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76.わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐにまがふ おきつしらなみ
法性寺入道前関白太政大臣
77.せをはやみ いはにせかるる たきがはの われてもすゑに あはむとぞおもふ
す徳院
78.あはぢしま かよふちどりの なくこゑに いくよねざめぬ すまのせきもり
源兼昌
79.あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ
左京大夫顕輔
80.ながからむ こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ
待賢門院堀河
81.ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる
後徳大寺左大臣
82.おもひわび さてもいのちは あるものを うきにたへぬは なみだなりけり
道因法師
83.よのなかよ みちこそなけれ おもひいる やまのおくにも しかぞなくなる
皇太后宮大夫俊成
84.ながらへば またこのごろや しのばれむ うしとみしよぞ いまはこひしき
藤原清輔朝臣
85.よもすがら ものおもふころは あけやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
俊恵法師
86.なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな
西行法師
87.むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふぐれ
寂蓮法師
88.なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひわたるべき
皇嘉門院別当
89.たまのをよ たえなばたえね ながらへば しのぶることの よわりもぞする
式子内親王
90.みせばやな をじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかはらず
殷富門院大輔
91.きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ
後京極摂政前太政大臣
92.わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
二条院讃岐
93.よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのをぶねの つなでかなしも
鎌倉右大臣
94.みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり
参議雅経
95.おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに すみぞめのそで
前大僧正慈円
96.はなさそふ あらしのにはの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
入道前太政大臣
97.こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの みもこがれつつ
権中納言定家
98.かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
従二位家隆
99.ひともをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは
後鳥羽院
100.ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほあまりある むかしなりけり
順徳院
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