京日記 花がたみ

四季折々の 美しいものを 随筆で

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住職の筆工房 楽々堂

                                     


  ☆  お坊さんが作る筆


「ツキちゃん、元気ですか?ブログ読んでますよ。写真、上手だねぇ〜 」

今朝 お電話をくださったのは、 九州の 大分県杵築市山香 という所にある 

願教寺のご住職・御堂順暁( みどう じゅんきょう )さん。



御堂さんはお坊さまであり、歴史に名高い『奈良筆』の職人です。


お寺の敷地に工房『楽々堂』を作り

一つひとつ丹精こめて生み出される筆は

一度使えば 手放せなくなるほど、 見事な使い心地。



最高級の馬毛太筆をはじめ、ふだん使いの筆、絵手紙用の筆

赤ちゃんの髪で作る記念の『 初髪筆( 胎毛筆  』 などなど

様々な注文に合わせて、心と魂をこめて作る

数少ない筆職人です。



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                          願教寺全景 ・ 撮影 御堂義乗



  ☆  御堂さんとの出会い


とても不思議なめぐり合わせです。

もうかれこれ十数年前、私はある新聞社の月刊誌に

毎月随筆を連載していました。

京都のことを主に書き綴っておりました。



すると、それを読んでくださっていた御堂さんの奥様から

ある日、お手紙を頂戴しました。

「 私は京都の出身です。今は結婚して九州のお寺におりますが

  貴女の随筆を読んで、京都を懐かしく思い出しています 」


書き手と読者 ―― として出会ったのですが、以来ずっと 

親戚以上のおつき合いをさせていただいております。



御堂さんは学生時代を本山のある京都で過ごされ、仏教修行と共に

その後、筆職人としての修業に入られました。

師匠は、奈良の伝統的工芸品功労者( 現代の名工 ) 

筆匠 ― 故・大田研精 師



独立してから始めは、奥様のご実家のある京都で工房を開き

やがて、ふるさと大分へUターンされてからは

本格的に工房を立ち上げ、東京・銀座で個展を開くなど 

意欲的に制作されています。



「 私が銀座の個展に案内した知人の姪っ子さんが
 
 御堂さんの筆で書いた作品が、なんと! 全国規模の書道展において
 
 見事、特選に選ばれたそうですよ! 」



そう伝えますと、うれしそうに微笑みます。


「 釈迦堂の御朱印を書かれる方も、この筆はほんまに書きやすい♪ 

  とおっしゃいます 」

「 そういって喜んでいただける方が増えると、 なにより うれしいです 」


イメージ 1
                     
                            楽々堂 最高級品 馬毛太筆
 


  ☆  安岡正篤先生の言葉より

 
 

             習字の功徳

 
  習字というものは実に不思議な功徳のあるもので

  朝早く起きて、硯に水を落として墨をすっておると 

  不思議に雑念がしづまってしまう。

  といっても、汚い硯ではダメでありまして、昔から

  『 顔を洗わずとも硯を洗え 』と言われるように

  硯はいつも きれいにして置かなければいけません。

  また、硯も墨も余り安物では話にならない。

  この頃はちょっと外で食事をしても二千円や三千円とられる。

  二、三人も行こうものなら、 

  こういうものにケチな根性を出さぬことです。

 
  それになんといっても書くのは朝、それも早い方が良い。

  夏であれば水の代わりに庭木や草花の露を二、三滴たらして

  すってご覧なさい。ますます風流で好い気持ちになる。

  腹が立っても自然におさまってしまう。


  それを自分の気に入った筆につけて、先づ一点を下す。

  これが混沌開基、つまり天地開闢である。

  この点がうまく『 うてる 』 と

  あとはさらさらと自然に筆が運ぶ。

  気持ち好く書けるだけでなく、その日一日なんとなく晴々とした気持ちで

  物事もうまくゆくものです。

                       ( 運命と立命 ) より

  


なんだか筆を取ってみたくなりませんか?

墨の香り純白のやわらかな和紙 静謐な空気・・・・・・。



御堂さんのお寺の庭は「 百菜園 」という自家栽培の畑となって

毎年、多くの野菜たちがここから生まれます。


自然あふれる山香の光景は、日本のふるさとそのもの。

春にはレンゲ畑が広がり、秋には美味しいお米が実ります。


城下町杵築。

六郷満山の信仰深い国東半島。



自然と歴史と信仰と文化と職人の技。

そこには確かな人の心と手の温もりがあります。


          ☆  筆工房 楽々堂 HP 
                       http://www.kdt.ne.jp//jun-310/index.html



                             

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御堂さんの弟さん ・ 御堂義乗さんは、プロのカメラマンです。
全国紙で特集を持っておられて、女優の山田五十鈴さんを撮影された作品などは圧巻です!

