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以前PARKさんからいただいたイノシシのお肉。 おいしく大和煮に仕上げました。 イノシシらしく味が濃くてあっさりとした味でした。 アイシャもお勧めです。 昨日の夢は・・・なんだかあまり良い目覚めではありませんでした。 悪い夢は忘れたいです。 「遼州戦記 墓守の少女 改訂版より」 ゆっくりと機体を固定していた機器を避けるようにして進むクロームナイト。対消滅エンジンはうなり声も上げず、クリスにはなぜ動いているのか不思議になるような感覚が訪れていた。足元で誘導する整備員に従ってそのまま、まだ暗い朝焼け前の空の下に姿を現す。 「シャム!貴様のクロームナイトが一番足が速い。いけるか?」 セニアの言葉にシャムは静かに頷く。 「クリスさん、行きますよ」 そう言うとシャムはパルスエンジンに火を入れた。軽い振動の後、静かに周りの風景が落ち込んでいく。 「高度は百メートル以下にしろ!上空の東和空軍機に捕捉されると面倒だ」 セニアの声を待つまでも無く、クロームナイトは北兼台地に向かう渓谷を滑るようにして飛び始めた。 「ナイトシリーズか。さすが遼南の盾と呼ばれた機体だ」 クリスはすでに巡航速度に達している加速性能に感心しながら前を向いているシャムを後ろから眺める。 「質問、いいかな?」 つい文屋魂で、息を整えながら操縦棹を握っているシャムに声をかけた。 「うん、まだブリーフィングとか言うお話会で教わった地点まで時間が有るから大丈夫だよ」 シャムは振り向いてそう言った。 「なんで君は戦うんだ?たぶん嵯峨中佐は君には難民と一緒に避難するようしつこく迫ったはずだ。だけど君は今ここにいる。もう戻ることは……」 「友達だから」 言葉をつむぐクリスをさえぎるようにしてシャムは笑顔を浮かべてそう言った。 「もう一人ぼっちになりたくないんだ。熊太郎がいて、隊長がいて、セニアがいて、飯岡さんがいて。みんながいるからあたしはここにいる。もう一人ぼっちなんて嫌だから」 そう言い切ったシャムはにこりと笑うと漆黒の渓谷へと目を移した。レーダーには後続の二式の反応が映し出される。高高度にはいつものように東和空軍機がへばりついてきていた。 「東和の偵察機か」 苦々しくクリスはそうつぶやいた。東和空軍は常にこの戦いを監視すると宣言している。遼南中部以北に飛行禁止区域を設定し、航空戦力の使用に対し実力行使も辞さないという状況は人民軍にも共和軍にも利もあれば害もあった。たとえばこうして限られた戦力で攻撃をかけると言う状況においては、非常にその害の部分が浮き彫りになる。 東和空軍の偵察機のデータを盗み見ることくらい、共和軍に鞍替えした吉田俊平少佐には容易いことだろう。彼は十分にこちらの手の内を知った上で迎撃体制を整えることができる。そう思いながらクリスは見えもしない東和空軍の偵察機を見上げた。 突然割り込みの通信が入り、クロームナイトの全周囲モニタにウィンドウが開いた。にやけた表情の青年将校、嵯峨中佐の姿が大写しにされる。 「はい、皆さんご苦労さんですねえ」 そう言いながら頭を掻く嵯峨。クリスはあっけに取られて画面の中の嵯峨の顔を見つめた。頬のあたりに赤いシミがある。良く見ればそれはどす黒い新鮮な血液だった。嵯峨も気付いているようで左腕で拭おうとするが、その左の袖にも大量の黒いシミが浮かんでいた。 「隊長?」 シャムはウィンドウの中の嵯峨に目を奪われた。 「さて、共和軍の皆さん。あんたらの大将のエスコバル大佐はお亡くなりになりましたよ」 嵯峨はあっさりとそう言うと、隣から手渡された焼酎の小瓶を口に含んだ。 「まあ、現在共和国大統領府が後任の人事を急いでいますが、まあどれほど人材があるのかは俺の知ったことじゃ無いんでね」 そう言うとにんまりと笑う嵯峨の目に浮かぶ狂気をクリスは背筋の凍る思いで見つめていた。 「吉田の旦那。あんたも雇い主がおっ死んだと言うのにご苦労なことですねえ。確かにここで白旗上げればあんたの傭兵としての命脈が尽きると言う理由で戦う。仕事とは言え同情しますよ」 嵯峨は明らかのこの状況を楽しんでいる。クリスは確信した。 「腕と勇名があんたクラスの傭兵になると給料の査定に響く話だ。飼い主がくたばった後でもその尻拭いもせずに引き下がったとなれば、どの武装勢力も民間軍事会社もあんたを買ってくれなくなる」 そう言って嵯峨は再び焼酎の小瓶を傾ける。 