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(地図をクリックすると、拡大します。)
久しぶりに、山岳部生活について更新します。
本日は、衣・食・住の“住”についてです。
ちょうど季節が冬ですので、冬山でのテント泊について述べたいと思います。
テントは、ヘリテイジ社のエスパースを使ってました。
これは日本のメーカーですが、ヒマラヤ登山でも使われる信頼性の高いものです。
☆ ☆ ☆
山岳部に入部して初めての冬山は、遠見尾根(とおみおね)〜五龍岳(ごりゅうだけ)でした。
北アルプスの北部。1990年1月のことです。
気温は、昼間でも−10℃程だったでしょう。
それでも行動中は(風さえ吹かなければ)、さほど寒いとは感じませんでした。
しかし、容赦なく降り積もる雪には閉口しました。
輪かん(かんじき)を履いていても、体はすっぽり雪の中、腰から胸までもぐります。
ひたすらラッセルします。
当然先頭が最も疲れるので、交代しながらのラッセルです。
行程は遅々として進まず、時速数百メートルがやっとでした。
この時は3人パーティーだったのですが、ラッセル要員として倍の5〜6人は欲しかったです。
※ラッセル【russel】 登山で、深い雪をはらいのけ、道を開きつつすすむこと。
☆ ☆ ☆
話が少し逸れました。テントに話を戻します。
冬は、午後4時あたりから急激に気温が下がります。同時に暗くなります。
それまでにはテントに入っていなければなりません。
上記のような悪条件では、テントを張るのにも1時間〜2時間かかります。
ですから午後2時(遅くても3時)には行動をやめ、テント設営の準備をしなくてはいけません。
(“寒くて”震えたことより、気温降下の速さが“恐ろしくて”震えた方が印象に残っています。)
☆ ☆ ☆
まずは設営場所が大切です。
なるべく風が当たらず、雪崩の危険がなく、比較的平らなところを探します。
設営場所が決まったら、雪を均(なら)し、踏み固めます。
ここでもラッセルしなくてはなりませんね。
同時に、風除けのための雪壁を作ります。
(雪は体温を奪いませんが、風は体温を奪います。雪よりも風のほうが怖いと思います。)
そして最後にやっとテントを張ります。
こうしていると、1〜2時間くらいあっという間に経ってしまいます。
☆ ☆ ☆
テントに入ってまずやることは、「温かいお茶を飲む」ことです。
お湯を沸かすと、たちまちテントの中は湯気が立ち込め、向かいのメンバーの顔が見えなくなります。
ようやく、ほっとひと息つける瞬間です。
夕食を食べ終わると、午後7時頃。
早くも皆、寝る準備に入ります。
外では雪が降り続いています。
☆ ☆ ☆
シュラフ(寝袋)にもぐって3時間ほどすると、なんとなく足先と頭上が狭くなったように感じます。
気のせいではありません。
降り積もる雪の重みで、テントが押し潰されそうになっているのです。
3人のうち誰かが外に出て、テントの雪下ろしをしなくてはなりません。
これを私たちは「テント・ラッセル」と呼んでいました。
民主的に運営されていたわが部では、「後輩がいってこい」とはなりませんでした。
こういうことは平等に、「じゃんけん」で決められました。
テント・ラッセルは、その晩2・3回する必要がありました。
(その度に「じゃんけん」がなされたのは、言うまでもありません。)
☆ ☆ ☆
ちなみに、この時は五龍岳登頂は果たせませんでした。
悪天候に加え、ラッセルで疲労した軟弱部員3人です。西遠見山を越えたあたりで引き返しました。
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旭川は山ヤにとっては天国ですよ。夏は本格的な縦走を地元で楽しめる。北海道の冬山を制する者にとって、あとは高地訓練のみでエベレストさえ登れると言う。一方で手軽に本格を味わうこともできる。
2006/1/7(土) 午後 1:27 [ たかの ]
さんちゃごさんのこの記事を読んでいて、私の知らない、しかし山男や山女ら友人たちの過ごしている冬山はこんなものなのだ・・・と思いを馳せることができました。五龍とは「五竜とおみ」のゲレンデならば多少は知っていますが、山は宇奈月にあるのですね。そして南に鹿島槍が。まじまじと地図を眺めたのは初めてです。
2006/1/7(土) 午後 2:52
