです
さて一般の哺乳類をどうやって調べるかですが。
皆さん「動物は夜行性だから、そうそう簡単には会えないんじゃないの?」と思われるでしょうね。その通りなのです。でも実は野生動物達って、彼等が生活している場所を見ると、実にたくさんの痕跡を残しているんですよ
代表的なものに糞に足跡、そして食痕がありますが、動物によってみなそれぞれ違うんです。だから、哺乳類を調べる時は、その痕跡を探すのです。そして、集めた証拠を元に、刑事さんみたいに推理して、ここにはどんな動物がどれくらいの数いるということを推測するわけです
ただこれが、本当に大変な作業なのです。どうしてって?ウンチや足跡は、鳥みたいに飛んで来てくれないし、鳴いてもくれないでしょう?だから哺乳類の調査は、とにかく全域を歩き、しらみつぶしに見て回るしかないのです。
今回も四日間、昼休みを30分ほどとった以外は、毎日7時間ぶっ通しで歩き続けました。
そして何が辛かったかって、毎日の天気が目まぐるしく変わること。疲れが倍増させられました
まず初日、強風と横殴りの雨!雨が降ると街中を歩くのだって嫌ですよね。これがフィールドワークとなると、本当に大変です。貴重種のノネズミ、カヤネズミの巣を探すためには、合羽をはいて藪の中を草を掻き分け踏査するのです。
そして、傘を差して記録用紙を濡らさないようにしなければいけない。特に強風の日は、すぐに用紙が濡れボールペンのインクが付かなくなるし、下手するとボロボロになります。地面が濡れると、足跡や糞が流されてしまったり、モグラの塚や坑道と地面の色が同じになって分かりにくくなる
結局、二日目三日目は雨は止んだのですが、今度は寒波がやってきて、寒風吹きすさぶ中フィールドを歩き回らなければいけませんでした
そしてもう一つ気を使わされることが。今回みたいな人家の点在する耕作地を歩くと、怪しまれるのですよ。もうだいぶ慣れてしまいましたが、場所によっては、おまわりさんに職務質問されることもしょっちゅうです。最近は、日本人の道徳心もいかれてしまって、農作物泥棒が多いし、変質者による子供達への変な事件も多いですからね。
まあでも今回の場所は気さくな人が多い地区だったため、会釈すると返してくれたし、会ったときは事情を話すと「大変ねえ。ご苦労様」と皆さん優しい言葉をかけてくれ、かなり疲れが癒されました
しかし朝まだ暗い中、調査地へ向かう車の中で聞いたラジオの天気予報には笑ってしまいました
「今日は九州北部に寒気が流れ込み、最高気温は7℃までしか上がりません。厳しい寒さとなりますので、体調には十分お気をつけください」
日中の気温7℃が厳しい寒さかあ。九州ってやっぱり南の暖かい地方なんだなあ?実はこの時僕は、4年前の7月に北海道へオオタカの調査と撮影に行ったときの事を思い出したのです
その時に聞いた天気予報のアナウンサーのコメントに、僕はぶったまげてしまいました。何と言っていたと思いますか?
それは「明日は、最高気温が25℃まで上がります。暑さが非常に厳しくなりますので、皆さんくれぐれも体調管理にはお気を付けくださいね」だったんですよ
僕が住んでいる福岡の久留米は、内陸ということもあり寒暖の差が激しく、冬はとても寒くて毎朝車のフロントガラスがガチガチに凍りますし、夏はとても蒸し暑く36〜37℃くらいまで気温が上がってしまいます
だから、最高気温25℃が厳しい暑さっていう天気予報に驚いてしまいました。でも同じように、北海道の人がこっちの天気予報の、最高気温7℃で厳しい寒さって聞いたら、大笑いしちゃうでしょうね
日本って本当に広くて、気候もバラエティーに富んだ国なんだなあってつくづく思いました
さあ今日は、福岡エココミュニケーション専門学校の、僕が受け持ってる3クラスの「野生動物管理学」の後期テストです。
飼育科の二年生!みんなが将来仕事する上で絶対に暗記しておくべき問題だし、資料も持ち込みオッケーだし頑張れよな!!それに、学校で会えるのはもう二日だけだよ
写真は、
1,タヌキ。この写真は、熊本の国道57号線の動物注意の看板に二枚使われています
2,典型的なタヌキの足跡
3,生息地の重なる個体の情報交換の場と言われるため糞
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