京日記 花がたみ

四季折々の 美しいものを 随筆で

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                                       お家元 立部 祐道 門跡
☆ 新緑の御室・仁和寺へ
 
 
          華道 『 御室流いけばな展 』 のご案内をいただいたので
 
          久しぶりに御室の 仁和寺 を訪れた。
 
          世界遺産に登録されている。
 
 
 
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    仁和四年 ( 888 ) 宇多天皇が創建した、真言宗御室派の総本山。
 
    明治維新の頃まで代々、法親王が門跡を務めた格式の高い寺院であるため
 
    お寺というよりも御所のような雰囲気が漂う。
 
 
 
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                                               二王門 ( 重要文化財 )
    そびえ立つ二王門は高さ 18,7 m
 
    同時期に建設された知恩院の三門や南禅寺の三門は禅宗形式だが
 
    仁和寺の二王門は平安時代の和様で造られている。
 
 
 
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          いけばな展の看板を確認していたら、なにやら人の視線を感じて…
 
          阿形像の二王様がカメラ目線で睨みつけている。
 
          「 怪しいものではございません 」 を手を合わせて門をくぐる。
 
 
 
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          境内に入った途端、美しい花たちの出迎えを受ける。
 
          展示会場は大きく分けて2ヶ所。
 
          それ以外のこうした青空展示も楽しむことができる。
 
 
 
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    御殿入口は旧 嵯峨御所 ・ 大覚寺にソックリ! 
 
    やはり、いずれも天皇さんのお住まいだからか似通ってくる。
 
 
 
☆ 花を愛でる
 
 
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                                             大野 一敬  宮本博風
 
          計 191の展示作品には豪華な大作もたくさん並べられてあるが
 
          ここでは私の好みのお花をご紹介させていただくことにする。 
 
          凜としてスッキリとした杜若は涼やか。
 
          それでいて動きがあり、生命力を感じる。 
 
 
 
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          大きめの竹筒を花器にして自在に生けられた花。
 
          いけばなが立体的な芸術であることを思い知らせてくれる。
 
 
 
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                                                       霊明殿
    歴代門跡の位牌の安置所である霊明殿には
 
    昭和61年 ( 1986 ) まで長く秘仏であった、御本尊・薬師如来坐像を安置する。 
 
 
 
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    花が今まさに、つぼみを開こうとしているところ。 この力は一体、どこからくるのだろう。
 
 
 
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                                                                                                             北庭
    霊明殿から宸殿の北側にある 「 北庭 」 を見下ろすと
 
    新緑に包まれた池水式庭園が広がっている。
 
    耳をすませば、滝から細く流れ落ちる涼やかな水の音も聴こえる。
 
 
 
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    石段脇には名残のツツジがひっそりと咲いていた。
 
 
 
 
☆ 絢爛豪華な仁和寺の美
 
 
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                                                         宸殿
    宸殿は宇多天皇をお祀りする、最も重要な建物であり
 
    儀式や式典はすべてここで行う、中心的な部屋。 格天井に迫力を感じる。
 
    御室流の 「 桜の紋 」 に合わせて、桜の花が生けられている。
 
 
 
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                                          原 在泉 ( 1849 〜 1916 ) 作 
 
    かつては御所の常御殿を下賜された建物であったが
 
    明治20年の火災で焼失したため、再建された。
 
    豪華な襖絵や壁画に目を奪われる。  
 
 
 
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    この場所で、全国から集ったお弟子さんたちに師範などのお免状が授与される。
 
    式のリハーサルが行われていた。 
 
    晴天に恵まれ、なんともお目出度い雰囲気。
 
 
 
☆ 出会い
 
 
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                                 茶室・飛濤亭と五重塔 ( いずれも重文 
    北庭の池越しに
 
    築山の茶室・飛濤亭や五重塔を眺めていると、新緑の輝きと風が心地良かった。
 
    それはまるで、極楽浄土の蓮池にでもいるような気分で  
 
    広々とした、どこまでも美しい世界に身を委ねていた。
 
 
    「 この池は上から見ると 『 心 』 という字を書いてあるのですよ 」
 
    一瞬、観音様の声かと想われた。
 
    ふと横を見ると、和服姿の女性が袈裟を掛けて微笑んでおられた。
 
 
 
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          「 そうですか。 この池にはもう睡蓮が咲いているのですね 」
 
          と私は答えた。
 
          それからしばらくその方とお話をさせていただいた。
 
 
 
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                                法印−光仁斉 ( 西村 ) 清和 師
          素適な方だった。
 
