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つばき日記
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加代子は、カサブランカのような白いドレスを身につけ、赤い天然石のペンダントにこの香りをつけておいた。
そして、男の前に、さりげなく立ち、小さな小瓶を手渡しながら
『私、香水開発担当の大島加代子です。新しい香水を開発しましたので、どうぞ。インスピレーションという名の
香水です。この香りを嗅ぐと恋に陥ってしまう危険な香りです。』そう言って目をみつめた。

男は香りの感想は一切いわず、戸棚にあったバカラーのワイングラスを新聞にくるみ記念に持っていってくれと
加代子に差し出した。
『あとで、社の方に香りの感想をメールしておくから。』長身の男は、そういって部屋をでていった。
加代子はバカラのグラスをくれたくらいだから、よっぽど、この香りがきにいってくれたんだと思った。
夕方・・・

『あの香りは素晴らしすぎる、僕はさりげない野に咲く花のようなそんな香りが好きだ。僕の店では、この香りは、使わない。』

高級なバカラーのグラスを新聞紙で包むような男だ!あんな男に認められなくてもかまわない。
だが、なぜか、自分が、わざとらしい香り、小さいときに育った下町の香りを引きずっていると言われたような気がした。
縁がないって、こういうことか・・・・

15歳マルタの恋

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マルタは15歳、バレリーナの学校に、通っています。
ネットで知り合った男の『この次の日曜日に会おうか』と言う言葉が頭の中でぐるぐる廻ります。
なのに、マルタは、バレエの主演の役もほしいのです。
赤いチュウリップの妖精という主演の役をやって、劇場に立つ。スポットライトを浴びて・・・
マルタは、そんな夢多き乙女でした。
しかし、日曜日のデートも終わり、その次の日曜日も又、その次の日曜日もと・・・デートを重ねていくと自分の輝きが消えていくことに、気がつきだしました。

なぜだろう?
止まって身動きが取れないのです。縛られているみたいなのです。頭も体も踊りを踊ることができなくなってしまったのです。これが恋?

身も心も、さらさらと、流れる水のように、とらわれる事なく自由の身で、なくては、いけないのに・・・
マルタは、15歳自分自身をどうしてよいか、自分を持て余しました。

斎藤という男

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『斉藤さん・・・もう、お別れね。』
恭子は、斉藤に握手を求めた。
『手紙書いてくれな。』斉藤は住所と施設の名が書いてある紙切れを恭子に渡した。
『でも、斉藤さんは、字が読めないんでしょ。誰かに読んでもらう?』
『うん。』と斉藤は、うなづいた。
恭子は斉藤が病気で字が本当に読めないのか、疑問を持っていた。
『私の住所も本名もいえないけど、つばきという名ではがきを書くわ。でも、つばきという名忘れる?』
斉藤は大きな目でじっと見つめ、
『忘れない!』と言った。
恭子は斉藤に絵2枚を、渡した。
そこに小さくローマ字で、つばきとサインが書いてあるのだ。
斉藤は外国中を旅し、各国の料理が作れるとも言った。
が、しかし、今は病気で歩くことさえもできない。財力もない。
『恭子、背中を丸めないで、胸を張ってまっすぐ、歩けよ。』
斉藤はそう言って車椅子を手で漕いで、自走で部屋を出て行った。

斉藤がいなくなった後、恭子は目を閉じた。
目を閉じた世界の中、斉藤が車椅子から、降りて、スタスタ歩き英語、中国語、日本語をスラスラ話す姿が浮かんできた。不思議な幻想的な一瞬の夢からさめた、恭子は目をあくと、戸までが、ゆがんでみえた。外は冷たい雨が降っていた。

メールを待つ女

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男からのメールが、届いた・・・
男からの着信は、通常、壁に電動で釘を差し込むような音である。
が、男はその日の気分で、着信の音を変える。
靴のコツコツする音だったり、風の音だったり、波のおとだったり、雨だれの音だったり・・・
今日は、滝の流れる音の着信!
着信があると、女は、いてもたっても、いられない。

駅であろうが、道端であろうが、しゃがんで、メールを読み、即、打ち返す。このときなぜか女は鼻のところへ、手を持ってくる・・・

男はハッカーで、日本でも5本の指に入ると言う人間だ。
セキュリティ会社に、引き抜かれたが、もう30歳も目の前、だんだん、技術力も古くなり、平凡となっていった。自分より2歳年上のこの女、だますことくらいなら、わけは、ないが・・・

女は、女で、男がだましていることは、百も承知していたが・・・

同業か。。。。    女はつぶやいた。

ある日、女は男の前で人差し指だけで、PCのキーを入力した。
 
ポツリ。ポツリと・・・・
 
その時、男は『機械音痴って言っていたけど、嘘だったね!』と言った。
 
さらに、男は続けた。

 
『普通にやってくれれば、いいんだよ、君の目の動きと鼻に手を持っていくところで、同業とわかったんだ!』 
 
その後、男は逢ってくれない。メールの返事もこない・・・・。ふと、あいつに、ちょっとだけ、ひざを貸してやった事を思い出す。 
今は、カバンの軽さがたよりなく、むなしい・・・・

(この絵はまだ途中描きなのです。元の写真がパソコンが壊れて消えてしまったのです。いつかこの絵も完成させたいです。)

 

消えた公団アパート

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僕は40年ぶりに、このアパートの前に立った。
外では桜が散りはじめている。

中学の頃、僕の家はこの公団アパートの2階、直子の家は1階だった。
心の行き違いで、僕と直子はケンカしたまま、ずっと今日まで長い年月が、流れていった。

外はこんなに明るいのに、このアパートの前は薄暗い。
まだ、直子は独身で、このアパートに住んでいるのだろうか・・・・
でも、僕はベルは押せない。
階段の向こうのドアがとても、遠くに感じられた。

そして、さらに10年、あのときのように、又桜が散り始めた・・・
が、アパートは、もう、無い!!
そこには大戸屋、そしてマックスバリューが建っていた。
直子は果たしてどこへ行ったんだろう・・・。

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