全体表示

[ リスト ]

家族を寝たきりにさせないために 

はじめに
介護問題は、医療と福祉に分けられるものでなく、また関係者・従事者のみで解決できるものでもない。
国民の意識改革、日本の特殊家屋事情(狭い、段差あり)対策を含め総合的に解決する必要がある。

医療面だけみても、介護期間・内容を少なくするために、「寝たきり」発生要因の脳血管障害・痴呆・
骨折等の予防、要因が発 生すれば早期治療・その必要性の教育(怪しいと思えば、直ぐに病院へ等)、
発症直後よりの早期のリハビリで寝たきり期間の短縮を計ると同時に、寝たきりは殆どの場合克服可能で
ある事の教育を行う(一般人の教育だけでなく、専門家の再教育を含め)等が必要である。

介護・看護面をみても、介護保険が導入されても、今後とも人手不足が予想され、その人手不足のために
「寝たきり」を増やしている面が多分にあり、家族・ボランティア・専門職の積極的なリハビリへの
参加、家族介護への公的支援、介護機器の積極利用等が望まれる。ここでは、介護・リハビリ面を中心に
その考えを紹介する。


A.「寝たきり老人」国際比較

ゴールドプラン「寝たきりゼロ作戦」を始めるに当たり、欧米の調査が行われ、やり方により「寝たきり
ゼロ」は可能であると判断し、ゴールドプラン「寝たきりゼロ作戦」を始めた筈です。
その時の調査報告があり、以下はその抜粋です。

「寝たきりゼロをめざして」──寝たきり老人の現状分析並びに諸外国との比較に関する研究──
     厚生省監修  中央法規出版出版     @1100 (H1.12.10) より抜粋

1.国内事情

1) 65才以上/全人口(2000年には約6人に1人が65才以上)
 1965:4.5% (1/22)  1985:10.3% (1/10)  2000:16.3% (1/ 6)   2021 23.6% (1/4)

2)「寝たきり老人」の収容先

86年当時の定義:6ケ月以上「寝たきり」の65才以上の人 。最近の定義は不明

     寝たきり  在宅    施設(内数)
年    老人総数  (内数)  病院  │ 特養 │老健施設

1986   60    23     25   │ 12 │ ー   (万人)
      100    38     42   │ 20 │       (%)

2000  100    36    10〜14 │ 24 │ 30〜26 (万人)
 

3) 「寝たきり期間」 (S60 東京都基礎調査) 平均4.2 年

 〜 3月 3〜 6月 6〜12月 1〜 3年 3〜 5年 
  6.0   8.3     7.5    27.1    15.8 (%)

5〜10年 10年以上  不明  計
17.8     13.5     4.5   100 (%)

1年以上の合計は74.2(%)(3年以上も合計して)
 3年以上の合計は47.1(%)
 5年以上の合計は31.3(%)(3人に1人は5年以上)


4)「寝たきり老人」要介護内容 ( S61国民生活基礎調査)

       ┃総数┃入浴│屋内│屋外│更衣│排泄│食事│体位
                │移動│歩行│   │   │   │変換

 総   数┃100 ┃90.0│57.2│72.4│76.7│64.7│54.5│36.2 (%)
 6ケ月未満┃100 ┃90.1│52.6│71.6│70.2│56.1│56.0│34.9
 6ケ月以上┃100 ┃90.0│59.3│73.2│78.5│67.1│55.7│37.1

注1)体位変換=寝返りを実施しないと床ずれ、肺炎、機能低下等発生。
 2)床ずれ発症率も未だ高いと推定されるが、統計は発表されていない。
 3)特養入所資格:「寝たきり」老人か、移動できても
   上記入浴、更衣、排泄、食事介護の内2ツ以上で介護必要な老人。


5) 70才以上の高齢者死亡直前の就床期間(参考) 注)「寝たきり老人」とは限らない。

1日以上 87.7%  ポックリ的は12%で殆ど望み薄。
1月以上 68.7%  
3月以上 51.3%  半数は死の直前に3ケ月以上床に
6月以上 37.0%  3人に1人
1年以上 26.5%  4人に1人
2年以上 18.7%
3年以上 13.1%