          お話すればするほどに、胸を打つ言葉を語られる。
 
          「 なにか1つのものをずっと続けておりますと、自分のものになる 」
 
          とおっしゃる法印−西村清和先生は華道歴 60年以上。
 
          「 昭和2年生まれの87歳です 」 とこの笑顔。
 
          背筋を伸ばした姿勢の良い体から明るい光が放たれているよう。
 
 
 
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          西村先生のお袈裟には御室流の桜紋の刺繍。
 
          そして、 『 法印 』 という位は全国に1人しかいないのだとか。
 
          案内を見ると、流派のお家元を含む上位10人の中に入っている。
 
          これ以上の位はないそうだ。
 
          気さくにお話してくださったが、たいへん立派な方だった。
 
          こんな素晴しい先生にお花を習ったら
 
          人生の学びにもなりそうで心惹かれる。
 
          「 西村先生の作品を拝見させてください 」
 
 
 
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                                        法印−光仁斉 清和
          お家元と同じ黒書院に展示されていた。
 
          「 清和 ( せいわ ) の 和は
 
            仁和寺の和からいただきました。本名は清子です 」
 
          とその名の通り、清らかで和やか。 作品にも感じられる。
 
          虚飾の一切ない、真実まっすぐで清明な姿形。
 
 
 
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          「 花器も立派ですね、ご自分のものを使われているのですか? 」
 
          「 はい、これは 『 薄端 〜 うすばた 』 といいます。
 
            皆さん、ご自分の花器を持ち込まれていますよ 」
 
 
 
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                                                黒書院
 
          西村先生としばらくご一緒して、豊かなひと時を過ごすことができた。
 
          2時からお免状の親授式に参列しなければならないという先生に
 
          写真をお送りする約束をして、ブログ掲載への許可と名刺をいただき
 
          とてもうれしかった。
 
          西村先生も
 
          「 まぁ〜、どこでどういう出会いがあるかわかりませんわね〜 」
 
          と朗らかに笑って、手を振って別れた。
 
          目標にしたい、憧れの女性であった。
 
 
 
☆ 旧華道会館にて
 
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    清々しい気持ちで、もう1ヶ所の会場へ足を運んだ。
 
 
 
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       花衣桁 〜 畑 清月  並河 江月  大森 一惠  鈴鹿 一華  田中 宜行
 
 
    とても興味深い世界が展開されていた。 
 
    衣桁… こうした花の楽しみ方があったなんて!
 
    ずっと以前に流行したそうだ。
 
 
 
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    こちらは現代的で愛らしい花。
 
    私はこういったキュートな雰囲気の花も好き。
 
    うちで花を飾るときの参考になりそうな作品が、ここにはたくさん展示されていた。
 
 
 
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                           山口 露光  名畑 翆延  柳沼 了風  平林 玲風
    花衣桁をもう1つ。
 
    絵画のような、屏風のような、調度品のような、花のような…
 
    魅力的な飾り方。
 
    1つ1つがそれぞれに世界観を持っていて、それでいて
 
    組み合わされた時に見事に調和している、理想の姿。
 
 
 
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                                                   仁和寺 南庭
    さすがに、天皇さんのお屋敷。
 
    あふれる緑の風に吹かれて、美しい花たちを愛で、庭を愛で
 
    善き人との出会いもあって、初夏の煌めきに時を忘れた仁和寺であった。
    
          
 
 
 
 
   

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こんにちは
嵯峨流を習っていたので大覚寺を思い出しました。きっと門跡寺院だからでしょうか

2014/5/19(月) 午前 10:01 かれん 返信する

かれんさま。
そうですね、嵯峨御流の大覚寺にとてもよく似ています。
記事にも書いた通り、いずれも天皇様の邸宅跡ですから
宸殿に白砂の庭がどこまでも広がっていたり
そこに左近の桜や右近の橘が配置されているのも、御所そのものです。

それぞれに日本を代表する華道の流派の総本庁であることも同じです。

西村清和先生は裏千家茶道の先生でもいらっしゃるのですよ。
「 仕事や生活も大事だけれど、趣味は大切 」 と心を込めてお話してくださいました。

2014/5/19(月) 午前 10:50 月の真珠 返信する

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これは何とまあ、素晴らしい芸術でしょうか。
「いけばな」ってこんなに奥の深いものだったんですね。
どの枝、どの花を どんな器にいけるのか。
また、角度や長さでも色々工夫があるようです。
日本人っていい文化を持っているなあ〜と
あらためて感じました。