2008/5/13(火) 午後 8:26 月の真珠 返信する

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小学校の時!習字クラブでした。
好きな子が居たから入りました。習字クラブ・・・。(照)
けれども、今も筆ペンは好きで使っています。年賀状は必ず筆ペンで書いています。 削除

2008/5/13(火) 午後 10:59 [ 影竜 ] 返信する

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影竜さま。
「 好きな子がいたから 」 とは、なんとも微笑ましいエピソードですね。
うんうん、わかります! 青春ですねぇ〜〜。同じ空気を吸うだけで、うれしい!なんて。

筆ペンお好きなのですね。 筆は難しいですけれど、やはり、魅力があります。
なにより、カッコイイ!
この馬の毛の筆も、尾っぽや たてがみなどからできているのですが
最近は、質のいい毛が少なくなっているそうです。
筆で自分の名前をサッと書けたら、最高ですね☆

2008/5/13(火) 午後 11:09 月の真珠 返信する

僕も小学生の時に習字を習ってました、でも最近は硯を使う事が有りませんね、
あの磨り加減が難しかったです、倉庫に大分前から使わなく成った硯セットが
有りますので、久しぶりに毛筆をしてみましょうか、半紙も仕事用で山程有りますから。
安岡正篤先生のように雑念が静まって落ち着いたら良いのですが効果に期待します。

2008/5/14(水) 午前 0:46 a08*0a*22* 返信する

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JIMさま。
子どもの頃に習字を習っておくと、生涯にわたって、いい字が書けるような気がします。
本当に、最近では 硯というものを見なくなりました。
「 家に硯がない 」 お宅も少なくないでしょう。
筆ペンは便利ですが、習字道具を奥にしまい込む 要因となりました。
あの墨の香り、懐かしいです。 安岡正篤先生のような豊かな心で向かえたら最高ですね。
「 習字の功徳 」 書は信仰と結びついています。 お経も墨と筆あってこそ!
そういう意味においても、御堂さんの僧侶と筆職人のお姿は、素適に見えます。

2008/5/14(水) 午前 9:13 月の真珠 返信する

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御堂さんの弟さんである、写真家の御堂義乗さんは、ここ5年ほど
美輪明宏さんの撮影をされています。 ポートレートも舞台もすべて、ご指名で。
「 なんだか 気に入っていただいたようで・・・・・・ 」 と、兄の御堂順曉さん。

美輪明宏さんのHPにお名前がございます。 → http://www.o-miwa.co.jp/

2008/5/14(水) 午前 10:35 月の真珠 返信する

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私も大分県杵築市山香町出身です。今は大学へ通うため千葉の方へ出てきていますが。父があの美輪明宏さんの撮影をされている御堂義乗さんと友人と聞いた時はびっくりしました。私も髪の毛で筆を作っていただき、姉、妹も作ってもらい、御座敷に飾ってあります。山香の綺麗な写真を見て、まだこっちへ来て1年しか経っていないのですが懐かしい気持ちになりました。晴れている日の山香は最高ですね!
ずいぶん前の日記にコメントしてしまって申し訳ありません。 削除

2010/3/22(月) 午後 11:16 [ Panda ] 返信する

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Pandaさま。
うれしいコメントをいただき、ありがとうございます!
千葉での大学生活は如何ですか?

さて、御堂さんご兄弟をご存知ですか!
しかも、御毛筆をこしらえていただいたとは素晴しいことです。
赤ちゃんの時の髪の毛でできているのですよね?
貴重な宝物です。
大切になさっているご様子、御堂さんもきっと喜ばれることでしょう。

ふるさとの山や川の景色は、両親のように写ったことでしょう。
清水で育つ 山香のお米、美味しいですよね。
御堂さんに送っていただき、私も毎日 山香米をよばれています。

美しい環境で育まれた感性を大切になさってください。
それは、どんな時もあなたさまの味方になってくれることでしょう。

色々と大変なこともあるでしょうが、とにかくごはんをしっかりと食べて!
大学生活を楽しんで、したいことに何でも挑戦してくださいね!

2010/3/23(火) 午後 3:20 月の真珠 返信する

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