子牛と行動をと伴にすると、考えられない出来事に遭遇することが多々ある。
先日も渋谷で買い物に付き合う道すがら、
めちゃくちゃド派なオーラを発した真っ赤なスポーツカーに出くわした。
あーやだやだ、どうせ若くて大金掴んだ下品な成金が見せびらかしに来てるに違いない。
しかし、予想に反して持ち主は大人しく穏やかそうな中年男性。
誰かを待っているのか、路上に駐車して、外のガードレールに腰掛けていた。
周りはちょっとした人だかりができている。
向かいの通りから渡ってきた若者が「かっけー!」と口々に声を上げていた。
「何の車?」とざわめく中で、私は翼のような車の扉を見て、
ランボルギーニじゃないの?え?なに?カウンタック?と独り言。
昔、スポーツカーのミニカーが流行ったんだよね。
弟のミニカーでカウンタックだけは、その変わったドアの形状から憶えていた。
そのうち、持ち主が乗ってもいいよと声をかけたらしく、
「え?いいんすか?!」と若い男性が小躍りせんばかりに喜びながら運転席に乗せてもらっていた。
ふーーーん・・・・
そのまま素通りしようとした私に、子牛が、
「私も乗りたい!」と言い出した。
「え?知らない人の車に?」と私は少々驚きつつも、
便乗して運転席に乗せてもらう子牛をパシャパシャと「撮影する人」になっていた。
持ち主に御礼をいい、その場を後にしてから、
「なんで、乗せてもらおうと思ったの?」と尋ねたら、
「え?あんな高級車、私はこのチャンスを逃したら、一生乗れないと思ったから」だと。
そんなオーバーな!と思ったけれど、
よくよく調べたら、ランボルギーニ ムルシエラゴという車種のようで、
ウン千万するイタリアのスポーツカーだった。
ねえ?下種なミーハーかもしれないけど、その価格を知ってしまったら、
私も試乗させてもらえば良かった!とじわじわと後悔の波が押し寄せてきたわよ。
後悔とはじわじわとくるものなのよね。
しかし、あの若者の男性が群がる中に、中年のおばちゃんが、
よっこらしょっ!とランボルギーニに乗る絵って・・・・・、
想像しただけで寒い。
そう、私は多少は自分を客観的に想像できるのだよ。
しかし、子牛はチャンスの掴みが素早い。
私はどうも昔からこの掴みが弱く、目の前に絶好のチャンスがぶら下がってきても、
なりふり構わず掴むことができない。
そこは引くところじゃないはずなのに、引いてしまう。
自分に自信がないのかと思ったが、
実はプライドが高いことが原因しているのだと気付いた。
ちんけなプライドなんかかなぐり捨てて、
がっちりとチャンスを掴んでいたら、
恋愛も結婚も仕事も、もっと巧くいっていたかもしれないのになあ。
松田聖子も林真理子も、握力の強い女と言われたけれど、
「掴むは一時の恥、掴まぬは一生の後悔」なのかもしれないと思った夜の出来事だった。
ついでに書くと、この2、3日後に、高速道路でランボルギーニの同車種が高速道路で炎上するという
ニュースが飛び込んできた。先の人と同じ持ち主じゃないかと心配したが、
色が違ったので少しほっとした。
それにしても、ウン千万が一瞬にしてパーなわけよね?
ほんと世は無常なりけり。ランボに乗る者久しからずてか?