「まあ、降伏しろとは言わねえよ。だが頭は使っておくほうがいいな」 嵯峨の表情はまるで子供のそれだった。悪戯好きの子供がまんまとわなにはまった教師を見下すような表情で彼は話を続ける。 「そう言うわけなんで、俺の部下の皆さんは空気読んで適当に暴れてこいや」 それだけ言うと突然振り向いて歩き出す嵯峨。さらに誰も映っていない状態でウィンドウだけが開いている。 「あれ?まだ回ってるの?ちゃんと切っといた方が……」 中途半端なところでウィンドウは閉じた。クリスはただ呆然とその光景を眺めていた。 「なんだよ、空気を読んで暴れろって?」 クリスの言葉に振り返ったシャム。その表情には不思議な生き物を見つけたような大きな目が輝いていた。 「邀撃機上がった!三機……まだ増える!」 セニアの声がコックピットに響いた。 「ちょっと揺れるけど我慢してね」 シャムはそう言うとさらに加速をかける。クロームナイトの重力制御コックピットにより、マイルドに緩和されたGがクリスの全身を襲う。 「シャム!そのまま無視して突っ込め!吉田が出てくるはずだ」 セニアの指示に頷くシャム。モニタの中の点のように見えた共和軍のM5が急激に大きくなる。朝焼けの光の中、そのいくつかが火を放った。次の瞬間、振動がクリスを襲う。 「直撃?」 「違うよ!」 そのままシャムは速度を落とすことなく、滞空しているM5をかわして突き進む。 「敵機、さらに五機出てきた!御子神とレム、ルーラはシャムに続け!私と飯岡と明華で先発隊は落とす」 「じゃあ私達は御子神中尉についていきますよ」 指示を出すセニア。その言葉に続いて進む東モスレム三派のシン少尉、ライラ、ジェナン。 「クリスさん。また揺れるよ」 そう言うと同じように五つの豆粒が急激に拡大し、そこから発せられた光の槍をかわすようにしてクロームナイトは進む。クリスはただ敵基地を目指し突き進むシャムの背中を見ながら黙り込んでいた。 「ここから!一気に落とすよ!」 シャムはそう言うと再び視界のかなたに現れた五つの点に向けて加速をかける。抜いた熱式サーベルを翳して、そのまま制動をかける。シャムの急激な動きについていけない敵のM5の頭部が、そのサーベルの一撃で砕かれた。 「邪魔しないでよ!」 クロームナイトの左腕に仕込まれたレールガンの一撃が、モニターを失い途方にくれる敵機のコックピットに吸い込まれた。そして爆炎がその後ろからライフルを構える二機目のM5の視界の前に広がった。 「そこ!もらうよ!」 シャムは視界にさえぎられて慌てて飛び出した二機目のM5の胴体にサーベルをつきたてる。そしてそのままパルスエンジンでフル加速をかけ、串刺しにされたM5を中心にして一回転した。クロームナイトの背中に張り付いていた敵のM5の大口径レールガンの火線はシャムの機体ではなく、友軍のM5のバックパックに命中して火を噴いた。 激闘が始まりました。 |
頂き物書庫
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ごらんのようにお肉一ブロックをいただきました。 いつもコメントをいただいている『PARK』さんからです。 実はこれはイノシシの肉。 おすそ分けされたものを一部いただきました。 鍋にしたい一品です。 昨日は久しぶりに汲み取り式のトイレに入る夢でした。 なんとなく懐かしいです。 今日ようやく第五部「遼州戦記 保安隊日乗 魔物の街 改訂版」が上がりました。 今回はかなりSFチックな展開になります。 読んでいただければ幸いです。 「遼州戦記 墓守の少女 改訂版より」 「支援は出来ない?!じゃあ何のためにあなた達は遼南に来たんですか!」 そうスペイン語訛りの強い英語で叫んだのは、遼南共和国西部方面軍区参謀バルガス・エスコバル大佐だった。スクリーンに映し出されたアメリカ陸軍遼南方面軍司令、エドワード・エイゼンシュタイン准将はため息をつくと、少しばかり困ったように白いものの混じる栗毛の髪を掻き分けた。 「我々は遼南の赤化を阻止するという名目でこの地に派遣されている。そのことはご存知ですね?」 「だから人民軍の手先である北兼軍閥を叩くことが必要なんじゃないですか!」 エイゼンシュタインの曖昧な出動拒否の言い訳を聞いていると、さすがに沈黙を美徳と考えているエスコバルも声を荒げて机を叩きたくもなった。