2014/5/21(水) 午後 9:25 [ sat&sat ] 返信する

sat&satさま。
花衣桁のことでしょうか?
私もこれは初めてで、楽しく興味深く拝見しました。

また、1つの作品を1人で生けるだけでなく
2人や複数で調和させながら完成させているのも素晴しいと感じました。
出来上がったものを観るのは簡単ですが、生けるのはとても難しいと思われます。

また、尊敬する西村清和先生のような方と出会えて
御室流の印象がより一層、品良く、格調高く、趣深く心に残りました。
芸術はやはり、人そのものですね。

日本の和文化は自然の移り変わりと共に様々な色や形を見せてくれます。
四季の移ろいで人も花も諸行無常、その儚さや切なささえも愛おしく想えます。

2014/5/21(水) 午後 10:54 月の真珠 返信する

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先の挿花大会、御来場頂き誠にありがとうございます。
御室流本庁の者ですが、
先日、西村先生より、御手紙、御写真を拝見しまして、
ぜひ、当流のHP等に今回の件、掲載の許可を願い、
コメントさせて頂きました。
できれば、本文中の西村先生のお写真も転載許可、
頂けませんでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。 削除

2014/6/5(木) 午後 4:20 [ 御室流華道 ] 返信する

御室流華道さま。
先日は晴天の下、素晴しい『 御室流いけばな展 』を拝観させていただき
ありがとうございました。
また、西村先生とのありがたいご縁を賜り、幸せな1日となりました。

その上、こちらのブログへご訪問とコメントをいただき、たいへん光栄に存じます。
ありがとうございます。

西村先生とその後、電話でお話をさせていただきましたときに
「 写真と手紙をお家元に見ていただきましたのよ 」 と仰って、私は恐縮し
恥ずかしくて、顔から火が出る思いでした。

すると、西村先生が
「 お家元が、こんなに書いてもろうて良かったなぁ〜 と仰ってくださいました 」
と喜んでくださっている様子が伝わって来て、こちらまで心満たされるようでした。
御室流さまには花の美しさだけでなく、温かい人の心が宿っていることを実感しました。

こちらこそ、ブログの記事にさせていただき、感謝しております。
どうぞどうぞ、ご自由にお使いくださいませ。 うれしいです。

2014/6/5(木) 午後 5:53 月の真珠 返信する

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リンク先が御室流公式HPです。
電子版御室のコーナー『はな歌留多』にて
西村先生のお話を掲載いたしました。
掲載許可ありがとうございます。

なお、本庁主催の仁和寺写経会
(仁和寺華道教室にて毎月第3木曜日(8月休)どなたでも参加可)
を開催しております。
西村先生も毎月参加されているので、
御多忙とは存じますが、御参加いただければ幸甚です。

取り急ぎ御礼のみにて。 削除

2014/6/6(金) 午後 2:31 [ 御室流華道 ] 返信する

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追記

誤)リンク先が御室流公式HPです。

訂)リンク先、御室流公式ブログのWEBサイトリンク先が、御室流公式HPです。

紛らわしくて申し訳ございません。 削除

2014/6/6(金) 午後 2:35 [ 御室流華道 ] 返信する

御室流華道さま。
早速のご案内をいただき、ありがとうございます。
格調高いHPを拝見いたしました。とても光栄に存じます。

西村先生の語られるひと言ひと言が心に沁み入るようで、それは
お目にかかった時のことを彷彿とさせるものでした。
文章にも感激を覚えました。 心にパッと花が咲いたようです。

西村先生にお会いした時、私は1つのことを極められた方がどういった経緯で花にめぐり合い
心惹かれ、続けることができたのかということを知りたくて質問しました。
だれにとっても、どんな名人であっても、初心や最初はございますので興味がありました。

西村先生はこう仰いました。
「 20歳くらいの頃、家の近くにお稽古場があったので
お友だちと誘い合って行ったのが始まりです 」
そのサラリとした様子がとても自然体で、素適だと感じました。
それが、華道との運命の出会いだったのですね。

2014/6/6(金) 午後 3:49 月の真珠 返信する

追記

HPの西村先生のお言葉に
「 いけばなを、せいいっぱい判りやすく説明すること 」
とございますが、文章を書く上においても重要なことです。

私も恩師から
「 1番いい文章とは判りやすい文章だ。子どもが読んでもわかる文章だ 」
と教えられました。
物事の神髄には通じるものがございますね。

それが、お社中さんたちに対する 「 感謝の表現 」 であると伺い
改めて、西村先生の偉大さを感じます。

心より深く御礼申し上げます。
ありがとうございます。

2014/6/6(金) 午後 3:51 月の真珠 返信する

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