2.「寝たきり老人」の概念と国際比較 

1) 表現

 産業界の「改善」、看板」と同様に、「寝たきり」は国際語といわれるが、一般的には通用しない?
 英語表現も、英語圏では終戦位迄は存在したが、死語らしい。

 英語での表現  ┃         日本での用語 
            ┃  ADL(移動部分のみ)   │ 
            ┃ 行動状況    │介護状況 │  寝たきりの概念   
 
            ┃日常生活支障なし│完全自立 │          
            ┃           ┝━━━━ ┿──────────
 ─────┬─ ╂───────┤        │↑曖昧な概念としての
house-bound │im-┃ 屋内歩行可   │一部介助 │ 寝たきり(要介助)
━━━━━━┥mo-┣━━━━━━━┥       ├──────────
chair-bound │bi- ┃ベッドで体起こせる├─── ┤↑様態としての寝たきり
━━━━━━┥li- ┣━━━━━━━ ┥      ├──(歩行不能) 
bed-bound │ze-  ┃ 常に寝たきり  │全介助  │←厳密な意味の寝たきり
bed-fast  │d    ┃             │     │ (体を起こせない)



2)各国の比較 日本は最低3倍(在宅の日/英) 一般的に数倍は高い。

【在宅】               ┃'87 東京都┃  '85 英国   ┃デンマーク
     屋内歩行可(一部介助)┃  2.6% ┃     ┃
     ベッド 上で体を起こせる┃  0.9% ┃         ┃
     常 に 寝 た き り ┃ 0.6%  ┃  0.2%     ┃0.1%
      合  計/全老人比 ┃  4.1% ┃  8.0%     ┃
     要介護老人/全老人比 ┃  9.2% ┃ 9.0%(home-help) ┃6.3%



【長期ケア施設】     (65才以上)  (65才以上人口を100として )

                  ┃日 本│デンマーク │スエーデン │アメリカ
   調査年          ┃ 1987│ 1989│   │
           ━━━━━╋━━━┿━━━┿━━━┿━━━
 ベッドで体を起こせる     ┃ 25.4 │ ー │ 61.8 │ 40.6 (%)
 常に寝たきり         ┃ 33.8 │ 4.5 │ 4.2 │ 6.5
          ━━━━━━╋━━━┿━━━┿━━━┿━━━
 長期ケア施設入所率(病院・施設)┃ 3.7 │ 5.7 │ 6.8 │ 4.6

 施設入所率が人口比で日本が少ないのは入所が困難なため。
 注)常に寝たきり[全体](65才以上の人口比で)

 デンマーク:在宅0.1%*(1-0.057)+施設4.5%*0.057=0.3508%
 日本   :  0.6%*(1-0.037)+  33.8%*0.037=1.8284%

 日本/デンマーク=5.212≒5倍
 少なくともベッドで体を起せる状態になると、車椅子生活は可能になり、活動範囲は拡大する。


【施設】と【在宅】  (日本S62('87))
 特養:東京都の比より人口推定  病院:6ケ月以上入院の人

  行動状況   ┃ 特 養 ┃ 病 院 ┃ 施設合計 ┃ │ 在 宅 │
━━━━━━━━━ 万人┯━% 万人┯━% 万人┯━%   万人┬─%┤
日常生活支障なし ┃ 3.0│25.0┃ 4.5│18.0┃ 7.5│20.2┃ │  │  │
屋内歩行可    ┃ 3.3│27.5┃ 4.3│17.2┃ 7.6│20.5┃ │ 5.0│21.7│
ベッドで体起こせる ┃ 3.4│28.3┃ 6.0│23.8┃ 9.4│25.5┃ │11.0│47.8│
常に寝たきり   ┃ 2.3│19.2┃10.2│40.9┃ 12.5│33.8┃ │ 7.0│30.5│
      計  ┃12.0 100┃25.0 100┃ 37.0 100┃ │23.0 100│
                                 合計60万人

