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書名:日本列島は沈没するか?
著者:西村 一・藤崎慎吾・松浦晋也
出版:早川書房
内容:リメイク映画化で話題となった小松左京往年の傑作「日本沈没」。当時最新の科学知識を
  もとに描かれたこの災害は、どこまでが科学的事実に基づいており、どこからがフィクショ
  ンなのか?それとも、ありうべき未来なのだろうか?また、現代の惑星科学はどこまでこの
  地球の仕組みについて迫ってきているのか、そしてそのための最新技術とは?

  本書では、気鋭のSF作家3人が惑星科学のダイナミズムを様々な角度から分析し、最先端
  技術やそれにより得られた最新の知見をもとにその可能性を徹底検証してみせている。あわ
  せて、現実の地球物理学研究の最先端現場レポートも豊富に盛り込まれている。SFファン
  ・科学ファン垂涎の一冊である。

感想:リメイクされた映画「日本沈没」についての評価を知人から聞いたところ、「スペクタク
  ルシーンのSFXにはそれなりに見るべきものがあるものの、原作にある文明論の深遠さも、
  前の映画版で描かれた人間ドラマの厚みも感じられない。わざわざ見なくてもいいよ。」
  とのことであった。

  予告編を見た限りでの私の印象どおりであり、その映画にあわせてやっつけで描かれた本だ
  とすれば、この本もあまり期待してはいかんか・・・などと思いつつ手に取ったのが本書で
  ある。しかし、これはどうやら違う。そもそも企画としては全く独立に立ち上がったものと
  のことである。

  それに、本書ではもっぱら地球物理学の最新知見に基づき、大真面目に「日本列島が、どう
  やったら科学的に説得力ある方法で、かつドラマチックに沈むか?」という問題意識で分析
  をしてみせるのがメインテーマである。まさにSFマニア大喜びの知的エンターテインメン
  トであった。

  それにしても、こんなにも日本列島を沈めるのが大変とは思わなかった。本書によると、日
  本列島の基盤となっている部分はマントルや海底プレートより軽いため、単にプレートが移
  動してマントル下へ引きこもうとしてもおいそれとは沈まないのだ。それを押してどうやっ
  て沈む理屈をつけたか?その辺は実物を読んでのお楽しみである。

追記:著者のひとり、藤崎氏は昨年、まさにその地球物理学的知見をフルに取り入れた小説「ハイ
  ドゥナン」を発表しており、本書の出発点はその内容のもととなった現実の地球科学に関する
  解説書を書きたいという願いからだったのだそうだ。どうやら、この小説も読まねばならない
  ようである。

追記2:本書でも、関連話題としてこの記事で取り上げたライザー掘削船「ちきゅう」が詳しく紹介されている。

追記3:本家「日本沈没」から33年を経て遂に出た続編の書評はこちら。

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突然ですが、面白かったのでトラバさせてもらいました。 迷惑だったらすぐ消します。

2006/10/21(土) 午後 0:07 [ m_k*ba*9*7 ] 返信する

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m_kobaさま、迷惑だなんてとんでもない。ちゃんと読んでいただけた上でのトラックバックであれば大歓迎です。いろいろ雑然と薀蓄を書き散らしているばかりの当ブログですが、よろしければまたお越し下さい。

2006/10/21(土) 午後 0:36 半端者 返信する

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