だが軍でもタカ派で知られるエイゼンシュタイン准将は聞き分けの無い子供に噛んで含めるように説明を始める。 「単刀直入に言いましょう。我々は嵯峨惟基と戦火を交えることを禁止されている。それは絶対の意思、国民の総意を背負った人物からの絶対命令です。いいですか?これはホワイトハウスの主の決定なのです。つまり、我々に黒いアサルト・モジュールとの交戦は決してあってはならない事態と言うことになります」 子供をあやすようなその口調は、さらにエスコバルの怒りに火をつけた。 「つまり、魔女共を潰すことならいくらでもやるということですか?」 大きく息をしたあと、エスコバルはこの言葉を口にするのが精一杯だった。 「そちらは任せていただきたい。現在アサルト・モジュール二個中隊を魔女共粉砕のために投入する手はずはついている。さらに東モスレムの我々に協力的なイスラム系武装勢力にも十分な支援を行う準備もしています!」 エスコバルの怒りに飲まれないようにと注意しながら画像の中のエイゼンシュタインは額の汗をハンカチで拭った。 嵯峨の読みどおり敵方の陣営に乱れが起きます。 |
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本当に素敵に書いてくれました。 奥からサイボーグでお嬢様でツンデレな西園寺要。 戦うことしか知らない人造人間のカウラ・ベルガー。 カウラと同じ境遇ながら人生の大半を遊びに使うアイシャ・クラウゼ。 そして彼女たちに振り回される主人公神前誠です。 遼州戦記 保安隊日乗の主要キャラです。 ただ今日で全話掲載を終えた「遼州戦記 墓守の少女」には全員登場していなかったり・・・。 ただどちらにも共通のキャラも居ますので。 本当に素敵なイラストを頂いてうれしくなる私です。 |
![]() にほんブログ村 小説ブログ SF小説へ(文字をクリック) ↑こちらの文字をクリックしていただければ励みになります。 http://blogs.yahoo.co.jp/bullsikka ↑ミニモスママさんのブログ。 ブルドッグとの生活のブログです。 本当にかっこいい! 早速写真を撮りました。 白と黒。灰皿がシックだとうれしいです。 そこでこれはハードボイルドな灰皿だということに気付きました。 ブルといえば刑事。雰囲気としては1930年代のニューヨーク市警がイメージされます。 そこで。 いかにも公僕らしく安酒のロンリコラム。 タバコは両切りのラッキーストライクがあればよかったのですが両切りピースでごまかしました。 愛銃としてコルトM1911A1、通称「コルトガバメント」。 時代と警察という雰囲気からすればS&WのM10が欲しかったです。 本当に中途半端ですみません。 「遼州戦記 保安隊日乗 今日から僕はより」 要はそう言うとせっせと鉄板の上の料理を盛り分けていたアイシャから皿を受け取った。 しかし、その中身を見るとすぐにアイシャに突き返した。 「アイシャ!テメエ、アタシに恨みでもあんのか?」 「あらどうしたの?要ちゃん」 「ピーマンだらけじゃねえか!アタシがピーマン嫌いだって知っててやってんだろ!」 「ちゃんとバランスよく食べないと、その巨乳が維持できないでしょ?」 箸にワザとピーマンだけをより分けて拾ったアイシャは、それを要の手の中の皿に盛り付けた。 二人の間に緊張した空気が流れる。 「じゃあ、アタシが食べるの!」 空気を察してか、それとも野生の勘がなせる業か、シャムが要の皿からピーマンをより分け始めた。 「神前!オメエも取れ!」 「西園寺さん。実は僕もピーマンあんまり好きじゃないんです」 誠は不安を抱えたまま要と眼も合わさずにそう答えた。 少し間をおいて、罵られるかと思いつつ要の顔を見ると、そこには満面の笑顔があった。 「聞いたか?アイシャ!神前とアタシはピーマンを憎む同志なんだ。お前やシャムのようにピーマンを好む人間とは一線を画してるんだ。分かるか?神前!やっぱオメエ気に入ったよ!じゃあこれを飲め!」 要は誰も手をつけようとしていなかったテキーラの瓶を手に取ると栓を抜いた。 「それって結構きついですよね?」 「ああ、アルコール度数40パーセントだ」 「飲まなきゃだめですか?」 「アタシと同志であると言う所を見せるにはこれを飲み干さないとな」 据わった眼で見つめてくる要を前に、自然に後ずさる誠。 「西園寺!また神前少尉を潰すつもりか!」 |








