ヒナコノヒヨコ

遠い灯を 求めておよぐ 昏い夜。

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子猫だった

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ゆうべの晩ごはん。
寿司・回転系。二日も続けて寿司…。ルーの希望による。

写真の猫は、ウチの前の空き地出身野良である。

空き地には土地所有者のものらしい「納屋」があるのだが、昨年のちょうど今ごろ、その小屋で数匹の子猫が生まれた。

去年の六月の、終わり頃だったと思う。
梅雨の合間をぬって夕間暮れ、家族でその空き地で花火をしていた。
すると納屋から子猫の鳴き声が。

無類の猫好きの私は、少々酒が入っていた勢いもあり、暗がりのなか納屋に入り込んだ。
入り込んだ途端、工具箱か何かが落ちる派手な音がした。
ルーとビーがおびえ、珍しく同居人が声を荒げて怒った。
あんたは酒が入ると碌なことをしない。
猫を見たかっただけだ。
他人の小屋に勝手に入るな。子どもを危ない目にあわせるな。
ただ猫が見たかっただけだ。
そんなの言い訳にもならない。

気まずいまま一晩が経った。

翌朝早く、同居人がこっそりと家を抜け出して行く気配がした。
わかっていたけれどもこっちも意地になっていたので、しらんぷりをして布団を頭からかぶって寝たふりをしていた。
しばらくしてドアがまた開き…同時に子猫がにゃあと鳴く声が寝室にまで届いた。
飛び起きるルーとビー。
(二人とも母親に似て大の動物好きである)
生まれたばかりの、乳離れしていないような子猫を挟んで家族四人わあわあ言っていた。

ばつの悪そうな顔の同居人に聞いたところ、どうにも気になり昨日の納屋まで行ってみたところ、このチビすけが納屋のまわりをよたくたと歩いていたと言う。
母猫の姿も見えないし、これは、と思いとっさに連れ帰って来た、と。

しかし我が家はペット禁止のマンションである。
ルーとビーと言う珍獣も既住しているのだ。
これ以上何かを養うことはできない。

それで、ルーとビーが保育園に行っている間に、私がこっそりと納屋に戻しに行くことになった。
昼日中、覗いた納屋の中には、よく似た白チビ猫が数匹、母を捜して鳴いていた。
「ごめんよ。大きくなれよ」と言って、そっとそこに置いて出た。

長くなってしまった。
で、この写真の白猫である。
たぶんその納屋で生まれた幼子のうちの誰かである。
もしかしたらウチに運ばれてきた子かもしれない。
最近似たような白猫一族を空き地近辺でよく見かける。
猛暑に耐え、長い冬を乗り切って、また春を迎えたのだ。
寿ぐ。

そして今年もあの納屋では、幼子が次々と、また。

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