今の北海道、東北、信越は記録的な大雪で、地元の人も恐怖感を覚えるという話しを聞きました。記事のようなテントでの住も、人によっては重要ですね。
2006/1/8(日) 午前 8:33
鷹野さん。北海道の山は登った経験がありませんが、登り応えがありそうですね。(ヒグマの出現が、本州では味わえないスリルです。)
2006/1/9(月) 午後 7:44
喜助さん。五竜とおみスキー場のリフトの終着点が入山ポイントになります。山を下ってくると、だんだんスキー場のスピーカーから流れる音楽が聞こえてきます。
2006/1/9(月) 午後 7:47
letgoさん。連日豪雪関連のニュースが続きます。本当に自然の脅威ですね。今日のニュースでは、屋根の雪下ろしのため、自衛隊の隊員が出動していました。災害救助の任務、ご苦労様です。
2006/1/9(月) 午後 7:54
雪山でテントの中で寝る・・想像つきません。凍えそうな気がして。。すごい。
2006/1/9(月) 午後 11:56
毛糸帽を被ってないと、寒さで頭痛がして眠れません。ポリタンクは足に挟んで寝るか、枕にします。そうしないと中の水が凍ります。朝起きるとシュラフ(寝袋)の表面に霜が降りています。それでも大丈夫なんですよ。
2006/1/10(火) 午前 0:19
私は決して“M”ではありません。誤解なさらないように…。
2006/1/10(火) 午前 0:25
エスパースは我が部でも使用しておりました。ヘリテイジ?カモシカスポーツでは?同じ会社なのかな?私は冬の北アルプスには行った事がありません。
2006/1/12(木) 午後 10:04
今日は、Bokkaさん。エスパース・テントはやはりヘリテイジ社製で間違いないみたいです。http://www.heritage.co.jp/page0/top.html
2006/1/13(金) 午後 0:53
カモシカスポーツは、それを扱う山岳用品店のようです。(http://www.kamoshika.co.jp/newHP/shop_info/matsumoto/matsumoto2.html)うちの山岳部では、冬は八ヶ岳に山行することが多かったです。
2006/1/13(金) 午後 0:56
冬山でテント生活が出来る。。。沢山の先人の知恵と工夫から出来上がったんでしょうね!?悪天候と部員の状態で、登頂をあきらめる事も立派な登山ですね(^^)
2006/1/15(日) 午後 2:24
当時、ヘリテイジ社の雨具にはヘリテイジのロゴが入っていましたが、エスパースにはただ「エスパース」のロゴしかありませんでしたね。私が学生の頃、テントはダンロップ製が圧倒的に多かったですね。
2006/1/16(月) 午前 0:41
satoさん。仰るとおりです。道具の進歩、蓄積されたノウハウもすべて先人の努力と工夫の賜物です。ありがたいことです。
2006/1/16(月) 午後 1:50
bokkaさん。我が山岳部でも、エスパース以前はダンロップを使用していました。人気があるメーカーは一緒ですね。
2006/1/16(月) 午後 1:53
冬山登山は、実力がなく、置いてきぼりでした・・・
聞いて、伺い知る世界です。。。
GWに、南アルプスへ登った時、猛吹雪になりました。。。装備が不十分でした。私がパーティの足をひっぱりまして、結局下山しました。後で、知ったことですが、その山で、ひとつのパーティが遭難しました。雪山は怖いものですね。。。
2007/9/16(日) 午後 7:11
GWの頃は、たいてい天候が安定してベスト・シーズンなのですが…。荒れると冬に逆戻りですからね。
私は雪渓で2回滑落していますが、そのうちの1回が『悪天候に見舞われたGW』でした。油断なりません。
2007/9/21(金) 午後 4:41
私も、かれこれもう十年と少し前になりますが、スーパーライトエスパースを購入。その先都合があり一度も天幕出来ず。冬山での活躍度はいかなる物であったでしょうか?
2008/7/5(土) 午後 5:12 [ - ]
みことどすさん。はじめまして。
冬山は、八ヶ岳などの入門コース(入門と言っても十分本格的ですが…)が主なフィールドです。
テントも年々改良が重ねられていますね。
日々のトレーニングが圧倒的に不足している分、道具には奮発せざるを得ません。
2008/7/15(火) 午前 2:23