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日本より欧米で名前の売れている川瀬巴水は、北斎、広重と並んで「風景画の3H」の一人と言われる。彼は、板木を10〜20枚使い、30回という摺り回数の作品が多い。近代に残った風景と空気を見事に表現したものが多い。茂木本家美術館は、川瀬巴水の作品を多数所蔵しているが、その内でも、今回の夏の旅情シリーズは、見事な作品が並んでいる。
コメント。数字はリストの番号。
3.強風ですっかり傾きながら頑張る岩の島の2本の松と、水の底の地形が分
かるような独特の波が印象的。
7.大正時代の雰囲気を見事に伝える。電柱や電線もすっかり風景に溶け込ん
で一体となっているから不思議。
9.「千丈幕と云う絶壁を見せられた瞬間、物に脅かされたやうに半ば夢中
で・・・己れの及ばぬ筆を顧みる暇さへなかったのであります」。(創作版画
解説 巴水のことばより)
10.「朝まだ早き沼のほとりに、小舟を浮かべた二人の男が、前夜の網を揚げて
ゐる有様など、私は古い物語りの本でも見るやうな心持がしました」。(創
作版画解説 巴水のことばより)
14.手前に背の高い茶色い玉蜀黍が五本。日が陰ったせいか鼠色になった富士
山がしっかり描かれている。あまり巴水に見られない感じが面白い。
18.初めて見る作品。今回最も気に入った。左手前から少し離れて鑑賞すると
遠近感が見事に表現され、光と影も素晴らしい傑作と思う。これを観るだ
けでも十分の価値あり。
21.「(・・・)不調和な西洋館も見えません。此辺は北斎の『隅田川西岸一覧』
の当時がそヾろに想い浮かばれます」。(述懐)
【展示リスト】
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