東北の田舎で内科医さんちゃごがたまに書く日記

悲観主義は気分によるもの、楽観主義は意志によるもの。楽観主義で参りましょう!

歴史

[ リスト ]

書かれなかった本

私が高校で世界史を習っていた時、M先生が生徒に質問しました。

「ソクラテス、釈迦(ブッダ)、孔子、イエス(キリスト)に共通する点は?」

「いずれも男!」
「いや、確かにそうだけど…。他には?」
「迫害された?…」
「釈迦や孔子は違う」
「結婚していない!」
「いや、それも違う。ソクラテスには悪妻で有名なクサンチッペ。釈迦も結婚している…」
「…」
「…」
などという遣り取りがあった気がします。

答えは「4人とも(自分の思想の)本を書いていない」というものでした。
言われてみれば、確かにそうです。

ソクラテスの言行は、プラトン著「ソクラテスの弁明」などで知られていますが、
「ソクラテス著…」という書物は聞いたことありません。
(友人で弟子のプラトンや、孫弟子のアリストテレスは書きまくっているのに…)

お釈迦様はカピラバストゥの王子でした。当然、文字くらいご存知だったはずです。
悟りを開かれたのは35歳で、入滅されたのは80歳。

いくら古代インドが「ものを記す」という習慣に乏しい土地柄だったとはいえ、
本を書くつもりならいくらでも書く時間はあったはず…
しかし万巻のお経は、全てお弟子さんが書いたものです。

ですから初期仏教の経典(阿含経など)は「如是我聞(かくの如くわれ聞きけり)…」
で始まります。つまり「(お釈迦様が)このように仰ったのを、私は聞きました…」と
前置きしてから教えを説いているわけです。(他のお経は知りませんが…)

孔子の場合はさらに不思議です。
古代インドと異なり、中国は「ものを書きまくる」お国柄。
実際孔子は「詩経」「書経」「春秋」などの編纂に携わったといわれてます。
しかしなぜか、ご自分の体系立った思想書は遺されていません。
ご存知のように「論語」もお弟子さんがまとめたものです。

有名な「子曰(し、のたまわく)…」=「(孔)先生が仰るには…」と
なるわけですね。

イエス様のケースは、ここで引き合いに出すのは不適切かも知れません。
この方は4人の中で、最も「本を書く」ための条件が揃ってなかったと思われるからです。

1つは、そもそも文字が書けたか否か不確かだということです。
文字を書けなかったと考える方が自然ではないでしょうか?
(※すみません、不勉強で本当のところは判りません。詳しい方、情報をお待ち申し上げます。)

2つ目は、(文字を書けても)本を書く時間的余裕がなかったであろうということです。
イエス様が布教を始められてから十字架に架けられるまで、約3年しかなかったそうです。
まとまった時間はとるのは難しかったでしょう。

しかし驚かされます。
(思想の)本を著していないにも関わらず、その後の世界に及ぼしている…

影響の大きさには!


M先生、お元気ですか?

閉じる コメント(12)

江戸時代の禅僧に盤珪禅師という方がいますが、この方は生涯かなりの回数説法をされましたが、お弟子さんにはそれを書き残すことを禁じられていました。「真実はことばにすることができない」からということと、「対機説法、人を見て法を説く」ということが非常に重要なことだからではないでしょうか。(ちなみに、後世の我々にはありがたい事ですが、盤珪さんの弟子はこっそり記録を残してくれてたんですよw)

2005/5/20(金) 午後 1:40 sai*oo*

まさに「不立文字、教外別伝(ふりゅうもんじ、きょうげべつでん)…」を地でいくようなエピソードですね。対機説法が「個人」へ直接伝える術であるのに比べ、書物は「一般人」を想定する間接的手法です。これは相補的関係で、優劣では論じられないと思います。

2005/5/21(土) 午前 9:47 さんちゃご

サイフーさんのページから流れてきました。私が思った共通点は、四大聖人は「人類を幸福にする教えを説かれた」なんですが、、単純過ぎる???

2005/5/21(土) 午後 3:19 letgo

>letgoさん、はじめまして。ソクラテスの場合「教えを説かれた」かどうかは微妙なところだと思います。しかし「人類に、より幸福になる方向を示した」という事実は間違いないでしょう!

2005/5/21(土) 午後 11:32 さんちゃご

そう考えると凄いですね、偉人の方々の周りのサポート作家(弟子)も、偉人のお話を残してくれた点においては、歴史的人物ですね〜。

2005/5/23(月) 午後 8:20 [ miz**i987*5jp ]

プラトン、顔回、迦葉(かしょう)、ペテロ……。お弟子さんも、師から信頼されていたわけですから。

2005/5/23(月) 午後 10:50 さんちゃご

かねてからこの点は、気になっていたことです。マホメットも仲間に入れてもいいかもしれません。親鸞が書いたものより、「歎異抄」のほうが、読みやすくて親しみが持てますし。

2005/5/25(水) 午後 8:50 rara

いろいろな方の思想を、共通点と相違点で比べるとまた面白いですよね。

2005/5/25(水) 午後 11:12 さんちゃご

そういえば、そうなんですねー。文字が書けなかった・・という発想は面白いですね。時間がなかった、というのも。考えたこともなかったので、面白いです。

2005/5/27(金) 午後 11:54 姉さん

少年時代から洗礼を受けるまでのイエス様の記録は、聖書にも全くと言っていいくらい書かれていません。いちばん謎が多いのです。

2005/5/29(日) 午後 6:19 さんちゃご

顔アイコン

さんちゃごさん、「エゲレス大全集」から来ました。「書かれなかった本」、興味深く読ませていただきました!

2005/6/5(日) 午後 9:43 [ fancyapint ]

顔アイコン

>こんにちは。うちの女房が大のエゲレス好きです。また遊びにいかせていただきます。

2005/6/5(日) 午後 10:57 さんちゃご


.
さんちゃご
さんちゃご
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事