3)文化の違い 

            ┃    日  本       ┃       欧  米    

  社会の人権観 ┃ 人権観未確立        ┃  人権観確立             
  自 己 意 識┃ 依存:お世話になります。  ┃  自立:自分の事は自分でしたい。                                 
  家庭での老人観┃ 古稀をあがめる。(従来?) ┃  自立を援助する。          
  長期ケアの理想┃ そっとしておく。(従来?) ┃  出来るだけ自立を助ける。      
 
  住 宅 環 境┃○畳生活           ┃○椅子・ベッド生活
           ┃ 「横にならして下さい」   ┃  「腰を掛けさせて下さい」
           ┃                  ┃ベッドは寝る所であり日常的に寝食分離                    
           ┃○段差多く床もフラットでない。┃○床はフラット 
           ┃ 車椅子も入りにくい。
           (西洋型介護機器→日本導入が無理な面も)


注1) 上記の出典は、少し古いが(又日本の現状は少し良くなっていると思われるが)差程変化はないと思われる。住居地の実情?
日本人だけが「寝たきり」の体質とも思えない。やり方で変わるとの調査報告と見るのが妥当。

2)元々介護保険は「寝たきりゼロ作戦」として出発し、ゴールドプランと称していた。
何故「寝たきりゼロ」が消えた?施設では「寝たきり」が減り、「座りきり」が多くなっているようだが。定義的には「座りきり」も「寝たきり」。

3)欧米に追いつき、いかに追い越すか:
上記の他、日本の特殊家屋事情(段差・狭い)等を克服するかが鍵?
欧米では使えるが、日本の在宅では使用しづらい介護機器が補助対象になっている等の不具合もある。(例:移動リフト) 今度の介護保険制度では少し改善の方向?

続きは http://blogs.yahoo.co.jp/tuutajp/14919395.html



注)2001.05 作成の資料ですが、最近でも基本的に変っていないと思います。
  欧米諸国に比べ、要介護老人の比率が高いのが問題です。

閉じる コメント(4)

顔アイコン

石田さん、家族が寝たきりに成るというのは、家族全体にとって大変なことですね。そのための寝たきりに成らない、させない努力が一番大切ですね。でもこれがおろそかになって結果寝たきりをかかえることに成りかねませんね。しっかり私も勉強します。ありがとうございました。

2008/8/16(土) 午後 2:18 [ wmukaijp(彦左) ]

顔アイコン

青春18切符で、娘のいる東京に行ってました。介護保険が始まり、大分様子が変わって来たと聞きますが、家族が倒れた直後の最初に家族が一致団結すれば、大抵の人は立ち上がると思います。病院でもリハビリをしてくれますが、倒れた直後は、一度のリハビリの時間を長く取れません。少し、たとえば2分リハビリして、30分と長く休む、の繰り返しですから、家族でないと出来ないのですね。
やり方は、病院のスタッフが教えてくれると思いますが、兎も角最初は関節が動かなくなる事態にならないように、手足を動かすことだろう思います。

2008/8/19(火) 午前 9:16 [ つう ]

顔アイコン

寝たきりと言うより寝かせきりですね。寝たきりになる前に寝たきりにならない努力も必要と思うこの頃。毎日ワンコと散歩中ですが、80歳で散歩して見える方が沢山見えます。軽い運動散歩はとても良いと思います。今の時期は寒いので、首を温め、私はお腹もこしも足も温めていますが、代謝と免疫力が上がるよう温めて歩いています。そしてPCで頭の体操です。

2012/2/27(月) 午前 9:32 [ touwasangyou55 ]

顔アイコン

寝たきりになる原因の脳卒中などになっても大抵はリハビリで起き上がれるのに、私はダメだと思って、起きない人も多いですね。

寝たきりに限らず、がんでも同じだと思います。
前向きに生きるのと、後ろ向きでは5年生存率は4倍も違うというデータもありますね。

人は意識の持ちようで、あっちにいったり、転んだり。

2012/2/27(月) 午前 10:40 [ つう ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事